田舎でのんびり起業を推進している地域って素敵ですよね

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2025年01月12日 18:01  BCN+R

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のんびり起業を推進している地域は素晴らしい
【八ヶ岳のんびり起業日記・5】今年はいつまでも暑かったけど、それでも12月下旬になったら一気に真冬の寒さになりました。僕が暮らしているところでは最低気温マイナス5℃、最高気温5℃くらいの日が続いています。年が明けたらもっと寒くなるはず。最高気温が氷点下という真冬日も珍しくありません。新しい拠点は以前の場所より標高も150m低いし、建物の断熱性能も高いもの。だから寒くないかなあ、と思ったんですが。まあ普通に寒いですね。薪ストーブだけではなく灯油ストーブもあるので、寒い時は我慢しないで両方使っています。

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●ガチ冬の寒さ到来! やっぱり八ヶ岳の冬は寒いね

 新しい拠点(ヤツクルベース)は、コワーキングスペースや、将来的に合宿研修向けの民泊運用も考えているんです。八ヶ岳の寒さに慣れていない来客もある前提で、できるだけ暖かくしようと思っているのですが、なかなか難しいですね。室温は20℃未満なので暖かい服装でお越しください。

新しく薪棚をつけました

でもこのくらいの量では1カ月ももちません

●寒さ対策には服装も大事! 特に足元の寒さ対策が有効です

 実は先日知人が泊まりがけで訪問してくれたんです。そしたら、「すごく寒い! 足元が冷える!」っていわれました。その人も新潟県妙高市に移住していて似たようなログハウスと薪ストーブの暮らし。だから、そんなに寒がるとは思ってなかったんですよね。知人の家に泊まりに行ったこともあるのですが、むしろ妙高の方が寒く感じていました。

 「何が違うんだろう?」と思ったところ、服装だな、と気づきました。上半身は大体同じようなもの。ニットだったりフリースだったり。でも下半身、特に足元が違うんですよね。

 僕はワークマンの冬用パンツ、くるぶしまであるルームシューズを履いています。一方知人はスウェットパンツに普通のスリッパ。客人用のルームシューズもないと、冬は辛いかもしれませんね。

 逆にいうと、足元をしっかり温めるだけでだいぶ体感温度は変わります。冬はパンツと靴下も防寒対策を忘れずに。

●田舎でのんびり起業を推進している町があった

 さて、田舎でのんびり起業のお話し。今回は、起業しやすさを意識している町についてお話しします。起業しやすい自治体って、たくさんありますよね。支援金を充実させたり、創業支援のサービスがあったり。

 でも今回はそういったお金や制度ではなく、どちらかという環境面の話です。環境が整っていることで起業のハードルも下がるんですよね。

●長野県辰野町は地域で田舎でのんびり起業を推進している

 今回紹介するのは、長野県辰野町というところです。ここは、長野県のちょうど真ん中あたりにある町です。伊那谷と呼ばれる、中央アルプスと南アルプスに挟まれた天竜川沿いの山間です。

 古くは旧中山道の宿場町で、その後も1983年のトンネル開通まで中央本線の特急あずさも停まる交通の要所だったようです。当時は駅前商店街も賑わっていたんだそう。

 ですがトンネル開通後は中央本線も辰野を通らず、中央高速のICもないため徐々に寂れ、今では空き店舗も目立つシャッター商店街になっています。

 でもそんな町だからこそ、田舎でのんびり起業を推進できる環境が整ったんです。

●低リスクで「始めてみる」環境が整っている

 辰野町は、シャッター商店街の再生を行っているんです。空き店舗を改装してシェアキッチンや小規模なモールを作っています。つまり、一つの店舗を丸ごと借りなくても区画単位の賃料でお店を出せる仕組みです。

 これって、すごいことだと思うんですよね。起業初期の課題はなんといってもコストの最小化です。例えば、小規模な飲食店やハンドクラフト店を営もうとしても店舗家賃を考えると毎月20万〜30万円の売り上げが必要です。

 一方で、シェアキッチンや小規模モールなら店舗を区画単位で借りることができます。毎月数万円の売り上げでも小さな利益が残ります。また、短期出店ができるのも魅力です。例えば、1人でハンドクラフト販売をする場合、制作期間と販売期間を分けて運営することもできるのです(今月は制作に集中して、来月はそれを販売する、というスタイル)。

 これなら勢いで起業して、儲からない場合も撤退リスクも小さくなります。起業は始めるのも撤退するのもリスクがつきものですが、辰野町では最小のリスクで始められる環境が整っているんです。

商店街の空き店舗がシェアキッチンとして

小商い起業に使われている

●空き店舗とアート系起業は相性がいい?

 また、辰野町ではアート系の駆け出し起業家も多いのだそうです。アート系の場合、展示スペースや作品作りのための工房など、どうしても広い空間が必要です。

 大きなアトリエは、どうしても賃貸料も高くなりがちなもの。駆け出しアーティストにはハードルが高いものです。

 でも空き店舗なら比較的賃料もやすくなりますし、商店街のお店ならそれなりに広い空間もあります。古い(ボロい?)お店もアート作品があると不思議とレトロでオシャレな空間に見えてくるものです。

●駆け出し起業家を応援する町って素敵ですよね

 辰野町よりも前から駆け出しアート系起業家が集まっていた下諏訪町の起業支援の人の話も聞くことができました。

 最初は空き店舗で始めたアート系起業家は、ある程度の成功を収めると山間の広いアトリエへ写ってしまうのだそうです。なので空き店舗で開業するのは常に成功者ではなく、成功を夢見る起業家の卵なんだそうです。

 これって素敵なことだと思いませんか。漫画でいうトキワ荘、音楽なら下北沢のような、成功を夢見るアーティストの卵が集まる町。辰野や下諏訪など、長野の空き店舗から将来のアーティストが巣立つ。そんなストーリーも生まれそうです。

●田舎でのんびり起業してみない?

 今回は「田舎でのんびり起業」を支える町の仕組み・環境について紹介しました。もちろん辰野町だけでなく、他にもスモールビジネス起業を進めている地域はたくさんあると思います。

 地域活性化というと、すぐに都市部からの企業誘致や地域イベントなど派手な活動ばかりに目が行きがちですが、それだけではありません。地域のひとがハッピーに暮らせている、というのが一番大事なことだと思います。スモールビジネスが活発な地域は賑わいがあります。そして地域の人が営んでいる事業が元気ならば、ハッピーに暮らせる人も増えるはずです。「田舎でのんびり起業」が多い地域は、ハッピーな地域なのでは、と考えています。

 今後もこの連載や僕の田舎でのんびり起業コミュニティ「ヤツビジ」で起業に役立つ情報や僕自身の経験も伝えていきます。ご興味のある方からのご質問・ご相談もお待ちしております!(TMR・玉利裕重)

■Profile

玉利裕重(たまさん)

八ヶ岳南麓のひとり法人(TMR)代表。外資系IT企業からのんびり田舎暮らしへ。起業コミュニティプログラム「ヤツビジ」を運営し、「田舎でのんびり起業」を目指す個人を応援している。お問合せ・ご相談はこちらのメールへどうぞ( contact@tmr-llc.jp )

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