秋篠宮さま「皇族は生身の人間」30歳を迎えられた佳子さま、幸せを願う父としての発言の“真意”

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2025年01月12日 21:00  週刊女性PRIME

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トルコ公式訪問に出発する秋篠宮ご夫妻をお見送りする佳子さま(2024年12月3日)

「少し離れたところで過ごしているわけですけれども、ときどき会う機会があります。何と言っていいのかわかりませんが、元気に過ごしています。それぐらいしか言えないかな。そして結婚でしたか。結婚については何か話し合ってるということは今はありません。以上です」

佳子さまのご様子やご結婚について

 2024年の暮れも押し迫った12月29日、秋篠宮家の次女、佳子さまは30歳の誕生日を迎えた。その1か月ほど前の記者会見で秋篠宮さまは、記者から「分室で生活されている佳子さまのご様子、ご結婚についてのお考えやご家族で話し合われていることもお聞かせください」と尋ねられ、このように答えている。

 秋篠宮ご夫妻と長男、悠仁さまは東京・元赤坂の秋篠宮邸で暮らしているが、佳子さまは本邸の目の前にある別棟の分室で、家族と離れて生活している。地方に住む親の元を離れて、東京などの都会で一人暮らしをする30歳の女性ならそれこそたくさんいる。

 親の干渉を受けずに一人、伸び伸び、自由に生活したいという気持ちは理解できる。しかし、皇室ではまだ珍しいようで、佳子さまの分室暮らしが週刊誌やインターネットなどで取り上げられ、話題となったこともある。

 秋篠宮家関係者によると、公務の打ち合わせなどで佳子さまが両親と会うのはよくあることで、昨年も母、紀子さまと一緒に公的な活動などに佳子さまは出かけているし、親子仲が悪いわけでは決してない。

 昨年11月、秋篠宮さまの59歳の誕生日に宮内庁が発表した家族写真と映像を思い出してもらいたい。映像には家族4人で古い写真を見ながら、小声で父親に話しかける佳子さまが映っている。どの場面でも、鮮やかなブルーのワンピースを着た佳子さまは満面の笑顔で、本当に家族と一緒にいることが楽しい様子だ。

 2023年11月27日に行われた誕生日会見でも、秋篠宮さまは記者と次のようなやりとりをしている。

記者「ご結婚に対する、佳子さまのお考え、そして殿下のお考えについて」

秋篠宮さま「そうですね、結婚については、もし、いずれ、娘が結婚のことについて話をしてきたときには、彼女の考えをよく聞いて、そしてまた、こちらの思うところも伝える、というような感じで話し合っていければと思っています」

記者「助言されていることや、話し合われていることはありますでしょうか」

秋篠宮さま「それは結婚について。特に今はありません」

 '24年、'23年と、結婚についてゼロ回答だったが、今年も佳子さまの結婚が国民の一大関心事であることは間違いない。

「基本的にこれは皇室のシステム、制度に関わることでありますので、これについて私が何かお話しするということは控えることにいたします。ただ一方で該当する皇族は生身の人間なわけで、その人たちがそれによってどういう状況になるのか、そのことについて私は、少なくとも、そういう人たちを生活や仕事の面でサポートする宮内庁の然るべき人たちは、その人たちがどういう考えを持っているかということを理解して、もしくは知っておく必要があるのではないかと思っております」

皇族も生身の人間

 昨年の誕生日会見で、記者から「衆参両院議長は9月、皇族数確保策に関する与野党協議で、女性皇族が結婚後も皇室に残る案についてはおおむね賛同を得られたとの見解を示しました」などと聞かれ、秋篠宮さまはこのように答えている。

「ただ一方で該当する皇族は生身の人間なわけで」という箇所についてどう考えるのかと、私は報道関係者などからいろいろと取材を受けた。佳子さまは生まれてから30年もの長い間、「あなたは、結婚したら一般国民になります。皇族でなくなります」などと、ずっと言われて育ってきた。本人もそのようにしっかり自覚している。それがどうだろう。「皇室制度が変わりました。結婚してからも皇室に残ってください」と、いきなり政府から言われても、佳子さまは大変、困るであろう。

 娘を深く愛する父親の立場から、このことを秋篠宮さまは言いたかったのだと思う。結婚して普通の国民になったら、あれもしたい、これもやりたいといろいろ考えているはずである。こうした佳子さまの夢や希望などを突然、奪ってしまってよいものだろうか。

「皇族である前に一人の人間である」ということだと思う。佳子さまは内親王という重い立場ではあるが、その前に30歳の一人の女性である。幸福に生きる権利を、当然、彼女も持っている。政府や国会議員たちは、佳子さまの人生をもっと真剣に考えてほしい。皇室制度を変える前に彼女から意見を聞き、佳子さまに寄り添って議論を深めてもらいたい。というのが娘の幸せを願う父親の真情であり、それを秋篠宮さまは国民に向けて吐露したのだ。

「姉は、何でも話すことのできる頼りになる存在です。姉と過ごす時間は非常に楽しいので、よく姉の部屋で過ごしております。今は海外にいるのであまり会うことができず、寂しく感じることもありますが、ときどき連絡を取っております」

 今から約10年前のこと、2014年12月29日、20歳の成年の誕生日を迎える直前に行われた記者会見で、佳子さまはこのように姉の小室眞子さんととても親しくしている様子を紹介した。

 2021年10月26日、眞子さんは大学時代の同級生と結婚した。婚姻届を提出し受理されただけで、「納采の儀」や「朝見の儀」など、結婚に関連する皇室の儀式・行事は一切行われず、一時金は眞子さんが辞退するという異例のものだった。

《皇室としては類例を見ない結婚となりました》などという内容の談話を、秋篠宮ご夫妻は発表したが、それでも佳子さまは、《私は、結婚においては当人の気持ちが重要であると考えています。ですので、姉の一個人としての希望がかなう形になってほしいと思っています》(2019年春、国際基督教大学卒業に際しての文書回答)という姿勢を最後まで崩さず、姉を応援した。

 姉がすでに結婚して一般国民となっているのに、佳子さまが結婚しても一人、皇室にとどまるだろうか。あれほど、姉のことを慕っている佳子さまにすれば、姉妹の情として、皇室に残ることは考えにくい。いろいろな意味で、佳子さまの結婚が注目される。

<文/江森敬治>

えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に『秋篠宮』(小学館)、『美智子さまの気品』(主婦と生活社)など

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