1月13日、サウジアラビアを舞台に開催されている2025年W2RC世界ラリーレイド選手権の開幕戦『ダカールラリー2025』のステージ8が行われ、トヨタ・ガズー・レーシング(TGR)のヘンク・ラテガン(GRダカール・ハイラックスEVO)がステージウインを飾った。そして総合順位でもラテガンが首位をキープし、後続との差を5分41秒に広げた。
世界中のモータースポーツ競技のなかでも随一の過酷さを誇るダカールラリー。1月3日に開幕した2025年大会はいよいよ後半戦に突入し、この日を含めて残るステージはあと5本となった。
前日のステージ7では、総合首位争いを繰り広げるラテガン(TGR)とオーバードライブ・レーシングのヤジード・アル・ラジ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ)の差が21秒差にまで縮まっていたが、これがラテガンの集中力に火を点けた。
迎えたステージ8は、『アル・ドゥワディミ〜リヤド』は全737km(ステージ487km/リエゾン250km)。序盤は、X-RAIDミニJCWチームのギヨーム・ド・メビウス(ミニJCWラリー3.0I)がリードしていたが、113km地点でタイヤ関連と疑われるトラブルに見舞われてしまう。
以降はラテガンが主導権を握ることになり、さらにステージ2番手にはTGRの僚友ガイ・ボッテリル(GRダカール・ハイラックスEVO)も続く。
終盤までトップツーの座を堅守したふたりの背後には、センチュリー・レーシング・ファクトリーチームのマシュー・セラドリとブライアン・バラグワナス(センチュリーCR7)が迫ってきたが、タイム更新するまでには至らず、ラテガン(トヨタ)がプロローグ以来のステージウインを飾った。
総合首位としてのリードも拡大したラテガンに対し、2番手アル・ラジはステージ6番手となっており、総合でのタイム差は5分41秒に広がった。総合3番手につけるマティアス・エクストローム(フォード・ラプター)は、ステージ17番手となり、引き続き総合順位をキープする姿勢のようだ。
一方の2輪部門では、ステージ序盤からモンスターエナジー・ホンダHRCのリッキー・ブラベック(ホンダCRF450ラリー)とレッドブルKTMファクトリーレーシングのルチアーノ・ベナビデス(KTM450ラリーファクトリー)がタイムバトルを展開。
122km地点では、ふたりは19秒差にまで近づく接戦となったが、ステージの3分の1ほどを終えた160km地点付近でベナビデス(KTM)は急きょマシンを停めた。
しかしその理由は故障ではなく、先に走りながらも転倒してしまったモンスターエナジー・ホンダHRCのパブロ・キンタニラ(ホンダCRF450ラリー)を救護するためだった。
キンタニラの転倒した現場には、ホンダのチームメイトであるエイドリアン・ファン・べベレン(ホンダ)も向かい、ふたりは30分以上を費やして安全を確保。その後ステージ復帰して最終チェックポイントまで走り切り、ともにロスタイム免除というタイム調整を受けた。
その結果、ベナビデス(KTM)はステージウイナーとなり、ベベレン(ホンダ)が2番手に続いた。ステージ3番手には、モンスターエナジー・ホンダHRCのトーシャ・シャレイナ(ホンダCRF450ラリー)が入っている。
総合順位では、レッドブルKTMファクトリーレーシングのダニエル・サンダース(KTM450ラリーファクトリー)が首位をキープ。しかし、ステージ8では7番手となっており、対して総合2番手のシャレイナ(ホンダ)はステージ3番手となったためにふたりのギャップは11分3秒差まで縮まった。総合3番手は、今ステージで2番手となったベベレン(ホンダ)だ。
14日は、ステージ9『リヤド〜ハラド』全589km(ステージ357km/リエゾン232km)が行われる予定となっている。