■専門家「巨大地震を引き起こす可能性もゼロではない」
藤森キャスター:
地震工学と防災が専門の、名古屋大学の福和伸夫名誉教授のインタビューです。
名古屋大学 福和伸夫 名誉教授:
これは、2024年8月8日に起きた日向灘の地震と同じような場所での地震です。南海トラフ地震の震源域の、一番西の端の場所で起きた地震です。
問題はここが出発点となり、南海トラフ地震全域で地震が起きるというようなシナリオは、ないわけではありません。ずいぶん遠い場所ですが、万が一もう少し地震活動が活発になっていって巨大地震を引き起こす可能性もゼロではないので、きちんと対策を見直していただくことが必要かと思います。
南海トラフ地震臨時情報というのは、マグニチュードが6.8以上のときに「調査中」と出ます。今回の場合は、現時点で気象庁マグニチュードが6.9ですから、どういう情報が出るか見守る必要があると思います。
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いずれにせよマグニチュード7前後の地震ですから、まずは安全を確認いただくとともに、日ごろ行っている防災対策がきちんとできているかどうかをご確認いただきたいと思います。
■「『巨大地震警戒』が出ることはあり得ない」
■「いいシナリオは『関連なし』で調査終了となる可能性も」
TBS 福島隆史 解説委員(災害担当):
気になる評価結果ですけれども、2024年8月と同様であれば、「モーメントマグニチュード」という気象庁のマグニチュードとは違う物差しで、7.0以上というふうに判定されれば、「巨大地震注意」という新たな臨時情報が発表されて、「今後1週間程度、地震への備えを再確認しつつ、日常生活を送ってください」というメッセージを国が発することになります。
現時点ではっきりわかっているのは、今回起きた地震の規模からすると「巨大地震警戒」が出ることはあり得ません。
ただし、モーメントマグニチュードが7かどうか、非常に微妙なので、いいシナリオは巨大地震に結びつく可能性は認められないので、「関連なし」ということで調査終了となる可能性もゼロではないかなと思います。
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前回の8月の地震ではマグニチュード7.1だったんですね。今回は6.9ということになっています。
より大事なのは、「巨大地震注意」が出るか出ないかだけにこだわるのではなくて、今の時点で国がメッセージを発するとしたら、巨大地震注意の場合でも、日頃からの地震への備えを再確認していただくことが重要です。
避難場所や避難場所へのルートの確認であったり、家族との連絡方法の確認であったり、あるいは水、非常食、そういったものの備蓄の確認をしていただくと、その上で、日常生活、社会生活、経済生活を続けていただくというような形のメッセージになります。
少なくともそのメッセージが出る可能性があるということを踏まえて、この夜を過ごしていただきたいなというふうに思います。
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