SUPER EIGHT 20年駆け抜けた男たちの熱いパフォーマンス!

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2025年01月14日 07:10  日刊SPA!

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8月から10月までアリーナツアーで全国を回っていたSUPER EIGHT(大倉忠義、丸山隆平、村上信五、安田章大、横山裕)が、わずか2ヶ月後となる12月7日よりドームツアー「超DOME TOUR 二十祭」をスタート。みずほPayPayドーム福岡を皮切りに、東京ドーム、京セラドーム大阪の3箇所を巡った。
「〜祭」を冠するのは、’22年のドームツアー「18祭」以来2年ぶり。グループが“二十祭(歳)”を迎えた節目のツアーで、20周年の軌跡をたどりながら、今の彼らだから見せられるスペシャルアレンジの楽曲などを交えて披露。東京ドーム3Daysの最終日となる’24年12月23日(月)も、前日までと同じく“3時間超”のライブ……に、なるはずだった。

節目のツアーだけあって、デビュー曲『浪花いろは節』で開幕。さらに10周年を彩った『キング オブ 男!』なども披露され、序盤から懐かしの楽曲を存分に堪能できた。『ズッコケ男道』は、’07年のライブで使用していた特攻服とポケバイでパフォーマンスしたほか、『Jackhammer』は、’10年のライブツアー「8UPPERS」でファンを熱狂させた横山のタバコに火を付ける演出が復活。『Water Drop』も、’11年当時を思い起こさせる噴水アーチとともに歌唱され、年月を重ねた今だからこそ味わいが増す光景が、たびたび目の前に広がった。

中盤には、『Kicyu』(横山&安田)、『だってアイドルだもん!!』(大倉)、『YOU CAN SEE』(村上&丸山)といったユニット&ソロ曲も。とくに『だって〜』は、音源化されていないうえ2008年以降ライブツアーでは1度も披露されていないレア曲。パジャマを着てぬいぐるみとともに歌うかわいらしさ全振りの大倉に、客席から熱視線が送られていた。また、その後の『ワッハッハー』『Cool Magic City』では、アップテンポなメロディと5人の明るい歌声が場内のテンションをさらに引き上げ、ペンライトの揺れ方も勢いを増していった。

メンバー紹介ソング『SUPER ∞o’clock』では、安田が担当パートを歌い忘れ、紹介されるはずだった村上が直立不動になるというハプニングが発生。さらに『四十路少年』でも歌詞が飛んでしまった場面があり、大倉がたまらず「グダグダや……!」と嘆いたが、ボルテージは上がりっぱなし。『大阪ロマネスク』は、村上のピアノソロからはじまり、ストリングスの流麗な演奏に繋がっていく壮観なひとときとなった。

ライブ終盤になると、バンドセットの楽曲中心。『ツブサニコイ』『High Sprits』、そして『ズッコケ男道』をバンドアレンジでも披露し、“声と楽器”で音楽を届けた。愛機を手にしたことで、彼らの音楽は一層奥行きが増す。「男臭い」なんて言葉は今の時代使いづらいが、そう例えたくなるくらいじっとりとした汗と、がむしゃらな躍動がそこにはあった。

「もうひと暴れしようぜ!」(安田)、「声出すぞ!」(横山)。そんな煽りも手伝い、ファンのコールとクラップにもどんどん力がこもっていき……『LIFE 〜目の前の向こうへ〜』で、爆発。〈何か失って、失って かけがえのないもの手に入れて〉〈僕は一人じゃないから〉と、諦めず前に進む覚悟を歌った同曲は、彼らにとって初めてのバンド曲(表題曲として)。そんなもう一つの原点を、磨き続けた腕と声で魅せる時間はまさしく圧巻だった。

本編最後のあいさつでは、「心配させちゃったり、困らせちゃったりしたと思う」(丸山)という言葉もあったほど、苦労の連続だったSUPER EIGHT。20周年を迎えられたことは、彼らにとって“奇跡”なのかもしれない。しかし、20年かけて全員でできることを増やしてきた彼らが、何度もぶち当たった変化に一緒に立ち向かってきた彼らが、20周年という節目にたどり着いたのはきっと必然だ。信頼で結ばれた5人と熱いファンがいれば、途中で何が起きてもいずれここまでこられた気がしてしまう。そんな、エネルギーと逞しさを感じるパフォーマンスだった。

本編ラストは、再びマイクを持ち最新曲『LIFE GOES ON』を歌唱。途中、涙をこぼした横山を見て肩を寄せ合った彼らは、広いドームの中央でファンへの感謝と“この先”への思いを丁寧に歌い上げた。

この全力でぶつけまくった気持ちが、ファンに届いていないはずがない。アンコールを受け、メドレーと『軌跡とキセキ』を歌いそのまま終演するはずだったが、興奮冷めやらぬ観客の熱い要望により異例のダブルアンコールへ突入した。すっかり楽屋モードに切り替わり、ゆるゆると登場した5人は、最初こそ一本締めで終わらせようと思ったが、ファンはそれでは満足できない様子。「チケット分はやったやろ!?」(村上)と、くだを巻きつつも、すぐさま裏と連携を取り『無限大』を披露した。公演時間は、想定よりはるかに長い3時間40分超となった。

「やっぱこれやな!」「良い曲やなぁ!」と言いながら、ステージを後にした5人。彼らの背中には、20年間一切妥協せずに生きてきた強さと優しさが滲んでいた。

取材・文/松本まゆげ 撮影/後藤 巧

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