アル・マナー・レーシング・バイ・チームWRTが、1月11〜12日に中東のドバイ・オートドロームで開催された第20回ミシュラン・ドバイ24時間レースで勝利。これが公式戦初参戦となったBMW M4 GT3エボが見事、デビューウインを飾っている。
ダレン・ラーンとアル・ファイサル・アル・ズバイル、ベン・トラック、ダン・ハーパー、マックス・ヘッセがドライブした777号車BMWは、今年で20回目の開催を数える24時間レースで598周をラップし、ピュア・レクシングの92号車ポルシェ911 GT3 Rに1周差をつけてトップチェッカーを受けた。
この結果は、BMWのアップデートされたGT3カーに初レースで初勝利もたらすとともに、チームWRTにとっては2024年の同レースを欠場した後、ドバイでふたたび勝利を手にすることとなった。なお5人のドライバーは、BMWワークスドライバーであるヘッセとハーパーを含む全員がドバイ24時間で初めて総合優勝を果たしている。
■アマクラスでもM4 GT3エボが勝利
24時間レースの序盤は、ウインワード・レーシング、パラディン・コンペティション、ドラゴン・レーシングなどがレースをリードしていたが、ドバイ・オートドロームに夜が訪れるとチームWRT、ダイナミックGT、ピュア・レクシングによる三つ巴の戦いに発展した。
この中でピュア・レクシングの92号車ポルシェはタイヤのパンクによってタイムを失い、トップ2台に対して遅れを取ってしまう。一方のWRTとダイナミックはレース中に何度も導入されたコード60の影響で戦略が分かれては重なりを繰り返しながら、リードを交互に入れ替えていった。
しかし、12日の朝になるとWRTの777号車BMWが優位に立ち、徐々に2台の間隔が拡がっていく。そしてWRT優位の展開が変わらぬままレースはフィニッシュ。BMWが4回目の優勝を飾り、メルセデス・ベンツに次いでこのレースで2番目に勝利数の多いブランドとなっている。
アレックス・マリキン、アレクセイ・ネソフ、ハリー・キング、トーマス・プライニングがシェアした92号車は、最後の1時間に出された“コード60”のタイミングで最終ピットストップを行い、同じポルシェ911 GT3 RユーザーのダイナミックGTチームが走らせる24号車を逆転。燃料をセーブした走りが奏功し2番手に浮上した92号車はプライニングが3番手とのリードを保ったままフィニッシュした。
ダイナミックGTの24号車ポルシェから1周遅れ、トップからは3周遅れとなった総合4位はSMPレーシングの7号車メルセデスAMG GT3エボ。総合5位にはアマクラスを制したパラディン・コンペティションの911号車BMW M4 GT3エボが入っている。プロ・アマクラスのウイナーは総合7位につけたハーバート・モータースポーツの91号車ポルシェ911 GT3 Rだ。
BANKCY、藤波清斗、近藤翼、渡会太一という日本人カルテットで同レースに挑んだseven x seven Racingは、992クラス12位/総合34位でフィニッシュ。藤井誠暢が立ち上げたJBRは同じく992クラスに参戦するもリタイアに終わっている。