損害保険大手の東京海上ホールディングス(HD)は14日、次期社長に小池昌洋常務執行役員(53)が昇格する人事を発表した。大手金融機関で最年少のトップで、6月下旬の株主総会を経て就任する。小宮暁社長(64)は代表権のない会長に就き、永野毅会長(72)は退任して傘下の東京海上日動火災保険の相談役となる。
同社の社長交代は6年ぶり。経営陣の若返りで顧客情報漏えいなど業界の課題に対処するとともに、主力の海外事業や新規事業の拡大を進める。
小池氏は米ニューヨーク駐在員を務めるなど海外畑が長く、経営企画部門でも経験を積んだ。東京都内で開いた記者会見で「新分野に挑戦したい」と述べ、注力する企業買収に加え、損保以外の新規ビジネスに積極的に取り組む考えを示した。
小池 昌洋氏(こいけ・まさひろ)慶大法卒。94年東京海上火災保険(現東京海上日動)入社、東京海上HD執行役員などを経て、23年4月常務執行役員。千葉市出身。
握手する東京海上ホールディングス次期社長の小池昌洋常務執行役員(左)と小宮暁社長=14日午後、東京都千代田区