【シリコンバレー時事】米半導体大手エヌビディアは13日、バイデン政権が同日発表した人工知能(AI)向け半導体の輸出規制強化を巡り、「技術革新と経済成長を阻害する恐れがある」との声明を出した。トランプ次期政権への移行を目前に控え、「規制の泥沼で米国のリーダーシップを弱体化させようとしている」と舌鋒(ぜっぽう)鋭く批判している。
声明は、公共政策担当のネッド・フィンクル副社長名で公表。20日に就任するトランプ次期大統領について、1期目に「国家安全保障を損なうことなく、AIにおける成功の基盤を築いた」と称賛。「競争力を維持する政策への回帰を望む」として、規制緩和への期待をにじませた。
一方、バイデン政権の新たな規制強化は「秘密裏に適切な立法審査も経ずに起草された」と指摘。規制の拡大は「世界市場での販売方法に官僚的な統制を行うことになる」と反発した。
バイデン政権が発表した規制強化は、高度なAIが第三国を通じて中国やロシアなどの敵対国の軍事強化に悪用されないようにするのが狙い。日本やドイツ、韓国など約20の友好国・地域は対象から外された。