イオンフィナンシャルサービス(FS)は14日、藤田健二社長が同日付で辞任し、白川俊介会長が社長を兼任すると発表した。子会社のイオン銀行が、マネーロンダリング(資金洗浄)対策に不備があるとして、金融庁から銀行法に基づく業務改善命令を受けたことを踏まえ、役員体制の見直しが必要と判断。管理監督責任を明確にした。
藤田氏は自ら辞任を申し出た。代表権のない取締役に退く。一方、イオン銀は小林裕明社長とリスク管理本部長の穴田将人取締役を解任した。後任の社長にイオンFSの木坂有朗常務を充てる。
イオン銀を巡っては、振り込みなどの取引で、マネロンに該当する恐れがあるか判断しなかったケースが少なくとも1万4639件確認されたとして、金融庁が昨年12月26日に業務改善命令を発出。今月末までの改善計画の提出を求めている。
白川氏は1986年大蔵省(現財務省)入省。金融庁総合政策局総括審議官、関東財務局長などを経て2023年1月にイオン銀会長、同5月にイオンFS会長。今回の人事で新たに代表権を持つ。