1月14日、サウジアラビアを舞台に開催されている2025年W2RC世界ラリーレイド選手権の開幕戦『ダカールラリー2025』のステージ9が行われ、ザ・ダチア・サンドライダーズのナッサー・アル-アティヤ(ダチア・サンドライダー)がステージウインを飾った。そして総合順位ではオーバードライブ・レーシングのヤジード・アル・ラジ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ)がトップに浮上した。
1月3日に開幕した2025年大会は、いよいよ終盤戦に突入している。残るステージはこの日を含めてあと4本となり、サウジアラビア南西部のビシャを起点にしたラリーは、国土を大きく回って首都リヤドに到着、ついに帰着ポイントのシュバイタを目指すルートを進み始めた。
14日に行われたステージ9『リヤド〜ハラド』全589km(ステージ357km/リエゾン232km)では、首都リヤドから、ゴールとなるシュバイタまでの中間スポットとなるハラドを目指す区間となり、ここ数年のダカールラリーでは定番になりつつあるステージだ。
これまでトヨタ勢がステージウインを連発してきた2025年大会だが、このステージ9では他のライバル勢が好調ぶりを発揮。とくに5度のダカール制覇を誇るアル-アティヤ(ダチア)やマティアス・エクストローム(フォード・ラプター)、ギヨーム・ド・メビウス(ミニJCWラリー3.0I)らがタイムバトルを展開し、中盤以降はアル-アティヤが徐々にリードを築いていく。
後半には、その3人に加えてアル・ラジ(トヨタ)もステージベスト合戦に加わり、4メーカーのマシンによる戦いに発展していく。ただ、そのなかでもアル-アティヤは群を向いたペースを見せてそのまま今大会初&新生ザ・ダチア・サンドライダーズにとっても初となるステージウインを飾った。
ステージ2番手には、前日のステージ8ではタイヤパンクで悔しい思いをしたド・メビウス(ミニ)がつけ、ステージ3番手には終盤にエクストローム(フォード)をパスしたアル・ラジ(トヨタ)が入った。
そして注目の総合首位争いでは、前日のステージ8で暫定総合首位に立っていたヘンク・ラテガン(GRダカール・ハイラックスEVO)が序盤のパンクの影響でステージ11番手に沈み、一方の総合2番手アル・ラジ(トヨタ)が逆襲のペースアップを見せたことでついに逆転。その結果、5分41秒の差を一気に巻き返して7分9秒のギャップを築き、ラリーリーダーの座を奪った。
一方の2輪部門では、2023年、2024年大会でもこの『リヤド〜ハラド』で活躍した選手らが躍動。グラベルが多く広がるこの区間では、各ライダーが好ペースで走行した結果、2輪部門では最初から最後まで僅差の状況が続いた。
そのなかで、総合でも首位を守っているダニエル・サンダース(KTM450ラリーファクトリー)が序盤からトップをキープ。3分の2を終えた段階では、徐々に開いたギャップが積み重なって数分間のリードを得ていた。
しかし、最終区間で5台以上の実力者たちが猛スパート。フィニッシュ前最後のチェックポイントである316km地点ではエイドリアン・ファン・べベレン(ホンダCRF450ラリー)がサンダース(KTM)からリードを奪い、さらにはホセ・イグナチオ・コルネホ(ヒーロー450ラリー)やルチアーノ・ベナビデス(KTM450ラリーファクトリー)も1分以内の位置まで近づいた。
この超僅差で繰り広げられたタイムバトルを制したのは、前日のステージ8でも最速の座を勝ち取ったベナビデス(KTM)となり、べベレン(ホンダ)、サンダース(KTM)と続くトップ3でこの日は幕を閉じた。
そして総合順位では、大会スタートから安定して上位フィニッシュを重ねているサンダース(KTM)が14分45秒のリードでトップを堅守。総合2番手にはトーシャ・シャレイナ(ホンダCRF450ラリー)、総合3番手にはべベレン(ホンダ)が続く状況となり、いよいよダカールラリー2025の優勝者が決まる最終盤が幕を開ける。
15日は、ステージ10『ハラド〜シュバイタ』全635km(ステージ115km/リエゾン520km)が行われる予定だ。