【写真】村田雄浩、堀部圭亮、安蘭けいらが共演
本作は、映画監督としても活躍するフランスの若手劇作家・演出家アレクシス・ミシャリクによって、2016年にパリで初演。上演回数700回を超えるロングランとなり、ミシャリクの出世作になった。2017年のフランス演劇界最高の栄誉と言われるモリエール賞には7部門でノミネートされ、作品賞、脚本家賞、演出家賞など5冠を達成。2018年にはミシャリク自身の手によって映画化(『シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!』2020年11月日本公開)もされた。
1897年に初演され、当時のパリ中を興奮させた『シラノ・ド・ベルジュラック』は、その誕生から今日まで、フランスばかりでなく世界各国で上演されており、世界で最も上演されている戯曲と言われている。日本でも1926年に『白野弁十郎』として翻案・初演され、それ以降も何度も上演されている。
本作は、そんな17世紀に実在した大きな鼻の剣豪詩人の恋物語『シラノ・ド・ベルジュラック』の誕生秘話をドタバタ幕内コメディー仕立てに描き、正統派のフランス喜劇の流れをくみながら、テンポの良いせりふ運び、そして、サラ・ベルナールやチェーホフなど実在の人物も登場させるなど、約120年前の演劇人やクリエイターたちに向けた劇場愛にあふれた賛辞として人気を博した。
日本では2023年に新国立劇場にて、マキノノゾミ演出、加藤シゲアキ主演で初演。ウェルメイドなフランス喜劇の雰囲気を残しつつ、そのテンポの良さとドタバタ具合で2万人の観客を動員した。
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“書けない”劇作家エドモン・ロスタン役で主演を務めるのは加藤シゲアキ。初演では、付けひげをつけ、舞台上をめまぐるしく駆け回る姿が好評を得た。
新たなキャストとして、有名喜劇俳優コクランに村田雄浩、衣裳係ジャンヌに瀧七海、コクランの息子ジャンに阿岐之将一、そして、カフェの店主ムッシュ・オノレに堀部圭亮の4名を迎え、エドモンの友人で俳優のレオに細田善彦、舞台監督のリュシアンに福田転球、兄弟でプロデューサーを務めるアンジュに三上市朗、マルセルに土屋佑壱、大御所女優サラ・ベルナールに枝元萌、エドモンの妻ローズに佐藤みゆき、訳アリわがまま大女優マリア・ルゴーに安蘭けいが初演から続投。個性豊かな実力派キャスト総勢12人が本役以外にも約50もの役を演じ分ける。
主演の加藤は「まるで運動会のように走り回るこの舞台を、自分が本当にまたできるのかという不安は正直に言ってありました。がしかし、運動会だからこその興奮、感動、達成感は確かにあり、それは観客の皆様にも伝わっていたと自負しています。作品が書けず追い詰められていくエドモンには、私としてはやはり共感しかありませんし、だからこそ『シラノ・ド・ベルジュラック』という傑作が生み出されたのだと思えば、この再演をやらない理由もなく、私は再び走り回る準備を始めています」とコメントしている。
パルコ・プロデュース2025 「エドモン〜『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男〜」は、東京・PARCO劇場にて4月7〜30日、大阪・東大阪市文化創造館 Dream House 大ホールにて5月9・10日、福岡・福岡市民ホール 大ホールにて5月17・18日、愛知・豊田市民文化会館 大ホールにて5月24日上演。
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◆演出・マキノノゾミ
新作劇の初日を開けるまでのムチャぶりの連鎖!迷走につぐ迷走!劇作家の受難につぐ受難ぶり!これはもう同業者として同情を禁じ得ないどころの話ではありません!いやもう実にリアル!実に滑稽!(だって現実の自分自身も、今まさにその状態の渦中ですから!)
というわけで、日本広しといえども、このフランス発の傑作コメディーを、強烈な思い入れと、熱烈なシンパシーをもって演出できるのは、もはや「このわたししかいない!」と思い上がって、初演の幕を上げてから二年!何と! 大好評につき再演の運びとなりました!
この二年の間に、わたしは何本かの新作戯曲を書き、加藤シゲアキくんもまた新作のベストセラー小説を書き下し出版いたしました!
つまりまあ、ありていに申せば、わたしと加藤くんは、よりいっそうエドモン・ロスタンの「境地」に近づいているわけであります!
この再演が「面白くないわけがない!」という、いちばんの根拠がそれです!
相変わらず意味なく「!」の多い文章ですが、そういうわけですので、面白くなるに決まってます!ええ、ますます!!
どうぞ、ご期待ください!!!
◆主演・加藤シゲアキ
「『エドモン』を再演したい!」とスタッフから聞いたのは 2023年、初演の東京千秋楽でした。まだ地方公演が残っているにもかかわらずそれほど手応えを感じてもらえたのは素直に嬉しかったです。がしかし、「この忙しない舞台をまたしても!?」と思ったのも事実であります。
まるで運動会のように走り回るこの舞台を、自分が本当にまたできるのかという不安は正直に言ってありました。
がしかし、運動会だからこその興奮、感動、達成感は確かにあり、それは観客の皆様にも伝わっていたと自負しています。
作品が書けず追い詰められていくエドモンには、私としてはやはり共感しかありませんし、だからこそ「シラノ・ド・ベルジュラック」という傑作が生み出されたのだと思えば、この再演をやらない理由もなく、私は再び走り回る準備を始めています。
前回来てくださった方々も、前回見逃してしまった方々も、興味を持たれたならばどうぞいらっしゃってください。そして一緒に歓喜しませんか。
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