日本ブランドの存在感増す 第107回ピッティ・イマージネ・ウオモ開幕

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2025年01月15日 02:41  Fashionsnap.com

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ピッティ・イマージネ・ウオモ会場の様子

Image by: FASHIONSNAP
 第107回ピッティ・イマージネ・ウオモ(Pitti Imagine Uomo:以下ピッティ)がイタリア・フィレンツェを舞台に、現地時間1月14日に開幕した。ピッティは、イタリア・フィレンツェで年2回開催されるメンズウェアの見本市で、前回の第106回は1万5000人が来場。今回は約790ブランドが参加し、ゲストデザイナーとして、「エムエム6 メゾン マルジェラ(MM6 Maison Margiela)」と「セッチュウ(SETCHU)」がファッションショーを開催する。

 第107回のテーマは「FIRE」。興奮を引き起こし、欲望をかき立て、課題と解決策に焦点を当てる。テーマを象徴するように、中央広場ではデジタル焚火が点火され、フォトスポットとして機能している。「ファッションは複雑な移行期にあります」と語るピッティ・イマージネ・ウオモのラファエロ・ナポレオーネ(Raffaello Napoleone)CEOは「この変化を理解し、それを市場の決定やコミュニケーション戦略に適用する必要があります。例えリスクを伴うことだとしても。今回はこれまで以上に製品カテゴリーのミックスに力を入れ、ファッションとライフスタイルを大胆に融合させました」とコメントした。

 今回からの新たな取り組みとして、世界規模で流行しているランニングにフォーカスしたブースを設置。ロンドンのコミュニティ「Knees Up」とコラボレーションしてランニング愛好者に向けたアパレルを展開する「ALEX ZONO」や、パフォーマンスギアを扱う「SOAR」など、世界中から厳選したブランドのアイテムを通じて、ファッション、ウェルネス、コミュニケーションを融合した現代のランニングシーンに対するユニークなヴィジョンを訴求している。

 会場では「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」や「ヘルノ(Herno)」などイタリアの歴史あるブランドがブースを開設。ヘルノの2025年秋冬メンズコレクションでは、新たなスニーカー「ヘルノ マッジョーレ」が登場した。そのほか、ヘルノのデザイン責任者 Gabriella Borelliは、東京を訪れた際に感じた、道ゆく人の服のシルエットにおけるイタリアとの差異に着目。イタリアンクラシックの中に、袖にタックを入れるなどしてゆとりをもたせたフォルムもプラスした。

 東京ファッションウィーク「Rakuten Fashion Week TOKYO」を運営する日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)がピッティとパートナーシップを締結して初の開催となった今回、日本からは、「セッチュウ(SETCHU)」を手掛ける桑田悟史がゲストデザイナーとしてブランド初となるショー形式でのコレクション発表を予定しているほか、「ハイドサイン(HIDESIGN)」がプレゼンテーションを実施。また、日本のレザーブランドで初めてグローバル認証「B コープ(B Corp)」を取得した「エイチ・カツカワ(H.KATSUKAWA)」をはじめとする6つのレザーブランドが参加する「JAPAN LEATHER SHOWROOM」や、今回で5回目となる「Jクオリティー(J∞QUALITY)」などが参加する。

 Jクオリティーでは、谷繊維、カジナイロン、エミネントスラックス(EMINENTO SLACKS)が初参加。海外初出展となった谷繊維は技術を詰め込んだ希少性の高い丸胴スウェットで世界開拓を狙う。Jクオリティーに継続出展しているアパレルOEMのマルチョウは自社ブランド「グッドピープル グッドステッチング グッドプロダクト(GOOD PEOPLE GOOD STITCHING GOOD PRODUCT)」が好評で、2021年のデビューから3年で上代売上は約3億円にまで成長。「技術はクリエイション」を合言葉に、ピッティでも日本の確かな技術力を発信して海外卸を強化していきたい考えだ。

 JFWOディレクターの今城薫は「ヨーロッパ市場を開拓するファーストステップとしてピッティは最適な場所。ピッティとのパートナーシップを活用して、今後は日本のデザイナーブランドのブースを作り、才能あるデザイナーのビジネス拡大に貢献していきたい」と意欲を見せた。

◾️Pitti Immagine Uomo

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