新型コロナ、引き続き警戒=「5類」後も流行、長引く後遺症―国内初確認から15日で5年
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2025年01月15日 07:31 時事通信社
国内で新型コロナウイルスの感染者が確認されてから、15日で5年。感染症法上の位置付けは季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられたが、移行後も流行の波を繰り返してきた。長引く後遺症が社会生活に影響を及ぼすケースも報告されており、引き続き警戒が必要だ。
国内では、2020年1月15日に初の感染者が確認され、新型コロナは感染症法上で2番目に厳格な「2類相当」に位置付けられた。政府は入院措置や就業制限などを一律に求め、全ての患者情報を集める「全数把握」を実施してきた。23年5月には5類に引き下げられ、感染対策は個人の判断に委ねられた。
厚生労働省の人口動態統計によると、20〜23年の新型コロナによる死者数は累計で10万人超。移行後はオミクロン株に続く新たな変異株の流行は見られないものの、夏と冬には感染の再拡大を繰り返してきた。ワクチンの無料接種や治療薬の公費負担は24年3月末に終了しており、手洗いやマスク着用など基本的な感染対策が重要だ。
一方、倦怠(けんたい)感や頭痛などの後遺症に悩まされる患者も多い。岡山大の研究グループは、21年2月〜23年7月に同大病院の後遺症専門外来を受診した患者約740人を分析。うち約60人が、原因不明の疲労感で日常生活が送れなくなる「筋痛性脳脊髄炎」(慢性疲労症候群)と診断された。感染後の重症度やワクチン接種の有無、喫煙・飲酒習慣が影響している可能性があるという。
頭に霧がかかったような状態となり、集中力が低下する「ブレーンフォグ」を訴える患者もオミクロン株以降増加しており、同大病院の大塚文男教授(総合内科学)は「回復後も倦怠感や記憶力の低下などに留意して、適切な検査や治療を受けることが大切だ」と話している。
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