フランコ・コラピントのマネージャーを務めるマリア・カタリニューによると、アルピーヌはコラピントと5年間の契約を結んだということだ。
先日発表されたコラピントのテスト&リザーブドライバー契約は、コラピントのマネージメント陣、アルピーヌ、そして昨シーズン後半にこの若きスターが印象的なF1デビューを果たしたウイリアムズとの間で行われた、厳しい交渉の末に決まったものだ。コラピントは、アルピーヌでテスト兼リザーブドライバーに任命された。これにより、現在アルピーヌはこの21歳のドライバーのキャリアに関して大きな権限を持っている。
アルピーヌのエグゼクティブアドバイザーを務めるフラビオ・ブリアトーレは、関係者間の交渉を開始し、最終的に契約を締結した。しかし、『Bullet Sports Management』のコマーシャル・ディレクターを務めるカタリニューによると、ブリアトーレのコラピントに対する情熱が役立ったとはいえ、契約が合意に達するまでの道のりは決して順風満帆ではなかったということだ。
「長い時間がかかりました。このケースのように交渉が複雑になることがあるためです。しかしフラビオは常にとても粘り強く、ここ数週間は奮闘していました」と、カタリニューはアルゼンチンのオンラインニュースサイト『Infobae』に語った。
「この合意は、双方が望んだものを得たからこそ実現しました。フラビオはフランコと契約することができ、(ウイリアムズのチーム代表である)ジェームズ(・ボウルズ)は彼にレースのチャンスを与えることができました。ウイリアムズではレギュラードライバーたちが長期契約を結んでいるからです」
■ブリアトーレの意思の強さ「私は才能を見てきた。彼が欲しい」
ブリアトーレがコラピントに魅了されたのは、このルーキーがデビューしてまもなくのことだった。コラピントが、経験豊富なドライバーのアレクサンダー・アルボン相手に確かなパフォーマンスを見せた後、ブリアトーレは彼の獲得に向けてしっかりと目を向けた。
「ブリアトーレは、フランコがF1デビューしたときから彼を見てきました」とカタリニューは語った。
「私たちが初めて話をした日、彼は『私は才能を見てきた。彼を欲しい』と言いました」
「彼はすべてのレースを注意深く追い、彼が出場することができた9つのグランプリで、彼がF1ドライバーとしてどのように成長したかを観察していました」
カタリニューは、熱中したブリアトーレは自身がコラピントのマネージャーになることを提案するほどだったとさえ明かしたが、これは最終的に実現しなかった。
「ジェイミー(・キャンベル=ウォルター)と私がフランコの日常業務を引き続き担当していることは、誰にとっても最善のことです」
「もちろん、フラビオは起こることすべてを把握するようになるでしょう。これがチームワークです」
■5年間のチャンス
アルピーヌは先週、公式発表で“複数年契約”と言及したが、カタリニューは契約が2029年まで続くことを明かし、単なるローン契約であるといううわさを否定して、さらに話を明確にした。
「ウイリアムズは、フランコにアルピーヌでの5年間を与えました」
「その期間内に他のチームがフランコに興味を示した場合は、アルピーヌと他のチームの間で交渉が行われることになると理解しています」
アルピーヌのメインドライバーラインアップのなかで、コラピントがどのような役割を果たす可能性があるのか、すでにうわさが飛び交い始めている。オーストラリア人ドライバーのジャック・ドゥーハンがルーキーシーズンに困難に直面した場合、コラピントが彼の代わりとして育成されるのではないかと推測する向きもある。
コラピントはアルピーヌからF1グリッドに戻ることになると思うかと直接尋ねられたカタリニューは、「自分の気持ちを言うつもりはありません」と明確な回答を避けた。
ブリアトーレの粘り強さが契約を勝ち取ったが、コラピントを将来のF1スター候補に位置づけているものは、彼の紛れもない才能だ。5年契約が締結されて、アルピーヌが彼の成長に全力を尽くしており、コラピントはF1で話題となる準備ができている。そして、パドックは間違いなく常に視線を注ぐことになるだろう。