各チームはようやく2026年型F1マシンの本格的な設計作業の開始を許可されたため、それぞれのファクトリーでは、今年最初の数カ月間に何を技術部門の優先事項とするか、また、5月の第3週末にエミリア・ロマーニャGPで始まるヨーロッパラウンドの開始後に何を行うかについて、さまざまな戦略が立てられている。
たとえ成功したシーズンを過ごしたチームであっても、すべてのチームが2025年にさらに優れた結果を収めたいと考えているのは明らかだ。レッドブル、メルセデス、フェラーリは、すでに新車が前年のものとはかなり異なるものになると発表しているが、どのチームにとっても、2026年のレギュレーションに正確に準拠することが極めて重要になっている。なぜなら、新しいテクニカルレギュレーションの下で貧弱なスタートを切ってしまったら、どのチームでもライバルに追いつくために膨大な作業量を強いられることになるからだ。メルセデスの場合は、2022年の開幕からそうした状況にある。
フェラーリのフレデリック・バスール代表とメルセデスのトト・ウォルフ代表は、2025年型シャシーの開発作業と2026年の新型シャシーの設計をチームがどう優先させるかは、シーズン前半のマイアミGPまでの調子によって決まるという点で、同じ意見を持っているようだ。
バスールは次のように語った。
「2025年の初めから、ふたつのプログラムに時間とリソースを分割する必要があると思う。そして必然的に、2025年の最初の一連のレース結果によって、その後の進め方が決まる。その年は伸びしろも失うものもあまりないことにすぐに気づけば、2026年のプロジェクトに全力を注ぐことになるのはもちろんだ。しかし、タイトルを争うのであれば、2025年型マシンの開発に、1週あたりかなりの時間を費やす必要があるだろう」
ウォルフも同意して次のように述べた。
「ほとんどのチームは、かなり早い段階でリソースの大部分を2026年の新型車に移行することを選択すると思うが、数カ月は行ったり来たりだ。最初の数レースですべてが落ち着くべきところに落ち着くと思う。また、夏以降に多くのアップグレードが見られるかどうかはわからない」
シーズン序盤に多くの懸案事項があるため、バーレーンでのテストからオーストラリアでの開幕戦までの間に多くの新しいパーツが投入されることが予想される。そして日本GPでは一連の新たなパーツが持ち込まれ、マイアミGPの前に最終的な取り組みが行われる。しかし4月末からは、激しいタイトル争いを繰り広げているチームだけが2025年型シャシーの改善に時間と資金を投入することになるだろう。