IMSAが公式テスト用のBoPを発表。2025年より2段階の出力調整システムを採用

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2025年01月15日 19:10  AUTOSPORT web

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6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)と31号車っキャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ウェーレン)
 IMSAは、今週末にアメリカ・フロリダ州で行われるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の公式テスト“ロア・ビフォア・ロレックス24”に向け、GTPクラスとふたつのGTクラスのバランス・オブ・パフォーマンス(BoP=性能調整)を設定し、初めて“2ステージ・システム”を使用することを確認した。

 1月9日にリリースされたこの新システムは、昨季2024年のWEC世界耐久選手権でデビューしたものに似ており、いわゆる“パワーゲイン”と呼ばれるものによって、しきい値となる速度を超えた際にベースと異なる出力レベルが車種ごとに設定されるものだ。

 これは、車両重量やエンジン形式のほか、とくにGTカーで見られるエンジンの搭載位置が異なるなど、さまざまな種類のマシンがグリッドに並ぶなかで、各車に対しより近いパフォーマンスレベルを作成するためのツールとして導入された。

 2ステージ・システムを採用するにあたりIMSAは、ハイスピード・トラックであるデイトナ・インターナショナル・スピードウェイでのしきい値をGTPでは230km/hと240km/hに設定。GTDプロとGTDクラスでは190km/hと200km/hとした。

 240km/h以上でプラスのパワーゲインが認められたのは、ベースとなる最高出力がもっとも低いキャデラックVシリーズ.Rのみで、GMの高級車ブランドは基本出力である480kWから8.3%のプラス調整を受け取った。

 一方、残る4台についてはマイナスの調整に。BMW MハイブリッドV8とランボルギーニSC63、ポルシェ963はいずれも最高出力が520kWとなっているが、車速が240km/hを超えるとランボルギーニは0.2%、BMWは0.7%、ディフェンディングウイナーのポルシェにいたっては4.2%出力が低下する。

 また、最高出力が518kWに設定されたアキュラARX-06は、しきい値を超えると1.4%のパワーダウンとなる。

 最小重量に関しては、BMWとランボルギーニはともにもっとも軽い1030kgで走ることができ、ポルシェは1041kg、アキュラとキャデラックは1060kgで並んだ。

 2024年のデイトナ24時間では、キャデラックが1030kg、BMWが1031kg、アキュラは1072kgだった。ただし、これらの重量はすべてのクルマが変動しない最高出力の下に設定されていた。

■GTクラスはトルクセンサーを用いたまったく新しいBoPに

 GT3カーによる戦いが展開されるGTDプロクラスとGTDクラスには、エンジン出力をkW単位で示さない、まったく新しいBoPテーブルが用意された。

 馬力を客観的に示さない代わりに、これらのGTクラスの出力は2025年に新たに搭載されることになったトルクセンサーから測定される、最大出力のパーセンテージによって決められる。

 出力レベルはGTPクラスと同様に速度区分によってことなる、例えばポルシェ911 GT3 Rの場合、190km/h未満での出力は100%であるのに対し200km/hを超えると99.2%に制限される。

 メルセデスAMG GT3エボの調整はこれとは逆の動きとなり、低速時は最高出力の97.7%しか発揮できないが、2ステージの“上段”に上がると100%出すことが可能となる。

 GTカーの最小重量はアストンマーティン・バンテージAMR GT3エボの1325kgで、反対にもっとも重いマシンは1398kgのランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2だ。

 IMSAは、開幕戦デイトナに出場するすべての車両に参加が義務づけられている3日間の公式テスト後に、両クラスのBoPをを調整する権利を留保している。中でも両GTクラスのテーブルは、ロアの週末にGTDプロとGTDのエントリーに対して行われる予定の“ターゲット・パフォーマス・テスト”後に変更される可能性がある。

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