1月15日、サウジアラビアを舞台に開催されている2025年W2RC世界ラリーレイド選手権の開幕戦『ダカールラリー2025』のステージ10が行われ、フォードMスポーツのナニ・ロマ(フォード・ラプター)がステージウインを飾った。そして総合順位ではトヨタ・ガズー・レーシング(TGR)のヘンク・ラテガン(GRダカール・ハイラックスEVO)がふたたび首位に立ち、2分27秒をリードしている
1月3日に開幕した2025年大会は、いよいよラリーの終着点であるシュバイタを目指す行程にさしかかった。この日のステージ10『ハラド〜シュバイタ』は、全635kmのうちステージ115km/リエゾン520kmといった内訳となっており、タイム計測区間が他のステージと比較してかなり短いことが特徴だ。
しかし、僅差の総合首位争いが繰り広げられている2025年大会においては、この115kmしかないステージであっても油断禁物であったことが結果として現れることになった。
この日は序盤から、前日のステージ9で最速となったナッサー・アル-アティヤ(ダチア・サンドライダー)がルートを見失ってタイムロス。さらに総合首位に立っていたヤジード・アル・ラジ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ)もタイヤトラブルからか数分の停止が確認される波乱の展開に。
そのうちに、前日にポジションを下げていたラテガン(TGR)が好ペースでステージを11番手で走破し、アル・ラジ(トヨタ)に対して約10分をゲイン。総合首位の座を取り戻して見せた。
こうした優勝争いをよそ目に、ステージウインを勝ち取るべくプッシュしていたのは、フォードMスポーツのナニ・ロマ(フォード・ラプター)とTGRのルーカス・モラエス(GRダカール・ハイラックスEVO)だった。
ふたりは、ステージ序盤からトップスピードでプッシュし、45km地点ですでに総合上位組を約5分突き放す一騎打ちを展開。その後の97km地点でも1分未満の差を維持したふたりだったが、一貫してロマ(フォード)が若干のリードをキープした。
そのまま、ステージ9の最終タイム計測ポイントとなる115kmにたどり着いた時には、18秒差でロマ(フォード)が先着となり今大会初のステージウインを飾った。ステージ2番手のモラエス(トヨタ)に続いたのは、センチュリー・レーシング・ファクトリーチームのブライアン・バラグワナス(センチュリーCR7)となっている。
そして、ラテガン(トヨタ)が再逆転を果たした総合順位では、総合2番手にダウンしたアル・ラジとの差は2分27秒となった。また、20分以上離れた総合3番手にはマティアス・エクストローム(フォード・ラプター)がつけており、総合4番手とのアル-アティヤとの差は3分35秒という状況だ。
そして一方の2輪部門では、総合優勝を争うメンバーらが、先行コースインの影響や残る日程も含めたリスク等も考慮してあまりハードなプッシュはせず。代わりに、最高峰クラスであるサポートクラスのラリー2に参戦しているライダーらが上位を争う状況が見られた。
その結果、115kmの短いステージを最速で駆け抜けたのはラリー2クラスのマイケル・ドハティ(KTM450ラリー・レプリカ)となり、2022年のダニーロ・ペトルッチに次いで、ダカールステージを勝利した史上2人目のラリー2ライダーとなった。
この日はラリーGPの総合上位勢に大きな動きはなく、ダニエル・サンダース(KTM450ラリーファクトリー)が16分31秒にリードを拡大。総合2、3番手にはモンスターエナジー・ホンダHRCのトーシャ・シャレイナとエイドリアン・ファン・べベレン(ともにホンダCRF450ラリー)が続いている。
16日は、ついに到着したシュバイタの街周辺を舞台としたステージ11『シュバイタ〜シュバイタ』全507km(ステージ275km/リエゾン232km)が行われる予定だ。