8月の最初の週末にF1コミュニティがハンガロリンクに戻ったとき、彼らはその場所を認識するのが難しいことに気づくだろう。チームとF1スタッフ全員にとって主な作業エリアで現在行われている変更は、それほどの規模なのだ。
グランプリが行われるレーシングトラックのレイアウトとアクセスは2024年に見られたものと同じままだが、サーキット管理者はハンガリー政府の支援を受けて、ピットとパドック複合施設を完全に新しくするほか、メインストレートに新たなグランドスタンドを建設することを決定した。
7年後の2032年末までF1ハンガリーGPを開催する契約というセーフティネットがあるため、サーキットのオーナーたちは、今がサーキットを最新鋭の水準に引き上げる適切な時期だと判断し、昨年のレースの翌週水曜日より改修作業を開始した。
2024年の8月初めから約620人のスタッフが敷地内で作業を行っており、サーキットが公開した最近の写真から、新しい建物の建設がすでに半分終わっていることがわかる。サーキットのソーシャルメディアアカウントによると、すでに2万3785立方メートルのコンクリートが打設され、7604トンの鉄筋が設置されているという。
また、パドックの建物の周囲の土の埋め戻しも終わったので、掘削作業はすべて完了した。以前の構造との大きな違いは、F1独自のホスピタリティ・スイートの新しい要件が過去4年間で大幅に増加したため、パドッククラブと、パドックビルの常設エリアが大幅に広くなったことだ。ピットレーンの全長にわたってすべて3階が設けられることになり、サーキットのその部分の建設はすでに始まっている。
ピットレーンからホームストレートを挟んだ向かい側には、ふたつの新しいグランドスタンドが建設中だ。プレキャスト鉄筋コンクリートのスタンド梁が100%、グランドスタンド部分のほぼ50%がすでに設置されている。また、759平方メートルの石造建築による階段部分が現在建設されている。
サーキットのInstagramによると、コース周辺には22kmの保護チューブと80kmのライニング・チューブが敷設されたが、これには20kmの電力ケーブルも含まれている。施設エリアの高電流システムは完成し、低電流システムも90%完成しているという。
この冬、ヨーロッパは干ばつに見舞われたため、2024年の12月は過去70年間でもっとも降水量が少なくなった。悪天候で作業が中断される日がほとんどなかったため、ハンガロリンクの建設工事は予定より早く進んでいる。そのためこの膨大な作業の開始時に計画していたよりも1カ月早い5月末までに、すべての建設工事が終了する可能性がある。