2024年シーズンをもって10年間務めたレースアンバサダーを引退した安田七奈さん。2021年には日本レースクイーン大賞を受賞している 1月12日(日)に会期最終日を迎えた東京オートサロン2025のアップガレージブースで、2024年シーズンのスーパーGTでTEAM UPGARAGEのレースアンバサダーを務めた『UP GARAGE HONEYS(アップガレージ・ハニーズ)』の卒業式が行われ、2024年いっぱいでレースアンバサダー引退を表明していた安田七奈さんが、最後のステージに立った。
アップガレージのステージでレースアンバサダー(レースクイーン)の卒業式は、2019年いっぱいで活動終了となったユニット『ドリフトエンジェルス』が活躍していたころに毎年行われていたが、HONEYSになってからは開催がなく、今回数年ぶりに行われることに。とくに日本レースクイーン大賞(現レースアンバサダーアワード)で大賞を受賞した経験を持ち、サーキットでも絶大な人気を誇る安田さんが、このステージを最後に引退するということで、ブース前には多くのファンが集まった。
なかでも通称『なーちゃ会』と呼ばれる安田さんのファンたちは、オリジナル作成の“のぼり旗”を用意したほか『10年分のありがとう、届け 元気バクハツなーちゃ』と描かれた横断幕を掲げ、安田さんへの感謝の想いを伝えていた。
安田さんは2015年にレースクイーンデビューし、2016年から2018年までドリフトエンジェルスを務め“ドリエン人気”を支えた立役者のひとりでもある。2019年からWedsSport Racing Galsを4シーズン務め、2021年には日本レースクイーン大賞を受賞。活動10年目を迎えた2024年シーズンは、彼女の原点でもあるTEAM UPGARAGEのレースアンバサダーを務めて引退することを決意した。
『なーちゃ卒業式』と題された安田さんの卒業式では、2024年シーズンにHONEYSとして活躍した安田さん、阿比留あんなさん、前田星奈さんの3人へ、同ユニットの特別顧問を務める南香織さんから卒業証書が渡された。
前日のレースアンバサダーアワードではOPTION賞と実行委員会特別賞を受賞した前田さんは、大先輩である安田さんとの思い出を披露。「一緒にやっていけるか不安もありましたが、実際に本当に優しくて……。1年間一緒にやって、なーちゃさんがみんなに愛される理由もわかりました。1年前のことがつい最近のような気がしていて……、1年前に戻らないかなと。(このメンバーで)もう1年やりたいですね」と、このメンバーで立つステージが最後ということに対する名残惜しさを語った。
続いて卒業証書を受け取った阿比留さんは、楽しかった思い出が蘇ってきたのか目頭を熱くする場面もあった。「なーちゃ(安田さん)が入って、せにゃん(前田さん)もいるということで、こうしてHONEYSとして歌って踊るステージが復活して……、とても夢のような楽しい時間を過ごさせてもらいました。本当に皆さまありがとうございました」とファンに感謝の気持ちを伝えた。
そして、この卒業式でいちばんの主役と言っても過言ではない安田さん。冒頭のステージ登場時から涙があふれていたが、卒業証書を目の前に大粒の涙を流した。また彼女の活動を10年にわたって見守ってきた特別顧問の南さんも感極まり、彼女のレースアンバサダー引退を惜しむかのように卒業証書を渡すのをためらう場面もみられた。
安田さんも2024年シーズン開幕前に引退を決めて活動に臨んでものの、いざ最後のステージになって、集まってくれたファンの温かい声援を受け「やっぱり、やめたくないぃぃぃ」と大号泣。
その後もなかなかメッセージを伝えられない様子だったが、少し落ち着きを取り戻して「本当に幸せな10年間でした。2015年のオートサロンでドリエンをみて、ドリエンに憧れてかおりん(南さん)のもとへ行って……やりたいこともすべてやらせてもらえたし、みんなのおかげでレースクイーン大賞も獲れたし、本当に思い残すことがないくらい、めちゃくちゃ幸せなレースクイーン人生でした」と安田さん。
それでも「本当に寂しくて……みんなと当たり前のようにオートサロンで『あけましておめでとう!』って言って会っていた時間が、これからないと思うと……」と言葉を詰まらせる場面があったが、「レースクイーンとして駆け抜けた10年間、みんなと出会えたことが私のかけがえのない宝物です」とファンへ感謝の気持ちを伝えた。
最後には「ドリエンはなくなってしまったけど、かわいい後輩もいっぱいいるし、かおりんがプロデュースする歌って踊るレースクイーンユニットというのも続いていくと思います。私が近くで見てあげることはできないかもしれないけど、みんながいるということがすごく安心ですし、みんなからの話もまた聞きたいなと思います」と、後輩たちの活躍を楽しみにする様子もうかがえた。
安田さんの卒業式を見届けようと、他ブースでの業務の合間を縫ってレースアンバサダーたちも数名ステージに駆けつけていたほか、TGR TEAM WedsSport BANDOHの坂東正敬監督も駆けつけ、急きょステージに登場。「なーちゃが僕のチームに来てくれて、そこからたくさんのイベントに参加して、本当に多くの方にきていただきました。僕のチームでもすごく活躍されました。10年間本当にお疲れ様でした、ありがとうございました」とメッセージを伝えていた。
最後にはドリフトエンジェルスの曲である『ありがとう、届け!』と『I’m your Angel』を披露して卒業式は終了となった。
レースアンバサダーとしての時間を1分でも多く過ごそうという想いからか、安田さんは可能な限り長い時間ステージに残ろうとする仕草が多かったが、最後は笑顔で「みんな大好き!」と言って降壇。10年間のレースアンバサダー人生にピリオドを打った。