今週15日からディズニー公式動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」のコンテンツブランド「スター」で独占配信がスタートした、韓国ドラマ『トリガー ニュースの裏側』(全12話/毎週水曜2話ずつ)。配信開始前の8日、韓国・ソウルで行われた制作記者会見のレポートを紹介する。会見には、キム・ヘス、チョン・ソンイル、チュ・ジョンヒョクのキャスト3人とユ・ソンドン監督が登壇。ドラマの見どころやキャラクターの魅力について語った。
【動画】『トリガー ニュースの裏側』本予告 本作は、調査報道番組「トリガー」の制作チームの面々が、型破りな調査方法で、警察も検察も捕まえることができない凶悪犯たちを追い詰めていく痛快スリラードラマ。 「トリガー」のチーム長兼番組MCのオ・ソリョンをキム・ヘスが演じる。“美しい世の中”を信じる理想主義者で、信念を貫く強さと正義感を持つ真のジャーナリストだ。
「台本をいただいたのはドラマ『シュルプ』の撮影の終盤頃でした。当時来るオファーは重苦しい作品が多かった中、今作は深刻な社会問題や話題を扱いつつも、全体的にウィットに富んでいて、真面目さと痛快さのバランスがよく、面白そうだと思いました」と出演を決めた理由を語った。
さらに、「ソリョンは悪い人たちがもっと悪いことをできないように“救おう”とする面白いキャラクターです。高い職業意識がありプロフェッショナルな人物ですが、人間的には隙も多くて弱い部分もあります。ソリョンのプロフェッショナルさをどう表現するのか、物語の持つ真面目さとユーモアのバランスをどう取っていくのかを悩みながら演じました」と撮影を振り返った。
■知り合いの知り合いまで頼って役作り
役作りでは、実際にドキュメンタリー番組や調査報道番組に関わる人々にアドバイスを仰いだという。「知り合いの知り合いにまでお願いをして話を伺いました。取材準備の過程や、撮影のための準備物、服装など、参考になる話ばかりでありがたかったです。アドバイスをもとに台本を修正したり、現場で活動する人が実際に着ている服をお借りしたりして演技に臨みました」と語った。
「この役はキム・ヘス以外に考えられない」と考えていたというユ監督は、そんなキム・ヘスの作品に対する姿勢に感銘を受けたと言い、「作品に自分の持っている全てを注ぎ込む姿がオ・ヘリョンに重なったんです。一緒に仕事をしてみて、なぜキム・ヘスさんがトップ俳優と言われるのか、一流なのかを感じとることができました。“役者は体を楽器にして奏でる仕事”という表現がありますが、僕があった中で最も優れた演奏者だと思いました」と絶賛した。
「トリガー」の面々が体を張って悪と対峙するシーンは、本作の見どころの一つ。記者からの質問を受ける時間には、「アクションに定評があるキム・ヘスさんですが、年齢を重ねた今、アクションをするのは大変ではないですか?」という大胆不敵な(!?)質問も。
これには、キム・ヘスもこの日一番の大爆笑。「今回はアクションスクールに通うほどの激しいアクションはありませんでした。集団で追撃し逃げるシーンで怪我をしましたが、撮影をしている時には集中をしているので怪我をしていることすら気が付きませんでした。普段は怖がりで体も強い方ではありませんが、不思議なことに、役者はカメラが回ると強くなるようです。アクションシーンで体を使うのは、今のところはまだ楽しいですね」と笑顔で答え、ベテランの余裕と貫禄を見せつけた。
■チョン・ソンイルのアドリブ力を絶賛
チョン・ソンイルは、ドラマ局から「トリガー」チームに異動してきた“コネ入社の中年新入りプロデューサー”ハン・ド役で新たな一面を見せる。社会性に乏しく、人よりも動物が好きなハン・ドが、調査報道プロデューサーの気質を発揮しながら成長していく姿も見どころの一つだ。
「キム・ヘスさんは素晴らしい女優さんで、隣で演技ができるというだけで胸が熱くなりました。本当に優しい方で、いつも気さくに接してくださりました。最初から最後まで最高のパートナーでした」とキム・ヘスとの初共演の感想を語った。
キム・ヘスも「ソンイルさんにはダンディでクールなイメージがありましたが、漫画から出てきたような少年っぽさとユーモアを持つ方でした。その魅力がハン・ド役に投影されていると思います。演技に対するアイデアも豊富で、演技の幅も広い。ソンイルさんのおかげで、本当に楽しく演技が出来ました。私はアドリブが苦手であまりやらないタイプなのですが、ここにいる2人は台本を深くまで理解して、シーンにぴったりのアドリブをするんです。例えば、1話でハン・ドが子連れの母親を見て言った『分別がないな、踏ん張りな』と韻を踏んだせりふは全くのアドリブ。せりふからハン・ドのキャラクターが伺えるような素晴らしいアドリブだと思いました」と褒めあげた。
■チュ・ジョンソクの演技力に太鼓判を押す
チュ・ジョンヒョクが演じたのは、「トリガー」チームに所属して3年目のアシスタントプロデューサー、カン・ギホ。「ギホは『トリガー』の一員であることに誇りを持って仕事に挑んでいる人物で、オ・ソリョンチーム長を全面的に信頼しています。後から合流してきたハン・ドにライバル心を燃やしていますが、ハン・ドのカッコよさは認めていて、内心、似ることができたら、という気持ちを持っている。演じるソンイル先輩もあまりにもステキだったので、監督に『ハン・ドのようなヘアスタイルにしてはダメか』と尋ねたこともありました」と笑いながら明かした。
ユ監督はこのキャラクターを見た時、真っ先にチュ・ジョンヒョクの顔が浮かんだという。そのキャスティングエピソードがMCから披露されると、当の本人は「最初その話を聞いたとき“ありえない。社交辞令だ”と思いました(笑)」と謙虚なコメント。現場では“末っ子”としてムードメーカー的な役割を担いたいと思っていたそうで、「撮影の前夜には“明日はどんなエピソードで皆さんを笑わそうか”と考えたりしました」と明かし、キム・ヘスらを驚かせた。
そんなチュ・ジョンヒョクについて、ユ監督は「喜怒哀楽を感じさせる俳優」と評価。キム・ヘスも「ジョンヒョクさんは声が素敵です。素顔はピュアで子どものようですが、大人っぽい部分もあり、リアリティのある演技ができる。彼の演技の実力は、私が保証します」とべた褒め。チュ・ジョンソクは恐縮しきりだった。
最後は、「近ごろ、食事をしながら楽しめるコンテンツを“ご飯のお供”と言うそうです。本作が2025年初めの“ご飯のお供”になったらうれしいです」(チュ・ジョンソク)、「とても楽しく撮影をしました。皆さんを十分満足させられる作品に仕上がっている自信がありますので、期待してください」(チョン・ソンイル)と視聴者にメッセージを送り、1時間の会見の幕を閉じた。