1月17日、サウジアラビア国内を舞台に行われた第47回ダカールラリーの最終ステージ12が行われ、オーバードライブ・レーシングのヤジード・アル・ラジ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ)が総合優勝を果たした。
1月3日に開幕した2025年大会では、プロローグからトヨタ・ガズー・レーシング(TGR)のヘンク・ラテガン(GRダカール・ハイラックスEVO)がリードを築くなか、実力者のカルロス・サインツ(フォード・ラプター)やセバスチャンローブ(ダチア・サンドライダー)が転倒で早々のリタイア、5度の覇者ナッサー・アル-アティヤ(ダチア・サンドライダー)もトラブル数十分の遅れとなって優勝争いから外れていった。
こうした波乱の展開で開幕したのち、大会が中盤に進むにつれてラテガン(TGR)とアル・ラジ(オーバードライブ・レーシング)の差は徐々に縮まり、ステージ9でついに逆転。以降は10、11と走行を重ねるたびにトップが入れ替わる白熱したトップ争いが繰り広げられ、ワークスとプライベーターの対決としても注目を集めた。
最終ステージを残すところでは、アル・ラジが6分11秒のリードを保っており、残る1本のタイム計測区間は61km。タイヤトラブルなどでは逆転しうる僅差ではあるものの、ラテガンが攻める一方でアル・ラジは堅実に走行し、3分57秒のリードを残して初の総合優勝を飾った。
アル・ラジにとっては、11回目のダカール出走での優勝となり、サウジアラビア開催となったダカールラリーで初の母国ドライバー優勝という快挙も成し遂げた。ラリーフィニッシュ後に語られた喜びのコメントは、以下の通りだ。
●第47回ダカールラリー総合優勝ヤジード・アル・ラジ:コメント
「本当に、本当に嬉しい。今回も簡単なレースではなく、過去11年間でもっとも過酷なラリーだった。それでも、僕はとても幸せに感じているし、ティモ(・ゴットシャルク/ナビゲーター)と僕のチームはいつも通り素晴らしい仕事をした」
「それに、今日は多くの記録を作ることができた。サウジアラビア人ドライバーが勝利したこともそうだし、過去25年間で初めてプライベートチームがファクトリーチームを打ち負かしたんだ」
「また、ダカールでラリーが行われた国から勝者が出たのは初めてのことで、サウジアラビア人がサウジアラビアのダカールで記念すべき勝利をあげたんだ。本当にとても幸せだ。今日は無理をせず、素晴らしい仕事ができてよかったよ」