フジテレビは17日、都内の同局で1月度の定例会見を行い、一部週刊誌で社員の関与が報じられた中居正広(52)を巡る女性トラブルについて説明を行った。
港浩一社長(72)ら役員5人が出席し、第三者の弁護士を中心とする調査委員会のを立ち上げを明言。港社長は冒頭で「多大なご心配、ご迷惑をおかけし、説明ができていなかったことをおわびします」と謝罪。昨年12月に報道が出て以降、同局が会見を開くのは初めて。具体的な対応などに関する質問には調査を理由に回答を控えることが多く、約1時間43分にも及ぶ会見は終了した。
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港社長は着席すると、首筋の汗をぬぐった。会見冒頭、「一連の報道により、視聴者の皆さまをはじめ、関係者の皆さまに多大なご迷惑、ご心配をおかけしていますこと、および、現在まで弊社から説明ができていなかったことについて、おわび申し上げます」と文書を読み上げながら謝罪した。
会見は淡々と進んでいったが、回答内容はあいまいだった。明言したのは「第三者の弁護士を中心とする調査委員会」の立ち上げについて。具体名の公表は控えたが、専門性と独自性の高い弁護士を置くとした。石原正人常務取締役は「速やかに作りたい」としたが、設立メドは「全て決まってからご報告いたします」と未定。港社長も含まれる調査対象や、調査内容は「我々が決めるのは適切ではない」とし、「今発生している事案について、真実が何なのか、それに伴う対応が適切だったのかなどは具体的には言えない。調査委員会に決めていただくのが適切」と話すにとどめた。 今回のトラブルについては23年6月、女性の様子に社員が気づいたことで把握。トラブルの起きた具体的な時期についても調査委員会に委ねるため回答しなかった。中居からもトラブルを認める連絡があったため、港社長は1度は「ヒアリングした」と表現したがその後、局側の見解で「調査というスタンスではなく、話を聞いたということ。ニュアンスが違うと思った」と否定。聞き取り調査に至らなかったことには「より多くの人間がこの件を知ることになる状況を生むため、プライバシーや本人の意思が尊重されないのではないかという点で大きな懸念がありました」と説明し、「当時の対応が適切だったか今後調べていきたい」と述べた。同局系「だれかtoなかい」の放送を続けていたことには、「唐突に終了することで臆測が生じることを懸念し、慎重にタイミングをはかっておりました」と説明した。
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また、発生の公表が遅れた理由について、「極めてセンシティブな内容。心身の回復とプライバシーの保護を最優先した」と秘匿性の高さから判断。「当時の対応が適切だったか今後調べていきたいと思います」と述べ、被害女性に関しては特定につながるため、同局社員だったのかは「答えられない」とした。
この日の会見で“真相”の解明にはつながらなかった。トラブル発生後の対応、調査方針など多くの質問が飛んだが、疑惑を打ち消す明確な回答はなかった。会見に臨んだ役員5人からは、調査委員会の調査前であることを理由に「先ほどご説明した以上のご回答はございません」という言葉が11回、「お答えできない」が7回、「回答は控えさせてください」が19回、「これ以上は控えさせていただきます」は11回を数えた。会見中、回答に詰まる港社長の横に座っていた幹部が何かをささやくようなしぐさや、幹部同士で顔を見合わせる一幕も多く見られた。
ただ、同局側の見解として、社員が関与したとする報道はあらためて「事実ではない」と否定した。タレントとの酒席に女性局員が仕事のための懇親として出席するケースはあるが、港社長はあくまで「自由参加」の認識だったとも発言。上司から“圧力”の存在を問われると「そういう社風ではないと思う」とし、そうした場での性的接触は「ないと信じたい」と願った。真実の輪郭がぼやけている現状、速やかな調査と結果の公表が求められる。【望月千草、松尾幸之介】
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