フジテレビ社員の関与が報道された中居正広さんと女性とのトラブルに関し、同社の港浩一社長は17日に記者会見し、経緯を説明した。昨年末の問題発覚後ようやく開いた会見について、有識者は「隠蔽(いんぺい)体質が抜け切れていない」と厳しく批判した。
港社長は会見で、「多大なご迷惑をおかけしたことをおわびする」と謝罪し、第三者の弁護士を中心にした調査委員会の設置を発表した。これについて企業統治に詳しい青山学院大の八田進二名誉教授は「率先して会見したわけではなく、問題発覚後に追い詰められて対応したにすぎない。株主や視聴者らの感覚とかけ離れている」と突き放した。
八田氏は同社について「2023年6月のトラブル発生後、内輪の論理で物事を進めたかったのだろう」と指摘。「人権擁護の姿勢が極めて脆弱(ぜいじゃく)だ。生まれ変わるには経営陣の交代が求められる」と強調した。
記者会見に出席できたのは、新聞社や通信社などでつくる「ラジオ・テレビ記者会」の加盟社限定だった。これについて八田氏は「事の重大さや世の中からどう見られているかの感度が鈍い」と述べた。