BMWが連日トップ/「肩の荷が下りた」/ポルシェに問題続出etc.【IMSA公式テスト土曜Topics】

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2025年01月19日 13:40  AUTOSPORT web

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デイトナ・インターナショナル・スピードウェイのバンクを走行する93号車アキュラARX-06(左)と25号車BMW MハイブリッドV8(右)
 1月23〜26日にアメリカ・フロリダ州で行われるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の2025年シーズン開幕戦『デイトナ24時間レース』に先駆け、今年最初の戦いの舞台となるデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで恒例のシリーズ公式テスト『ロア・ビフォア・ザ・ロレックス24』が始まった。17日(金)にスタートした“ロア(「咆哮」の意)”テストのパドックから、最新のトピックスをお届けする。

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“ロア”テストの2日目となった1月18日(土)は、午前と午後、さらに夜間に計3回の走行(セッション3〜5)が行われ、25号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームRLL)が日中のふたつのセッションでトップに。ナイトセッションでは7号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)が一番時計をマークしたが、一日のベストタイムはセッション4で記録された1分36秒196だった。

 25号車BMWをドライブしこの最速タイムを刻んだシェルドン・ファン・デル・リンデは、明るいトーンで次のように語った。「WEC世界耐久選手権での最初シーズン以降、クルマは大きく前進したと思う。今年は本当にそれが表れていると感じるんだ。チームも過去2年間から前進したと思う。多くの新しいエンジニアが加わっており、キャデラックから来た人も何人かいる。それは間違いなく助けになっている」

 なお、ファン・デル・リンデはSportscar365に質問に対し、新しいエンジニアの身元についてコメントを控えた。

■隊列整理のシミュレーションを実施

 IMSAはこの日の最初のセッションで、2025年に向けたGTDプロとGTDのクラス分けの演習を行った。フルコース・コーション(SCラン)のシミュレーションを行い、その後カテゴリーとクラス分けを実施。新しいルールでは、再スタート時に行われる既存のGTPとLMP2のクラス分けと同様に、GTDプロとGTDのクルマを分ける。フィールドにある61台すべてのクルマがIMSAから参加を要請された。

 GTDクラスにエントリーしているDXDTレーシングのドライバー、アレック・ウデルはSportscar365に次のように語った。「過去にこのシリーズで行ったことと似ている。唯一変わったのは、エンジニアの話を聞いていると、カテゴリー分けとクラス分けの間に指定があることだ。結局のところ、自分がレースをしているクルマの周りにいることができ、他のクルマに選ばれているような気がしないので、スポーツ的にはおそらく良いことだと思う」

 コルベット・レーシング・バイ・プラット・ミラー・モータースポーツのニコ・バローネは次のように付け加えた。「本当にスムーズだった。誰もが前のレースからプロセスを理解していたので、とても簡単だった。ファンにとってクラス間のレースがもっとエキサイティングになり、より接近したものになることを願っている。本当にスムーズで、誰にとっても非常にわかりやすかった」

■ポルシェ963に頻発したハイブリッドのトラブル

 ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツは、前日のセッション2でフェリペ・ナッセがバックストレッチでクルマを放棄せざるを得なかった“レッドアラーム”を受けて、7号車ポルシェ963のバッテリーとMGUを交換した。クルマは土曜日の朝、問題なく走行を再開。前述のとおり、夜間走行では1分36秒271というタイムでセッション最速となっている。

 金曜日には他の2台のポルシェ963も高電圧関連の問題に遭遇したことが明らかになった。プロトン・コンペティションの5号車は午前中にバッテリーを交換し、最初のセッションのほとんどをガレージで過ごした。一方、JDCミラー・モータースポーツの85号車は、原因不明のハイブリッドのトラブルにより午後のセッション2で走行時間を失った。

 ジョーイ・ハンドは、1999年のスター・マツダ・シリーズで優勝した際のカーチーフ、カイル・ホールと再会した。彼は現在66号車フォード・マスタングGT3を走らせるグラディエント・レーシングでクルーチーフを務めている。

 ハンドは現在もファクトリードライバーとしてフォード・パフォーマンスに在籍しているが、現時点でグラディエントでの出場が確定しているのはミシュラン・エンデュランス・カップの5レースのみだとSportscar365に語った。「それについてはまだ話していないが、今のところは3人のドライバーがいるレースだ」と彼は述べた。

■ヴァルキリーでのハイパーカープログラムに集中

 同じくフォードのエースであるハリー・ティンクネルは、デイトナ24時間レースが今年のウェザーテック選手権への唯一の出場になる可能性があることを示唆した。マルチマチックと契約している彼は、ハート・オブ・レーシング・チーム(HoR)のアストンマーティン・ヴァルキリーAMR-LMHで行うWECハイパーカー・プログラムに集中する予定だ。

 ティンクネルはSportscar365に対し次のように語った。「今のところこれ以上の予定はありませんが、戻ってくることができてとても嬉しい。ここで長距離レースに出られないのは残念だったので、デイトナに出るという連絡が来たときは本当に興奮した。今年の主な焦点はWECになるだろう」

 まだ正式発表されていないが、Sportscar365は、第2戦セブリングでデビューする予定であるHoRのヴァルキリーAMR-LMHのGTPエントリーでは、ロス・ガンとロマン・デ・アンジェリスがシーズン中のコドライバーになると予想している。

■父もBMWをドライブしていた

 BMWのファクトリードライバーとして初めてデイトナ24時間に出場するケビン・マグヌッセンは、父ヤン・マグヌッセンの足跡をたどり国際的な舞台でバイエルンブランドを代表することになる。ヤンはコルベット・レーシングでの長年にわたる成功で知られているが、2006年にマカオで開催されたFIA世界ツーリングカー選手権のラウンドでBMWに加わった。

 IMSAのトップカテゴリーで4度チャンピオンに輝いたデイン・キャメロンは、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツで初めてロレックス24の栄冠を獲得した後、1年経ってデイトナ・インターナショナル・スピードウェイに戻ってきたことで、肩の荷が下りたと感じていると語った。36歳のキャメロンは今年、AOレーシングからLMP2クラスに参戦する。

 キャメロンは次のように語った。「肩の荷が下りた状態で、デイトナに戻ってくるのは素晴らしいことだ。それを達成しようとする自分への期待とプレッシャーを抱えてここに来るのは毎年大変だった。今回はそれを抜きにして行けるからよかった!」

■“レキシー”がGTDに一時復帰か

 AOレーシングのチーム代表であるグンナー・ジャネットによると、同チームはアキュラ・グランプリ・オブ・ロングビーチのGTDグリッドに“レキシー”を投入するための「選択肢を調査中」だという。これにより、今季最初のスプリントラウンドではGTDプロクラスレースは開催されないものの、100分間のスプリントレースに恐竜リバリーのポルシェ911 GT3 Rが投入される可能性がある。

 Sportscar365は、ブロンズドライバーであるチームオーナーのPJ.ハイエットとともに、ポルシェ・ワークスドライバーのローレンス・ファントールが同マシンで参戦する可能性があると理解している。

 LMP2クラスに参戦するユナイテッド・オートスポーツの2台のオレカ07には、イアン・バーンウェルを追悼するトリビュート・デカールが貼られている。このロジスティクスのスペシャリストは短い闘病生活の末、昨年12月に亡くなった。

■シェイクダウンはデイトナ後

 今年のミシュラン・エンデュランス・カップの一環としてGTDクラスにデビューするファン・デル・ストゥール・レーシングは、2024年のSROアメリカに出場したエリアス・サボのアストンマーティン・バンテージAMR GT3エボを2台購入した。フライング・リザード・モータースポーツのドライバーは、シーズン半ばにBMWのマシンに切り替えた。このアストンマーティン・チームは今週末、プロドライブからサポートを受けている。

 ルイス・ペレス・コンパンクは今年のロレックス24でオレカ07・ギブソンをドライブする予定だが、彼の息子マティアスはVPレーシング・スポーツカー・チャレンジでAFコルセのフェラーリ296 GT3に乗りGT3デビューを果たす。彼は昨年のフェラーリ・チャレンジ・ノースアメリカに出場した後、ステップアップする。

 トラックハウス・バイ・TFスポーツのGTDプロエントリーで使用されているシボレー・コルベットZ06 GT3.Rは、今年後半のELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに出場するクルマと同じものであるとチーム代表のトム・フェリエがSportscar365に語った。一方、WEC用の2台のコルベットは現在ドバイにあり、TFスポーツはデイトナのレース直後にシェイクダウンテストを行う予定だ。

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