ケビン・マグヌッセンは、BMWと契約したのは「ビッグレースで勝つため」だと語り、ハースF1での在籍期間が終了した後、メジャーメーカーに移籍することで「条件を満たした」と付け加えた。
ル・マン24時間レースで4度のクラス優勝を果たしているヤン・マグヌッセンの息子であるデンマーク人は、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の開幕戦『ロレックス24・アット・デイトナ(デイトナ24時間レース)』で2台のBMW MハイブリッドV8を走らせるBMW MチームRLLの一員としてGTPクラスにデビューする。
この24時間レースは、彼のメインプログラムの前哨戦となる。マグヌッセンは同じくBMW MハイブリッドV8を走らせるBMW MチームWRTから、今季2025年のWEC世界耐久選手権ハイパーカークラスにフル参戦することが決まっている。
なお、彼にとって北米スポーツカーシリーズは初めての場所ではなく、2021年にはチップ・ガナッシ・レーシングが行ったキャデラックDPiプログラムの一員としてフルシーズンを戦った。
その後、プジョーのWECハイパーカープログラムに参加することになっていたが、そのタイミングでハースF1チームに戻る機会が訪れたため、2024年シーズン終了後に2度目の離脱をするまでの3シーズンを戦うこととなった。
「何年も前から少しずつ準備していた」とマグヌッセンはBMWへの移籍についてSportscar365に語った。
「(ハースのラインアップから外れた後)あまりF1を続けたいとは思っていなかった。別のチームで次の契約を積極的に探していたわけではないんだ」
「だから、僕はすでにほかのことに焦点を移していた。スポーツカーが僕の目指すところであり、とくにLMDhに集中したいと思っていた」
「多くのメーカーが参加している今、それによって競争が激しくなっている。非常にエキサイティングなことだと思う。誰もがスポーツカーレースの“黄金時代”だと言い続けているし、僕もその一部になりたかったんだ」
彼が以前から示唆していたように、マグヌッセン一家とWRTのボスであるヴァンサン・ボッセとのつながりが今回の移籍の大きな動機となった。
「連絡を取り合うのは簡単だった」と32歳のマグヌッセンは述べた。
「BMWへの移籍については、実は何年か前から話していたんだ。僕はスポーツカーに完全に乗り換えたいと思っていた。もちろん、大手のメーカーに所属したかった。だから、今回の移籍はその条件を満たしている」
BMWのLMDhプログラムを注視してきたというマグヌッセン。「彼らは最初のシーズンを期待していたようには過ごせなかった。そう言っても過言ではないと思う。しかし、彼らはかなり大きな進歩を遂げたし、改善すべき点もはっきりしていた」
「良いパフォーマンスへの明確な道筋があったし、実際にうまく行きはじめている。フィーリングは良好だ」
デイトナへの復帰に加え、マグヌッセンがWECプログラムに参加したことで、彼は2021年以来初めてル・マン24時間レースに戻ることになる。4年前の大会では父ヤンとアンダース・フィヨルドバッハとともに、ハイクラス・レーシングのオレカ07・ギブソンをドライブした。
「僕はビッグレースに勝つためにここに来た」
「今年のメインターゲットはもちろん、ル・マンとデイトナだ。だから、僕にとっては本当にいいプログラムだと思う」
「BMWがチャンスを与えてくれたことをとても嬉しく思っているし、昨年の進歩をさらに発展させられることを願っている。2024年の終盤にはかなり競争力があったと思うからね」
「彼らはここIMSAで優勝したし、WECでも状況を好転させるために素晴らしい仕事をしたと思う。だから、僕は楽観視している」