俳優の松重豊(62)が初監督・脚本を務めた『劇映画 孤独のグルメ』公開後舞台あいさつが19日、都内で開催された。主演の松重と、遠藤憲一(63)が、初めてファンの前に“役衣装”のまま登壇した。
【写真】『劇映画 孤独のグルメ』松重豊&遠藤憲一の共演シーン
本作は、松重が長年にわたり主演を務め人気を博してきたテレビ東京のドラマシリーズ初の映画化作品。松重自らが監督を務め、主人公の井之頭五郎が究極のスープを求めて世界を巡る姿を描いており、遠藤は作中に登場する『孤高のグルメ』で主演を務める善福寺六郎役で登場する。
10日の公開タイミングで遠藤のシークレット出演が明かされた。松重は「よく『孤独のグルメ』をやってる13年間、街でお声がけされるんですけど、10人に1人が『孤高のグルメ』見てますって言うんです。『孤高のグルメ、いや、違うんだけどな。ありがとうございます』って言ってたんで(笑)。それで今回、最初のシナリオの段階で、『孤高のグルメ』っていうのを出しちゃえば面白いなと思って書いたんです」と作中作が誕生した裏側を披露。「そうなった時に、『じゃあ井之頭五郎は誰がやる?』って。もうとにかくもう遠藤さんしか浮かばないんですよ」「名前を『井の頭公園』のちょっと上で、『善福寺公園』から善福寺六郎にして。もう遠藤さんに断られたら、この企画はなくなる。そこのシーンはまずやらないつもりだったんです」と、遠藤にお願いした経緯を明かした。
名バイプレイヤーとしてドラマ、映画に欠かせない存在の2人だが、松重は「若い頃から、2人とも殺し合いとかそういうことばっかりやって。今かわいいって言われてますからね(笑)。巷では。世界を恐怖の底に突き落とすような2人だったんですけど、最近どうもちょっとフェーズが変わってきたみたいで」と周囲の目線の変化を自覚。「今回だから、それでもう遠藤さんに善福寺六郎をやっていただいて、本当に思うつぼというか、お客さんもあそこまで笑っていただけるとは僕は思いませんでした。もう本当に遠藤さんに出ていただけたおかげでございます。ありがとうございます」とお礼を伝えた。
『孤独のグルメ』は、同名グルメ漫画(原作:久住昌之、作画:谷口ジロー)が原作。輸入雑貨商を営む主人公・井之頭五郎(松重)が、ひとりで食事を楽しむ様子が自身のモノローグと共に描かれるスタイルが、「今までのグルメ漫画には見られない!」と人気を博し、2012年1月に松重主演でテレビ東京系連続ドラマとしてシリーズ化。深夜にひっそりと放送がスタートするや、食欲をそそる料理と松重演じる五郎の大胆な「食べっぷり」や「心の声」に多くの共感が生まれ、国内のみならず海外でも絶大な支持を得てシーズン10までシリーズを重ねる、“グルメドキュメンタリードラマの金字塔”となった。今回が初めての映画化となる。
なお本作には、松重、遠藤以外に、内田有紀、磯村勇斗、村田雄浩、ユ・ジェミョン、塩見三省、杏、オダギリジョーらが出演している。