替え芯が自由に選べるボールペン【道越一郎のカットエッジ】

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2025年01月19日 18:30  BCN+R

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替え芯の先を「コレット」で固定するため、替え芯の種類を選ばない
 ボールペンは、本体デザインよりも書きやすさを優先したい。いかに気持ちよく書けるかが最も大切だ。私の場合は、字の汚さをごまかすために太字であることも欠かせない。おしゃれでカッコイイボールペンであっても「芯」の出来が悪ければ不合格だ。とはいえ、どんなに書き心地が良くても、デザインがチープでダサダサなら、やっぱり不満が募る。このバランスはとても難しい。書き心地が良ければデザインがダメ。デザインが良ければ書き心地がイマイチということは多い。

その他の画像はこちら 私は某海外ブランドの水性ボールペンを長年愛用している。書き心地は最高でデザインも悪くないのだが、いかんせんペン本体が細すぎて使いにくい。さらに問題なのは替え芯の価格。さすがに1本1000円はしないが数百円はする。入手性も良くない。ネットで安売りをしているショップを見つけては、まとめ買いすることにしていた。ところが整理が悪く、まとめ買いした芯が行方不明になることもしばしば。違うブランドのボールペンも併用しているが、これはデザインも太さも申し分ない。しかし、書き心地がやや劣る。ボールペンの「替え芯問題」は結構悩ましい。両方の利点をミックスしたものがあればいいのだが。まあ、ボールペンはそんなものだとあきらめていた。

ディーフの「Refill Pen Jacket」。

削り出しの金属製で持つ喜びも味わえる

 ところが「変え芯を自由に選べるボールペン」があるという。ディーフの「Refill Pen Jacket」(ペンジャケット)だ。クラウドファンディングサイトMakuakeで応援購入した。早割りで税込み4800円だった。これまでもいくつか製品化されており、今回の製品で3世代目だという。おおよそどんな替え芯でも利用できる、いわばボールペン本体のみの「ガワ」だ。通常のボールペンの場合、替え芯の尻を本体の尻の部分で保持して固定している。少しでも長さが異なると使えない。そのため、ボールペン本体ごとに専用の芯が必要になる、というわけだ。

替え芯の先についているのが「コレット」。

ペン先を支える「先端カバー」とペン本体の「ボディ」の間に挟んで

先端カバーを本体にねじ込むことで、スリットが閉まり、ペン先が固定できる

 ところがペンジャケットは、実用新案申請中の独自「コレット構造」で、芯をペン先の軸の部分で固定する。本体に収まりさえすれば、芯の長さは関係ない。これはまさにコロンブスの卵的製品だ。利用できる替え芯の条件は、全長112mm以下、直径6.3mm以下、ペン先の直径2.3〜2.6mm。同社によれば国内外で流通している700種類以上の替え芯が使えるという。事実上選び放題だ。

文具店で売っているほとんどの替え芯が選び放題だ

 ペンジャケットの構造はシンプル。バネも複雑な固定機構もないので壊れにくい。しかもペン先をがっちり固定するため、書いているときにペン先がブレず書きやすい、という副産物まである。削り出しの金属製で適度な重みもあり、モノとしての存在感も楽しめる。さて、入手したペンジャケット。どんな芯を合わせようか。今回、文具店で購入したのは、ゼブラの「RJF10-BK 1.0mm ジェルボールペン替芯(水性顔料・耐水性)」。水性ボールペンに採用されている替え芯だ。しかも価格は税込み88円。こんなに安く最高の書き心地が手に入るとは、すばらしいことだ。

「コレット」で固定されたペン先部分

 ただ、キャップが磁石式で外れやすい、というのは少し残念な部分。キャップ式のボールペンによくある「カチッ」と閉まる機構ではないのだ。ここは一般的なキャップのように、小気味よく「カチッ」とハマってほしかった。胸ポケットに挿して作業などしていると、ペン本体が脱落するのではという不安感がある。次回作に期待だ。

 今回取り上げた、第3世代ペンジャケットのクラウドファンディングは残念ながら終了してしまったが、ディーフのサイトでは、アルミ・ステンレス製の第1世代、天然木・ステンレス製の第2世代のペンジャケットを販売している。第3世代の製品もゆくゆくは同社サイトで販売することになるだろう。替え芯選択の自由に興味があるなら、一度サイトを訪れてみてはいかがだろうか。(BCN・道越一郎)

「Refill Pen Jacket」を分解してみた。

きわめてシンプルな構造だ

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