トヨタ・ガズー・レーシングが走らせたトヨタGRダカール・ハイラックスEVO ダカールラリー2025 1月3〜17日にかけて、中東のサウジアラビアで開催されたW2RC世界ラリーレイド選手権の2025年シーズン開幕戦『第47回ダカールラリー2025』に、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)が6台のトヨタGRダカール・ハイラックスEVOで参戦し、ヘンク・ラテガンが総合2位を獲得した。
そして、同じくトヨタGRダカール・ハイラックスEVOを使用するプライベーターのオーバードライブ・レーシングで走るヤジード・アル・ラジが総合優勝を飾り、トヨタとしてワン・ツーフィニッシュを飾った。
今回TGRから参戦したドライバーは、欧州のTGRからルーカス・モラエス/アルマンド・モンレオン組(203号車)とセス・キンテロ/デニス・センツ組(204号車)、TGR南アフリカ(TGRSA)からジニエル・ド・ヴィリエール/ディルク・フォン・ジッツェヴィッツ(206号車)、ヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス組(211号車)、ガイ・ボッテリル/デニス・マーフィ組(205号車)、サオード・ヴァリアワ/フランソワ・カザレ組(218号車)だ。
このうち、ラテガン、モラエス、キンテロ、ヴァリアワらはそれぞれステージウインを果たしており、今回トヨタはプライベーターの活躍も合わせると全12ステージ中8本で最速タイムを刻む活躍を見せ、最高峰クラスのなかでもっとも安定した好成績を収めた。
TGRが戦った最高峰クラスのほかにも、トヨタ車体株式会社のラリーチームであるチームランドクルーザー・トヨタオートボデー(TLC)から市販車部門に参戦したランドクルーザー300 GR SPORTは、ドライバーの三浦昂/ジャン・ミッシェル・ポラト組がクラス首位、チームメイトのロナルド・バソ/ジャン・ピエール・ギャルサン組がクラス2位で完走。TLCとランドクルーザーはこの部門で12連覇を達成した。
日野チームスガワラからHINO600シリーズでトラック部門に参戦した菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組は、さまざまなトラブルに苦しみながらも、この部門で13位、そして34回連続の完走を果たしている。
ダカールラリー2025完走を果たしたTGRドライバーおよびアンドレア・カルロッチチーム代表のコメントは以下の通りだ。
●ヘンク・ラテガン/211号車(総合2位)
「2週間にわたり、早朝から深夜まで走り続けた、数千kmに及ぶ戦いの結末が、僅か4分差での2位というのは、なんとも言えない、ほろ苦い結果だ」
「しかし、表彰台に上れたのは良かったですし、なにより僕にとって初のダカールでの表彰台なので、本当に嬉しい。今大会で我々とチームが成し遂げたことは驚嘆に値するし、誇りに思っている」
「今年もさらにプッシュを続けクルマを改良し、我々自身も経験を重ねて成長して、もっと強くなって来年戻って来たい」
●セス・キンテロ/204号車(総合9位)
「ようやく自分らしさを発揮できたように感じられ、ほっとしているよ。昨年は何度か勝利などもあったが、安定していなかったのでこの大会でとても安定してレースを戦えたことは良かった」
「チームや自分自身の力だけではどうにもならないこともいくつかあり、それが結果に響いてしまったように思う。TGRはチーム全員がこの2週間、素晴らしい仕事をしてくれた」
「我々はここ数カ月大変な努力を続けてきたが、それは間違いなく報われたはずだ。今年レプソル社がチームに加わったことはとても大きな意味を持つ。再生可能燃料は、この先ずっとレースを続けていくための道しるべになる」
●ルーカス・モラエス/203号車(総合15位)
「何と言っていいかわからないよ。いつも言っていることだが、生きている限り失うものはなく、つねに勉強だ」
「もちろん、総合結果だけを見れば決して望んでいた結果ではないが、完走できただけでも満足しているし、とくにステージ優勝できたことは嬉しい」
「誰もがプッシュする最終ステージで勝利できたというのは、我々にスピードがあること、クルマがどれだけ速いかということを証明できたと思う。来年はもっと強くなって戻ってきたい」
●サオード・ヴァリアワ/218号車(総合29位)
「信じられないようなレースだった。思い返せば、昨年は初めてのダカールで、今年は昨年よりもはるかに難易度が上がった」
「主催者は最初の週で我々をふるい落とそうとしていたようにも思うほどだったよ。しかし、クルマは素晴らしかったし、2度目のダカール挑戦で完走を果たすことができて本当に嬉しい」
●アンドレア・カルロッチ(TGRチーム代表)
「今回は、恐らくサウジアラビアに移ってから最高のダカールで、素晴らしいラリーだったと思う。もちろん、トヨタにとっても素晴らしい結果となった」
「ワン・ツーフィニッシュを果たし、各ステージでも多くの表彰台や勝利を勝ち取った。それにより、ある意味クルマの速さと強さを証明できた」
「参加者たちにも多くの栄誉がもたらされたと言えるだろう。彼らは最後の最後まで全力で戦い続け、本当にエキサイティングだった。これこそがモータースポーツのスピリットであり、これ以上は望めないだろう」