「男の子でよかったのう」――違和感&不気味さあふれる『嗤う蟲』本編映像

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2025年01月20日 18:10  クランクイン!

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映画『嗤う蟲』場面写真 (C)2024 映画「嗤う蟲」製作委員会
 深川麻衣が主演、若葉竜也らが共演する城定秀夫監督最新作『嗤(わら)う蟲(むし)』より、村人たちの距離感の近さにどこか違和感を感じる本編映像が解禁。また、阪元裕吾監督やYoutuberのりん(「りんの田舎暮らし」)からコメントが到着した。

【動画】この距離感、なんかおかしい――映画『嗤う蟲』本編映像

 本作は、現代日本の闇に隠されている”村社会”の実態を暴くヴィレッジ《狂宴》スリラー。『許された子どもたち』『ミスミソウ』の内藤瑛亮が脚本、『アルプススタンドのはしの方』で第42回ヨコハマ映画祭監督賞、第30回日本映画プロフェッショナル大賞監督賞を受賞した城定秀夫が監督を務める。

 田舎暮らしに憧れるイラストレーターの杏奈(深川)は、脱サラした夫・輝道(若葉)と共に都会を離れ、麻宮村に移住する。麻宮村の村民たちは、自治会長の田久保(田口トモロヲ)のことを過剰なまでに信奉していた。 

 夫婦は、村民たちの度を越えたおせっかいに辟易しながらも新天地でのスローライフを満喫する。そんな生活のなかで杏奈は、麻宮村の村民のなかには田久保を畏怖する者たちがいる、と不信感を抱くようになっていく。一方、輝道は田久保の仕事を手伝うことになり、麻宮村の隠された“掟”を知ってしまう。それでも村八分にされないように、家族のため“掟”に身を捧げることに…。

 解禁された本編映像では、主人公・杏奈が出産したことで村人たちが集まり、お祝いをするシーンから始まる。「よう頑張ったね」と声をかけられ笑顔を見せる杏奈だったが、「おめでとう」ではなく「ありがっさま」という感謝の言葉を連呼され少し違和感を憶えつつ、祝福を受け入れる。

 自治会長の田久保が「男の子で良かったのう」と言うと、杏奈は戸惑いながらも赤ちゃんを田久保の妻・よしこに抱かせるが、赤ちゃんが次々と別の村人たちに渡され、不安は大きくなるばかり。「もう仕事始めたんだら? 家事手伝うに」「頼った方がいいで」と言う村人に、「在宅仕事なので大丈夫です」と断るが、「赤ちゃんに何かあったら困るに」「必要なもんは届けてあげるに」と畳みかけられ、田久保が「敦夫は麻宮村の子だもんで」と声を上げる。その勢いに圧倒され、断れない夫・輝道を見て、杏奈の表情はさらに曇っていく。

 また、一足先に本作をご覧いただいた著名人総勢11名からコメントが到着した。阪元裕吾監督「仕上がり倒している田口トモロヲさんと杉田かおるさんが、関わりたくない村人そのものすぎて驚愕しました」や、りんの田舎暮らし「現代ではあり得ないはずの恐ろしい掟の数々は全て実在します」、沙さ綺ゆがみ「『嗤う蟲』は間違いなく今年最も恐ろしい映画の1本になるはずだ」など、“麻宮村”が日本のどこかに存在するのではないか、そんなリアルな人間関係・村社会の一面を描いた本作に絶賛コメントが続出した。

 映画『嗤う蟲』は、1月24日より全国公開。

※阪元裕吾、二宮正明、山本直樹、貴志祐介ほかのコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■阪元裕吾/映画監督・脚本家

 深川麻衣さんと若葉竜也さんという日本映画ファンからすると嬉しいコンビが再共演した舞台は、なんと狂気の因習村でした! 仕上がり倒している田口トモロヲさんと杉田かおるさんが、関わりたくない村人そのものすぎて驚愕しました。嫌な気持ちになりたい人はぜひ見てください。

■二宮正明/漫画家

 中盤からの怒涛の展開、気をつけろ田久保(田口トモロヲ)は怪物である!! だがこの怪物には筋がある。私利私欲のためには動かない、あくまで村の為に生きている! そう、ここは限界集落、、時にはこんな男も必要なのかもしれない、、

■山本直樹/漫画家

 怖い映画です。村が怖い天気が怖い鎌が怖いカボチャが怖い杉田かおるが怖い。田口トモロヲが一番怖い。

■貴志祐介/作家

 人懐っこさも、素朴な方言も、何もかもが神経に障り始めたときには、もう逃げられない。いろいろな意味で、決して近寄ってはいけない村がここにある。もしかしたら、こんな村、日本のどこかにあるんじゃないか?

■りん/YouTube「りんの田舎暮らし」

 田舎暮らしに潜む闇を描いたリアル怪奇映画! 近年の田舎暮らしブームは良い面ばかりが着目されますが、この作品では田舎の現実が浮き彫りになっています。現代ではあり得ないはずの恐ろしい掟の数々は全て実在します。主人公・杏奈のラストシーンの表情であなたは何を思いますか?

■人間食べ食べカエル/人喰いツイッタラー

 片田舎特有の過干渉の匙加減が巧い! 徐々に村に染まる夫、取り残される妻。孤立する過程をごく自然に切り取る。田口トモロヲを始めとした役者陣の演技もくど過ぎず、程よい厭さを醸し出す。日常系村スリラーここに誕生!!

■吉田悠軌/オカルト研究家

 いや、すごくいい村なんだよ! みんな優しくて明るくて新しいことにも挑戦していて……すごくいい村なんだ、けど怖いんだ。天国みたいな共同体が、ふとしたキッカケひとつで地獄となる。現実もそうなのかもしれないな。

■沙さ綺ゆがみ/ホラー漫画家

 柔らかな陽光が紅葉混じりの山々と鉄紺色の日本家屋を照らす。完璧な冒頭10分の後、私たちは”村”が人間を捕食する一部始終を見る! 『嗤う蟲』は間違いなく今年最も恐ろしい映画の1本になるはずだ。

■ミミカ・モーフ/ホラー映画紹介Vtuber

この村もうわやです
小規模コロニーでの洗脳と過疎化した村の闇
害虫が体を這う様などすごい嫌悪感
今年の初っ端から素晴らしい作品を
本当にありがっさまです
是非皆様今年最初の嗤い狂い初めをどうぞ

■寺嶋夕賀/映画コラムニスト

 この村の闇は極めて生々しく、故に強力。絡みつくような視線に気づいた時にはもう、我々は蜘蛛の巣にかかった蟲なのだ。全体主義に染まり怪しげに嗤う彼らに耐えられるか?

■氏家譲寿/文筆・映画評論家

 村八分なんて最悪なことだと思いますよ。でも、小さなコミュニティには独裁が必要だと思っちゃうんですよね。怖いけど染まっちゃえば、”みんな楽しそうだなぁ” ……なぁんてね。あれ? 僕、おかしな事、言ってます?
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