映画『告白』(2010年)などで知られる中島哲也監督による7年ぶりの新作映画『時には懺悔を』の公式サイトが21日に更新され、中島監督に関する過去作品の報道に関してコメントを発表した。
【写真】映画『時には懺悔を』製作委員会が発表した声明文 公式サイトには「映画『時には懺悔を』製作委員会からのご説明」との文書が掲載され、「この度、本作品の中島哲也監督に関する過去作品の報道の件に関しまして、同監督よりコメントが公表されました。当製作委員会では、本作品の製作にあたりまして、当該報道で指摘されている事案を慎重に確認し、製作を決定しておりますが、当該事案や本作品の内容等も踏まえたうえで、十分に協議し、以下の各取り組みを実施しておりますので、ご説明させていただきます」と説明した。
発表では3つのポイントとして「出演者とのコミュニケーションについて」「障がいをお持ちのお子さまへの配慮について」「ハラスメント講習の実施」を掲げ、制作時の取り組みを説明。「特に出演者の心身への配慮が必要となる身体的接触や、感情表現が大きいシーンを撮影する際には、インティマシーコーディネーターにもご参加いただき、出演者とスタッフの間の意思疎通の適正化、円滑化を図り、出演者やスタッフの身体的、精神的なケアに重点を置いて取り組みました」としたほか、「心理カウンセラーにも定期的に撮影現場にお越しいただき、出演者やスタッフが、直接カウンセリングを受けられる体制を整えるとともに、メールでも相談ができる環境を整えました」などと説明した。
中島監督をめぐっては一部週刊誌で、14年の映画『渇き。』に出演した女性俳優が過剰な露出を必要とする撮影が行われたことで自殺未遂に追い込まれたなどと報じられた。
同作は、打海文三(うちうみ・ぶんぞう/1948年-2007年)の同名小説が原作。重度の障がいを抱える子どもを通して描く、親子の絆の物語。およそ20年前にこの小説に出会った中島監督は「見る人の気持ちを動かす映画ができるのでは」という想いをずっと抱き続けてきたという。脚本を書き始めた当初はなかなか賛同者を得られなかったが、構想15年という時を経て、まさに新境地と呼べる感動作が完成。「過去に大きな傷を負った大人たちが、今を必死に生きる“たったひとつの小さな命”と出会い、人生の活路を見出す物語」を独自の視点と緻密な演出で描き出す。主演を務めるのは、中島監督とは初のタッグとなる西島秀俊。