1月22日より走行が始まる2025年WRC世界ラリー選手権第1戦『ラリー・モンテカルロ』より、WRCは韓国のハンコックとともに新時代への歩みを始める。
WRCがこれまでコントロールタイヤを提供していたピレリとの契約は2024年で終了となり、2025年からは新たに韓国のハンコックタイヤがシリーズの共通サプライヤーとなる。
これまでハンコックは、ABB FIAフォーミュラE世界選手権のタイヤサプライヤーとして活動を続けてきたほか、過去には日本のスーパー耐久シリーズへもタイヤを供給していた。そしてラリーにおいては、FIAヨーロッパラリー選手権(ERC)のジュニアカテゴリーへもタイヤを供給しており、ここでの技術への評価がWRCとのサプライヤー契約をサポートしている。
2024年11月に韓国ハンコックのテクノプレックス本社で締結された契約では、2025年シーズン開幕のモンテカルロラリーから今後3年間、全カテゴリーのタイヤを独占供給することが決められた。
2025年は、すべての競技車両に対して、ヴェンタスZ215(ドライ&ウエット)、ヴェンタスZ210(ドライ&ウエット/悪天候用)、ダイナプロR213(グラベル)、ウインター・アイセプトSR20(スノー)、ウインター・アイパイクSR10W(アイス)といったラインアップが各大会のコンディションに応じて用意される。
これらのラリータイヤ開発は、2024年2月から始まったテストで進められており、フィンランドやスウェーデン、フランス、ギリシャなどのヨーロッパ諸国で走行が重ねられた。
この綿密なアプローチには、トヨタ、ヒョンデ、Mスポーツ・フォード、シトロエンらが協力しており、彼らとともにハンコックのエンジニアは氷上で計400km以上、雪上アスファルト路面で計200km以上、アスファルトで計500km以上、砂利道で約1000kmの実践テストを重ねた。
WRCプロモーター社のマネージングディレクター、ジョナ・シーベル氏は、「当社はすでにERCを通じてハンコックタイヤと良好なパートナーシップを築いており、これをWRCにまで拡大できることを非常に嬉しく思っている」と歓迎のコメントを述べている。
「ハンコックタイヤはWRCの特別なニーズを満たすタイヤの開発に懸命に取り組んでおり、1月のモンテカルロラリーでのデビューパフォーマンスを非常に楽しみにしている」