1月21日、イギリス・ランドローバー社のアドベンチャーブランドである『ディフェンダー』は、FIA世界ラリーレイド選手権(W2RC)へ参戦する際のベースマシンとして、『ディフェンダー・オクタ』を採用することを発表した。
ディフェンダーは、2026年から3年間のワークス活動として、ダカールラリーをはじめとするW2RCの年間全5ラウンドに参戦することを計画している。
挑戦するクラスについては、市販車ベースのクラスであるSTOCK(ストック)カテゴリーで、投入するマシンは『ディフェンダー・オクタ』をベースにした新たな競技仕様車両となることが決まった。
『ディフェンダー・オクタ』は、ブランドのなかでもっともパワフルな一台であり、パワートレインには4.4リッターツインターボV8エンジンを搭載している。
さらに、すべての『ディフェンダー』車両の基本となっている軽量アルミニウム製モノコック構造の『D7x(xはエクストリームの意味)ボディアーキテクチャ』をベースとしており、従来のボディオンフレーム設計よりも3倍の強度を誇り、優れたねじり剛性を持つという。
ディフェンダーは、このような『オクタ』の本質的な堅牢性と、専用のジオメトリおよび運動学設計の組み合わせが、ダカールラリー・プログラムを支えるマシンとして選択した理由であることを説明。
特別に準備される競技仕様車両は、ダカールラリーとW2RCの規定に従って、『ディフェンダー・オクタ』の4.4リッターツインターボV8エンジンはもちろん、ボディアーキテクチャやトランスミッション、ドライブラインのレイアウトを共有し、究極の走破能力と耐久性を示すためにラリーに挑む。
『オクタ』のベースモデル採用に際し、ブランドのマネージング・ディレクターであるマーク・キャメロン氏は、「世界でもっとも過酷なW2RCに挑戦することは、究極の『ディフェンダー』にとって最高のテストの場となるだろう」とコメントしている。
「ダカールが非常に大きな挑戦となることはわかっているが、『ディフェンダー・オクタ』は、ディフェンダー特有の機能と耐久性に加え、優れたパフォーマンスを兼ね備えているので、完璧なベースとなり、非常に競争力の高いラリーレイド車両になると確信している」
さらに、JLR(ジャガー・ランドローバー)モータースポーツ担当マネージング・ディレクターであるジェームズ・バークレー氏も、『オクタ』での市販車クラス参戦に際し、その想いを次のように言葉にした。
「『ディフェンダー』のダカール参戦は、非常にエキサイティングな挑戦となるだろう。我々は、ラリーレイドのベースとなる市販車両の未来像を描いてきた」
「そのため、ASO、FIA、そして他のマニュファクチャラーと協力し、ストックカテゴリーの新規定を作成できたことは非常にいい流れとなった。そして今、オフロードモータースポーツ最大の挑戦において、『ディフェンダー』の能力を実証するための適切なプラットフォームとなると思っている」
「2026年のダカールラリーに向けて、入念な準備、テスト、学習にこれからの1年を費やすことになる。チームはすでに本格的に始動しており、ダカールとW2RCの両方への参戦をとても楽しみにしているよ」
バークレー氏の言葉にあるように、すでに『ディフェンダー』の競技テストおよび開発プログラムは順調に進行しているという。そして2026年のダカールラリーおよびW2RC参戦に先駆け、2025年後半にはテストイベントとチーム体制の発表が予定されている。