フェラーリが技術部門の強化を継続するなか、現在マラネロで3年目を迎えるフレデリック・バスール代表は、チームにとって理想的と考えられる体制を整えようと努力を続けている。
先週、経験豊富なエアロダイナミシストのフランク・サンチェスがチーフエアロダイナミシストとしてスクーデリアに加わり、風洞で行われる作業を引き継ぐことが明らかになった。現在サンチェスは、過去3年半勤務したザウバーからガーデニング休暇を取っているが、同チームでもバスールに起用された経緯がある。そのため、バスールがこの同胞のエンジニアの能力に大きな信頼を寄せていることは明らかだ。
数カ月後にジョナサン・ウィートリーがザウバーにチーム代表として加入するまで、マッティア・ビノットがザウバーのスポーツ面と技術面の責任者を務めることを考えると、サンチェスが契約上のガーデニング休暇が終了する前にヒンウィルを離れることは許されないだろう。なぜなら、ビノットはフェラーリから放出されたことを決して受け入れておらず、フェラーリが新しい人材を容易に獲得できるようにはしないからだ。
サンチェスはフェラーリの空力責任者であるディエゴ・トンディの直属となり、新しい仕事を始めるにあたっては2026年型シャシーのプロジェクトに専念する可能性が高い。2026年シーズンからF1に導入されることになる完全に新しいマシンの設計と開発にできるだけ多くのリソースを投資する必要があることを考慮すると、今年のマシンの開発には時間的制限があるからだ。
サンチェスはF1で13年の経験がある。最初は2012年の夏まで約1年間マルシャで仕事をし、その後すぐにスクーデリア・トロロッソに加わって、イギリスのビスターでチームの風洞プログラムに携わった。サンチェスは、バスールの最初のオファーを受け入れてザウバーに移籍するまでレッドブルのジュニアチームに8シーズン在籍し、移籍後も風洞プログラムの責任者となった。
その後マクラーレンから放出されたジェームズ・キーがザウバーに着任した際、サンチェスは何年も前に始まった協力関係を再開させた。しかし今回はバスールがふたたび声をかけ、サンチェスはマラネロへの移籍を受け入れた。彼は夏が始まる前に新しいチームで仕事を始める予定だ。