パドックで火災発生/ポルシェのトラブル原因は調査中/『必要ならば、引き抜き可』etc.【デイトナ24時間水曜Topics】

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2025年01月23日 14:30  AUTOSPORT web

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1月22日に行われた出場全車撮影の様子
 1月19日まで、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の開幕前公式テスト『ロア・ビフォア・ザ・ロレックス』が行われていたアメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイ。第1戦『ロレックス24・アット・デイトナ』(デイトナ24時間レース)のレースウイークの走行開始を翌日に控えた22日水曜日、デイトナのパドックから各種トピックスをお届けする。

■恒例の集合写真は曇天の下で

 今週末の1月25〜26日にかけて決勝が行われるデイトナ24時間レース。水曜日の朝には、参戦する全61台の車両が、集合写真撮影のためフロントストレートに集まった。

 この日、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイは寒く雨に濡れたが、ウェザーテック選手権のチームは翌日の練習走行と予選セッションに向けて、車両に最後の仕上げ作業を行う一日となった。

■キャデラックはまだ不利?

 キャデラックのドライバーのひとりは、公式走行の開始を前に、水曜日にキャデラックVシリーズ.Rに与えられたバランス・オブ・パフォーマンス(BoP)の調整の影響を軽視し、特に2段階の出力調整のうち第1ステージでは、GTPフィールドの他の車両よりも20kW低いパワーのままであると述べた。

 GTPフィールドの他の車両はすべて、現在最大出力の520kWだ。キャデラックはまた、1060kgとGTPの中でもっとも重い車両となっている。

■ポルシェはハイブリッド・トラブル発生

 ポルシェLMDhのファクトリー・ディレクター、ウルス・クラトルは、ロアのラップタイムは「それほど決定的ではない」と語った。

 ポルシェ963では、JDCミラー・モータースポーツの85号車でジャンマリア・ブルーニがマークしたタイムが最速であり、これは首位BMWから0.7秒落ちの6番手だった。

 クラトルは「非常に良い状態にあり、レースウイークエンドに向け充分に準備ができていると感じている。クルマの準備は最終段階にある。レースウイークに向けて多くの準備ができたので、始まるのを楽しみにしている」と述べた。

 なお、ロアの金曜日にペンスキーの7号車ポルシェに発生したハイブリッドシステムの故障は、クラトルによると「我々にとって、新しいこと」だった。

「ハイブリッドパートナーは、まだ問題を調査中だ。レースウイークに向けて恐れることはない。問題を切り分けることはできたが、正確な根本原因は特定されていない」

 クラトルはまた、プロトン・コンペティションとJDCミラーの高電圧関連の問題は、7号車の問題とは無関係であると付け加えた。7号車は、残りのイベントで新しいハイブリッド・パワートレインを搭載してコースに復帰している。

■ポルシェ963のジョーカーは良好

 ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのマネージング・ディレクター、ジョナサン・ディウグイドは今週末に「万が一のことが起きた」場合、ジュリアン・アンドラウアーが事実上チームのリザーブ・ドライバーになることを認めた。

 ディウグイドは、必要があれば、プロトンのライアップからこのフランス人ドライバーを引き抜く権限がペンスキーにはあると示唆している。

 なお、ペンスキーのポルシェ2台と、ウェイン・テイラー・レーシングの40号車キャデラックVシリーズ.Rだけが、3名のドライバー・ラインアップで週末に挑むGTPエントリーである。40号車はアレックス・リンが病欠するまでは、4名体制でエントリーする予定であった。

 ディウグイドは、オフシーズンに963にアップデートを施し、ドイツのメーカーがふたつ目の“エボ・ジョーカー”を投入したことは、マルチマチックをベースシャシーとする車両が変化する状況のなかで役に立つはずだと語った。

「11月にデイトナで初めてテストした。すべてが期待どおりに機能した。重要なのは、さまざまな温度ウインドウや路面状況などに合わせて、クルマの動作ウインドウを広げることだ。24時間レースでどのような体験をするか、本当に楽しみだ」

■NASCARのスターが切望していたデイトナ出場

 Sportscar365は、GTPチームがレース期間中にミシュランのソフト・コンパウンドを使用できる可能性が再び高まると理解しているが、具体的な時間枠と許容量を確認するブルテンはまだ発表されていない。

 ソフトタイヤの使用は木曜のナイトプラクティスで許可され、これはロア・テストの走行中も許可されていた。

 NASCARカップ・シリーズのスター、オースティン・シンドリックは、昨年のIMSAシーズン全体を遠くから見守り、負傷したベン・バーカーの代わりにマルチマチック・モータースポーツの64号車フォード・マスタングGT3に土壇場で招集される前は、デイトナ24時間に参戦する方法を探っていたことを明らかにした。

 シンドリックは次のように語った。

「フォードがGT3カーを発売して以来、僕はフォードの人たちにずっと口うるさく言ってきたんだ。彼らがGTカテゴリーでレースをすることに決めたときは、いろいろな意味で本当に嬉しかった。しかし同時に、個人的には、このレースに出場する機会が大幅に制限された。フォードのドライバーとしては、フォードとライバルの関係になってレースをするつもりはないからだ」

 サポートレースのミシュラン・パイロット・チャレンジにエントリーするプレシジョン・レーシングLAは、ロサンゼルスの山火事の被災者を支援するため、救世軍ロサンゼルス支部と提携している。

 イートン・キャニオン火災基金専用の寄付ウェブサイトが開設され、チームメンバー、ファン、支援者に寄付を呼びかけている。

 ジョン・ファラーノとタワー・モータースポーツは、先週末のロアでの最終セッション7のチェッカーフラッグ後にアクシデントに見舞われたが、明日の公式走行開始に備えている。ファラーノは事故から逃れ、チームのスポークスマンによると、車両に軽微な損傷が生じただけだった。

■火災によりセッションが中断

 水曜日の午後、ウェザーテック選手権のパドックにある給油所に隣接する建物で火災が発生し、フロリダ州デイトナビーチの消防署から複数のトラックが出動して消火に当たった。この火災により、ミシュラン・パイロット・チャレンジの練習走行は一時中断された。

 デイトナ・インターナショナル・スピードウェイは声明で、次のように述べている。

「(水曜日の)午後、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイのイエロー・ガレージ地区で建物火災が発生した。負傷者はおらず、非常に短い遅延の後、コース上の走行は再開された」

「デイトナビーチ消防署とデイトナ・インターナショナル・スピードウェイ緊急サービスチームの迅速な対応のおかげで、火事はすぐに鎮火した。州消防署長が、火災の原因を調査中である」

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