ウイリアムズは、ベテランドライバーのオリバー・ターベイを新たにテスト兼開発ドライバーに任命し、彼がグローブを拠点とするチームに豊富な経験と専門知識をもたらすことを発表した。ケンブリッジ大学を卒業したエンジニアであり、日本でスーパーGTにも参戦した経験を持つターベイは、ウイリアムズの開発プログラムとシミュレーター運用の推進において重要な役割を果たすことになる。
F1、フォーミュラE、耐久レースで15年以上の経験を持つターベイは、グリッドでのランキングを上げることを強く望んでいるウイリアムズに加わり、レースドライバーのアレクサンダー・アルボンとカルロス・サインツの成功への取り組みを補完する。
■ウイリアムズの開発の新時代
ターベイはマクラーレン・レーシングの元テスト兼開発ドライバーで、同チームのタイトル獲得に貢献した。ウイリアムズでのターベイの職務には、今年後半に稼働開始予定の最先端のドライバー・イン・ループ(DIL)シミュレーターの開発が含まれている。この投資は、2026年に予定されている大規模なレギュレーション変更に先立ち、インフラを近代化するチームの長期戦略の要となるものだ。
ウイリアムズのスポーティングディレクターを務めるスべン・スミーツは、ターベイ加入の重要性を主張した。
「オリバーをチームに迎えることができてとてもうれしい」とスミーツは語った。
「彼は豊富な経験と専門知識をもたらしてくれる。チームを全面的に強化し続ける我々が進歩するにあたって、それは非常に貴重なものとなるだろう」
「テスト兼開発ドライバーの役割は、我々がふたたび成功に向かう道のりにおいて極めて重要だ。ハリソン・スコットに加わるオリバーが、現在と将来のマシンを開発する強力なチームを作り上げてくれると確信している」
■ターベイの情熱と野望
権威あるル・マン24時間レースのLMP2クラスに出場して優勝を飾ったこともあるターベイは、チームの伝統と野心が大きな魅力だと述べ、ウイリアムズへの加入に熱意を示した。
「このような歴史を持ち、成功を収めたチームに加わる機会を得られたことは光栄だ」とターベイはコメントした。
「僕は長い間ウイリアムズに敬意を抱いてきた。デイモン・ヒルが彼らと世界タイトルを獲得するのを目にした瞬間は、カートで自分のレースキャリアを始めた僕にインスピレーションを与えた」
「このプロジェクトを推進する野心と決意は信じられないほど感動的なものだ。チームをふたたびトップに導くための今後の挑戦に興奮している」
「F1で最高のドライバーであるアレックスとカルロスのふたりと一緒に仕事ができるのは光栄なことだ」
「ドライバーとエンジニアの両方の経験を活かして、グローブのチームと緊密に協力し、シミュレーターでマシンパフォーマンスを向上させてレースチームをサポートできることを楽しみにしている」
ターベイを起用するというウイリアムズの決定は、競争力を再構築するための幅広い取り組みの一環だ。チームは2024年に躍進を遂げ、F1グリッドの最前線での地位を取り戻すという目標に向けて期待を示した。ターベイが独自に併せ持つエンジニアリングの才覚とレース能力に、アルボンとサインツの才能が合わさることで、ウイリアムズは開発とパフォーマンスにおいて大きな前進を遂げる態勢を整えたように見える。
チームのこの人事は、才能とテクノロジーの活用に新たな焦点を当てていることを示しており、ウイリアムズがこのスポーツの刺激的な未来において重要なプレーヤーであり続けることを保証するものだ。