米映画界で最高の栄誉とされる「第97回アカデミー賞」の各賞の候補作品が現地時間23日に発表され、映像ジャーナリスト・伊藤詩織による初監督映画『Black Box Diaries』が、長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた。日本人監督が同部門にノミネートされるのは史上初となる。
【画像】2017年、日本外国特派員協会で会見を行った時の写真 同映画は、監督自身が被害にあった性的暴行事件への調査を記録した斬新なドキュメンタリー作品。2024年1月にサンダンス映画祭で初上映されて以来、50以上の映画祭で上映され、観客賞や批評家賞など18の賞を受賞。ドキュメンタリー部門のアカデミー賞ともいわれるIDAドキュメンタリー賞では新人監督賞を受賞。伊藤監督は、EU議会や英国国会、国連機関でも講演するなど、国際的に高い評価を受けている。映画は、世界30以上の国と地域での配給が決定している。
「第97回アカデミー賞」授賞式は現地時間3月2日、ハリウッドのドルビー・シアターにて開催される予定。
また、今年2月に行われる「第78回英国アカデミー賞」のドキュメンタリー賞にもノミネートされている。
■伊藤詩織(いとう・しおり)監督プロフィール
1989 年生まれ。映像ジャーナリスト。BBC、アルジャジーラ、エコノミストなど、主に海外メディアで映像ニュースやドキュメンタリーを発信している。2020 年米「TIME」誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出される。性暴力被害についてのノンフィクション『Black Box』(文藝春秋)は本屋大賞ノンフィクション部門にノミネートされた。「第7回自由報道協会賞」では大賞を受賞し、9ヶ国語/地域で翻訳された。2019年には「ニューズウィーク」日本版の「世界が尊敬する日本人100」にも選ばれた。