俳優の松坂桃李が主演を務める、TBS系日曜劇場『御上先生』(毎週日曜 後9:00)。今回は、御上と白熱した対話を繰り広げる隣徳学院3年2組の生徒・神崎拓斗(奥平大兼)の幼馴染・富永蒼を演じる蒔田彩珠にインタビュー。富永は明るく自由で、悩みを抱えるクラスメイトを放っておけない性格。危なっかしい神崎をどこか心配しながらも支える存在だ。日曜劇場初出演への思いや役柄の魅力、さらに物語の見どころについて語ってもらった。
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――日曜劇場に出演にあたっての思いをお聞かせください。
本作の企画書を読んだときに、作品のメッセージを訴える力強さを感じました。だからこそ、撮影現場もきっと厳しいだろうと想像していたのですが、全然そんなことなくて。宮崎陽平監督も飯田和孝プロデューサーも、キャストの皆さんも、明るい方たちばかりです。長丁場の撮影をみんな励まし合いながら日々奮闘しています。1つのものに対して同じ方向を向いて作っていけている感覚がありますね。
――オーディションを振り返ってみていかがですか?
かなり久々のオーディションだったこともあり、ものすごく緊張しましたが、とにかく富永を演じたいという思いをぶつけたので、出演できることになってやはりうれしかったです。日曜劇場枠への出演に、ドラマ好きな母も喜んでくれました。
――富永の役柄の印象や、実際に演じてみて感じたことを教えてください。
明るくハキハキとしていて、今どきの高校生のパワフルさがある役は初めてだったので、イメージ通りに表現できるのか心配でした。撮影では、周りの生徒役の皆さんが想像以上に元気で、私の中の明るさだけだとみんなに負けてしまうことも(笑)。宮崎監督と飯田プロデューサーと役の捉え方をすり合わせをさせていただき、富永のイメージを作っていきました。撮影が始まって2ヶ月くらいなのですが、役にはようやく慣れてきたかなという感じですね。私は富永ほど行動力はないのですが、どんな物事にも口を出したり、アドバイスをしたくなる性格は似ているなと感じています。
――「ストリートファイターII」(対戦型格闘ゲーム)が得意な役柄ですが、練習はされました?
プライベートではあまりゲームをプレイするタイプではないのですが、「ストリートファイター」シリーズにはなぜか惹かれて買って、一時期ハマってプレイしていたこともありました。あまりゲームが得意なタイプではないので、練習をしてちゃんと技が出るようになりました。コマンドって奥深いんですね…! 松坂さんも練習されていたみたいなのですが、お芝居上では私がすごく強い役なので手加減してくれていました(笑)。
――他にも役作りのためにした準備はありますか?
富永の役を掴むため、いろいろな学園ドラマを観ました。なかでも、『ドラゴン桜』シリーズは面白かったです! 教室の雰囲気や先生との関係性を参考にさせていただきながらも、富永のような役柄は前例がないことにも気づきました。まだロールモデルになる人は見つけられていないのですが、少しずつ富永の背景を見せていけるように撮影現場で調整しています。
――富永の制服の着こなしポイントは?
富永は明るいキャラクターですが、優等生で頭の良い子なので、スカートを短くしたり腕をまくったりなど着崩すことはしていません。クランクイン前には、飯田プロデューサーと宮崎監督が29人それぞれの席を回って、キャラクタービジュアルを調整してくださいました。みんなが違う着こなしをしているので、ぜひ注目してみてほしいです。ちなみに個人的にいいなと思っているのは、倉吉由芽(影山優佳)と晴山奈緒(矢吹奈子)の着こなし方。2人ともちょっとスカートが短めで、ブレザーは着ずに腕まくりをしていて。ちょっとギャルっぽいところに憧れています。
■もし御上先生みたいな人に出会ったら?――信頼できる先生がいるからこそ挑戦できる
――松坂さんの印象について教えてください。
共演にあたり松坂さんの出演作品をたくさん観させていただいたのですが、クランクイン前に映画「孤狼の血」を見たということもあって、ちょっと怖いイメージがありました(笑)。でも実際には、撮影現場では生徒1人ひとりに話しかけて、常にニコニコしていらっしゃいます。私たち生徒のことを一番に考えてくれていて、その場の状況を見て、スタッフさんに提案してくださることも。その背中がすごくかっこいいなと思いながら勉強させていただいています。
――2人でお話する機会はありますか?
松坂さんとは教室の外のシーンが多いのですが、そのときにいろいろなお話をしてくださっています。お互いに今まで出演した作品で見てほしい作品を発表し合ったこともありました。松坂さんには『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)をおすすめしてもらったので、さっそく全シリーズ観させてもらいました! 私は映画「星の子」(2020年)を見てほしいとお伝えしました。
――御上先生みたいな教師がいたらどう思いますか?
あくまで想像ですが、御上先生のように生徒1人ひとりの問題に真剣に向き合ってくれる人は実際には少ないのではないかなと。私は学生時代に先生に恵まれていたので、その心強さはよくわかります。信頼できる先生が見守ってくれていたら、チャレンジしてみよう、頑張ろうと思えるんですよね。もし学生時代に御上先生みたいな先生に出会えたらきっとうれしいだろうなと思います。
■クラスの一歩が社会を動かす!3年2組の挑戦が描く希望の物語
――撮影現場はどのような雰囲気ですか?
北村一輝さん(隣徳学院理事長・古代真秀役)や及川光博さん(文部科学省総合教育政策局局長・塚田幸村役)が撮影現場を和ませてくれています。シリアスな展開もあるので、本読みのときにはヒリヒリとした空気感があったのですが、北村さんと及川さんが場を和ませるために冗談を言ってくださって。連続ドラマの出演が初めての方々も安心されていた様子でした。お2人の作り出す空気感にいつも助けていただいています。
――再共演を楽しみにしていた方は?
初めての学園ドラマ出演で本当に緊張していたので、次元賢太役の窪塚愛流くんがいてすごくホッとしました。窪塚くんとは1年半ぶりぐらいの共演なのですが、お互い前回共演したときとは全く違う役柄だったのでちょっと恥ずかしさもありながら、刺激し合って頑張っています。他の生徒役の皆さんとも、長台詞をバトンタッチしながらお互い応援して高め合っています。
――以前、奥平大兼さんの取材で、「プライベートで交流があったから少し不思議な感じがした」と話していました。蒔田さんは共演にあたりどう感じましたか?
奥平さんとはいつか共演したいと思っていて、これまでもたくさんお芝居を見ていたのでついに念願が叶った!という感じです。とはいえ、いざお芝居をするとなると最初は私も少し恥ずかしさがありましたね。富永は神崎の幼馴染ということもあり、会話も他の生徒たちより多いです。ツンツンしている神崎に、ガツガツ話しかけて会話の主導権を握らないといけないのですが、神崎もペースを崩さないので、そのお芝居の応酬も楽しんでいます。
――最後に視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
学園ドラマでは、クラスの数人に焦点が当たることが多いのですが、今回は29人それぞれの人生が垣間見えるような展開になっています。こうやって生徒全員に注目して見られる学園ドラマは珍しいのではないかなと。劇中では、普段見過ごしているようなことや、気にかけているけど自分1人ではどうすることもできない問題に、3年2組が向き合っていきます。1つの学校の、1つのクラスの小さな出来事ですが、それを解決しようとみんなが動くことで、少しでも社会が変わっていくかもしれない。自分が起こす行動で、日本をも変えることができるのかもしれないと思わせてくれる、希望のあるドラマになっていると思います。富永は、御上先生と生徒たちの架け橋のような役割を担っているので、ぜひどんな活躍をするか見守っていただけたらうれしいです!