ドンキの格安SIM「マジモバ」はどれだけお得? 「#今月のおごり」には意外な落とし穴も

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2025年01月24日 11:51  ITmedia Mobile

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マジモバの料金表

 格安SIM「マジモバ」は、ドン・キホーテを運営するPPIH(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)が、2024年9月12日から開始したMVNOサービスです。月3GBで月額770円の安さと、プラン限定で毎月ドン・キホーテで商品がもらえる「#今月のおごり」が話題になりました。


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 そこで今回は「マジモバ」を実際に契約し、料金や通信速度を検証しました。目玉である「#今月のおごり」ももらってみましたが、意外な落とし穴にはまってしまった筆者の体験談もまとめます。(料金は全て税込み)


●マジモバのデータ容量は4種類、3GBで月額770円から MVNOの中では安くない


 まずはマジモバの料金を解説します。スマホ用のプランは月3GB/15GB/25GB/50GBの4つの容量が選べます。月3GBは「驚安プラン」、月15〜50GBは「最驚プラン」という名称です。


 通話料金は30秒あたり21.89円で、10分かけ放題の「かけたい放題ライト」が月額880円、無制限かけ放題の「かけたい放題フル」が月額1980円で付けられます。


 余ったデータ容量は翌月に繰り越され、翌月は繰り越しデータから先に消費できます。容量を使い切った場合は最大速度が200kbpsに制限されますが、1GBあたり550円で容量を追加すれば制限が解除されます。5Gにも対応しており、マイページ上からオン/オフが切り替えらえます。eSIMには非対応です。


 月15GB/25GB/50GBの最驚プランには「#今月のおごり」という特典があり、毎月ドン・キホーテで特定の商品が無料でもらえるクーポンが使えます。


 申し込みはオンラインだけでなく一部のドン・キホーテ内の店舗カウンターでも行えます。記事執筆時点では東京、埼玉、福岡、沖縄で各1店舗ずつ、計4店舗が対象です。


 通話料金はMVNOの中では安くはありません。国内通話はオートプレフィクス付与に対応しているものの、他のMVNOのように通話料金が半額にはならず、通話料金は30秒あたり21.89円です。10分かけ放題の「かけたい放題ライト」の契約者が10分以上の通話をした場合、超過分にも30秒あたり21.89円の通話料金がかかる点に注意してください。


●マジモバは本当に驚安? 他社と料金を比較


 ドン・キホーテといえば価格が安いイメージがありますが、マジモバの料金も安いのでしょうか。各プランの料金を他社と比較してみました。まずは月3GBの比較です。


 マジモバの月額770円も安いのですが、さらに安いのが日本通信です。合理的シンプル290プランは月1GBが290円で、1GBあたり220円で容量を追加できます。3GBなら月額730円で、驚安プランより月40円安く使えます。通話料金や通話定額オプションもマジモバより安いので、安さで選ぶなら日本通信の方がよいでしょう。


 なお、マジモバや日本通信などのMVNOは昼や夕方に速度が遅くなるのがデメリットです。最近は使用に影響が出るほどの低下は少なくなりましたが、一日中安心して使いたいなら月3GBで月額990円のLINEMOベストプランも検討しましょう。通話が多い人は、3GBが月額1078円で、Rakuten Linkを使えば国内通話が無料かけ放題の楽天モバイルもオススメです。


 月15GB/25GB/50GBの最驚プランは、他社に比べると割高です。月15GBの場合、マジモバは月額2508円に対し、IIJmioのギガプランは月額1800円、日本通信は月20GBに5分かけ放題/70分の無料通話がついて月額1390円です。


 月25GBも安くありません。マジモバは月額3278円ですが、この容量帯なら月30GBに5分かけ放題がついて月額2970円のahamoやLINEMO、月33GBと10分かけ放題で月額3278円のUQモバイル「コミコミプラン+」、月額3278円でデータ使い放題と通話かけ放題の楽天モバイルなど、選択肢が豊富です。わざわざマジモバを選ぶメリットはないでしょう。


 同じく月50GBも割高です。マジモバは月額6050円に対し、日本通信は5分かけ放題か70分の無料通話がついて月額2178円と、マジモバの約3分の1です。速度にこだわるなら月110GBと5分かけ放題が使えるahamo大盛りがいいでしょう。


 マジモバは月3GBが月額770円の驚安プランは安いものの、日本通信はさらに安いです。また、15GB/25GB/50GBの最驚プランは他社に比べ割高です。「#今月のおごり」で商品が無料でもらえるのは魅力的ですが、料金の安い他社を選び、商品は普通に購入した方が断然お得です。


●マジモバの通信速度を実際に測定


 格安SIMで最も気になるのが通信速度です。MVNOの多くが昼や夕方に速度が低下します。筆者も以下の条件でマジモバの速度を測定しました。


測定の条件


・測定期間:1月8日(水)〜1月15日(水)


・測定場所:福岡市内の筆者の自宅


・測定端末:AQUOS wish2


・測定アプリ:ドコモスピードテスト


・測定方法:5Gをオフにし、4Gのみで測定


 実際に速度を測定してみると、想定よりも速くて驚きました。昼12時30分を除くと常時数十Mbps出ており、快適に使えます。


 昼12時30分は速度が低下した日もありましたが、最も遅い日でも5.42Mbpsでした。スマホの通信速度は3Mbpsも出ていればYouTubeの高画質動画も詰まらずに視聴できるので、使用にはほぼ影響がないでしょう。


 サービス開始から日が浅く、契約者が少ないこともあるかもしれませんが、想定よりも速くて驚きました。今回は4G通信のみの測定でしたが、5G通信ならさらに速くなる可能性があります。スマホの通信速度はエリアや環境によって異なるので一概にはいえないものの、ヘビーな使い方でなければ1日中問題なく通信できるでしょう。


●#今月のおごりをもらってみた


 マジモバの最大のセールスポイントは#今月のおごりです。マジモバの最驚プラン(月15GB/25GB/50GB)の契約者は、毎月1回、3種類の中から商品が無料でもらえるクーポンが配布されます。


 今回、筆者も実際に#今月のおごりをもらってみましたが、実際にもらうまでに数カ月を要し、つまづいたポイントもありました。


 まず注意が必要なのが、「無料クーポンをもらえるのは前月20日時点でマジモバの対象プランを契約中の人のみ」という点です。2月の#今月のおごりをもらうためには、1月20日までに開通しておく必要があります。


 筆者はそれを知らず、11月分の#今月のおごりを受け取って11月中に記事を作成するために、10月下旬に申し込もうとしていました。マジモバは月途中に契約した場合の初月料金は日割り計算なので、できるだけ月末に契約して10月分の料金を節約しようと考えたのです。


 その後、前月20日までに開通が必要と知ったのが10月20日の開通期限当日でした。近くにマジモバを契約できるドン・キホーテの店舗はなく、マジモバはeSIMも選べないので、20日中の開通はできなくなり、記事執筆を1カ月延期しました。


 トラブルはこれだけでは終わりません。翌月は11月20日までに開通できるよう、余裕をもって11月9日に公式サイトから申し込みをしました。ところが、3日たっても1週間たってもSIMカードが届きません。不審に思って公式サイトを見ると、SIMの発送が遅延しており、最大1カ月程度かかると分かりました。結局11月20日には届かず、12月分の「#今月のおごり」にも間に合いませんでした。12月9日になってようやくSIMカードが発送され、#今月のおごりがもらえるのは最短で2025年1月分からになりました。


 ようやくSIMが届きましたが、#今月のおごりのクーポンをもらうためにはいくつか事前手続きが必要です。まず、SIMカードが届いたらドン・キホーテの「majica」アプリとマジモバの連携が必要です。この際、複数のSIMを利用している人は「マジモバの電話番号」と「現在利用中の電話番号」を分けて入力する必要があります。この点が少々分かりづらかったため、連携ガイドをしっかり読んで登録してください。


 連携完了後、月末になると翌月にもらえる商品をどれにするか、「ドンペンのおごり」「アピタンのおごり」「ド情ちゃんのおごり」の3種類から選択できるようになります。2025年1月の#今月のおごりの場合、選択期間は2024年12月27日〜2025年1月5日でした。筆者はドンペンのおごりの「ロッテ チョコパイ パーティーパック」を選択しました。この期間に選択しない場合、もらえる商品は自動的に「ドンペンのおごり」になるので注意してください。


 実際に#今月のおごりクーポンが利用できるのは2025年1月10日からでした。早速、オフィス近くのドン・キホーテへ行きました。対象商品はレジ横にまとめられていたり特設コーナーがあるわけではないので、ユーザー自身で探さなければなりません。棚から商品をピックアップし、レジに並びます。


 会計前にはクーポンの利用手続きが必要です。クーポンはmajicaアプリのクーポン一覧の「無料」タブにあります。ただ、これを選択してもクーポン画面やバーコードが表示されるわけではありません。事前にクーポンを利用できる状態にしたうえで、レジでmajicaアプリの会員証を提示し、該当商品を購入すると自動で無料になる、という仕組みです。


 大手コンビニのクーポンはクーポン用のバーコードを読み取ってもらうのが一般的ですが、#今月のおごりはクーポンのバーコードはありません。アプリ上でクーポン利用をONにしたうえで、majica会員証のバーコードを読み込んでもらうと、買った商品が無料になる、という仕組みなので注意してください。


 また、クーポンのを使う場合、実際に引き換える店舗を選択しておく必要があります。クーポン画面に表示されている店舗と実際に使う店舗が異なる場合は無料にならず、通常価格で購入することになるので注意が必要です。筆者は別店舗に設定していたため無料になっておらず、店員さんのご厚意で再度手続きしてもらいました。


 ちなみに、筆者が#今月のおごりでもらった「ロッテ チョコパイ パーティーパック」の通常価格は税別419円(税込み460.9円)でした。ただし、例えば日本通信なら月20GBで月額1390円と、料金はマジモバより月1118円も安いです。#今月のおごりがもらえる15GB以上のプランはどれも割高なので、#今月のおごりに釣られて契約するのはオススメしません。一方、今回測定した限り、通信品質の高さはMVNOの中では魅力といえます。


 以上、マジモバの料金や速度の解説でした。マジモバを契約するなら月3GBで月額770円の驚安プランがオススメですが、日本通信のようにさらに安いキャリアもあります。一方、月15GB/25GB/50GBの最驚プランは割高なのでオススメしません。安さにこだわるなら、#今月のおごりに釣られて契約しないようにしましょう。


著者プロフィール


シムラボ


 「シムラボ」は、スマホ料金や端末に関するお役立ち情報を発信する個人サイトです。Y!mobileに乗り換えたことをきっかけに格安SIMのよさに気付き、今では主要な格安SIMは全て契約してレビューしています。モットーは「自分に合うものを、より安く」。


・Twitter(現X):@simlabo_jp


・サイト:https://www.simlabo.jp/



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