1月24日(金)、2025年WRC世界ラリー選手権の第1戦『ラリー・モンテカルロ』のデイ2はスペシャルステージ4から9の走行が行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)からは4台のトヨタGRヤリス・ラリー1が出走。若手育成を担うTGR-WRT2からも1台が出走し、合計5台が最高峰クラスを戦っている。
TGR-WRTからは、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車/総合2番手)、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車/総合首位)、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車/総合4番手)がマニュファクチャラー登録選手として出場し、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車/総合6番手)が4台目出走。TGR-WRT2が走らせる5台目にはサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車/総合7番手)が乗り込んだ。
前日、3本のナイトステージで戦いの火蓋が切って落とされたラリー・モンテカルロは、いよいよフルデイでの戦いがスタート。デイ2として、フランス・ギャップに置かれたサービスパークの東側と北側の山岳地帯で3本のステージを各2回走行する、6本合計107.34kmが予定されていた。
しかし、午前中のSS5がキャンセルされたことにより、合計90.66kmのステージで競われることに。朝から青空が広がったデイ2は、早朝サービスパークの気温は2度前後となり、山岳地帯の道はドライもしくは湿り気を帯びたコンディションとなったが、一部は泥や霜で覆われた路面、凍結した路面もあり、タイヤ選択はドライバーごとに分かれるスタートとなった。
デイ1最後のSS3でベストタイムを記録し、首位ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)とわずか2.0秒差の総合2番手につけたエバンスは、デイ2オープニングのSS4でヌービルが大きく遅れたことで、首位にポジションアップ。キャンセルされたSS5を経て行なわれたSS6では、オジエがクルマの姿勢を瞬間的に乱しながらも3番手タイムを記録し、首位エバンスと1.5秒差の総合2位に順位を上げた。
ギャップでのミッドデイサービスを挟んで始まった午後の再走ステージでは、SS7でエバンスがベストタイムを記録し、オジエとの差を7.9秒に拡大。しかし、続くSS8でエバンスはアイスバーンの広がる区域でハーフスピンを喫して遅れてしまった。その結果、このステージの近くが故郷であるオジエが総合首位に立った。
そして迎えたデイ2最終のSS9もオジエは最速で駆け抜け、エバンスとの差を12.6秒に拡げてデイ2を締めくくっている。
一方、デイ1で思うようにタイムが伸びず、首位と43.9秒差の総合6番手につけていたロバンペラは、デイ2最初のSS4でベストタイムを記録。以降も2番手タイムを出すなど調子を上げ、総合4番手まで順位を挽回した。
また、勝田は午後の再走ステージで4〜6番手タイムを安定して刻み、デイ1からふたつ順位を上げ総合6番手。そしてTGR-WRT2のトヨタGRヤリス・ラリー1に乗るパヤリは、SS4で3番手タイムを記録。総合7番手にポジションを上げてデイ2を走破している。
チームがワン・ツー体制を築いたデイ2について、ヤリ-マティ・ラトバラ代表は、「リードし、3台がトップ4に入っていることは喜ぶべきだろう」とクルーの活躍を讃える。
「難しいコンディションと、ドライバーたちがまだ理解を深めようとしている最中の新しいタイヤという要素により、ドラマチックな一日になった」
「セブ(セバスチャン・オジエの愛称)は昨晩のミスに少し苛立っており、今日も最高の気分でラリーをスタートすることができなかったかもしれないが、午後には本来の力を取り戻し、とくに路面にアイスが多くあったループの2本目では自信を持ってプッシュしていたように思う」
「ただ、2番手のエルフィン(・エバンス)と3番手アドリアン(・フルモー/ヒョンデ)のタイムは接近しており、明日もエキサイティングな展開になるはずだ」
「また、カッレ(・ロバンペラ)と(勝田)貴元もフィーリングが改善されてきている様子で、サミ(・パヤリ)は彼の今大会の主目標に従って経験値を着実に高めているところだ」
明日のデイ3はSS10からSS15までの全6本を予定。スペシャルステージの総走行距離は131.40km、リエゾン(公道区間)も含めた総距離は483.65kmだ。