1月24日(金)、2025年WRC世界ラリー選手権の第1戦『ラリー・モンテカルロ』のデイ2ではスペシャルステージ4から9の走行が行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に立っている。TGR-WRTのレギュラーである日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合7番手で大会2日日を終えた。
そんなデイ2を終えた各陣営より、ドライバーたちのコメントが届いている。
■Mスポーツ・フォードWRT
●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ2総合6番手
「正しいタイヤ選択だったかどうかはわからないが、いくつかのセクションでは問題はなかった。ここでは本当にプッシュしようとしたよ。グラベルクルーからはスタッドなしでもいけるかもしれないという情報をもらっていたが、全員がスタッドを選んでいた。少なくとも2本は必要だと思う。少し厳しいときもあったので、4本あったほうがよかったのかもしれないね」(SS4)
「ここはクレイジーだったよ。1、2回かなりプッシュした瞬間があったが、本当に限界に近かったよ。午前中は、選んだタイヤで走り続ける必要がある。僕たちはチームと一緒に選んだけれど、午前中は本当にストレスが多かったのも事実だ。それでも、グラベルクルーは良い仕事をしたと言いたい。本当に氷が多かったんだ」(SS6)
「まっすぐな上り坂を走っていたら、突然タイヤの空気圧がなくなった。端のいたるところに雪が積もっていてショートカットもできないし、何も当たっていないと思うのだけれど」(SS8)
●ジョシュ・マッカーリーン(#55 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ2総合12番手
「驚くほど順調だった。ノートクルーからの情報をもらってから、だいぶクリアになったので大丈夫だった。日光の下で滑っているのは楽しいものだよ。僕たちはかなり後方にいるから、みんなが(タイヤを)どう使っているのかもわかる気がするよ」(SS4)
「僕たちは、前で走ったクルマたちのドラマをすべて見てきたんだ。出走順1番で走るのは難しいだろうし、情報を得ることができてよかったよ。今日の午後も引き続きプレッシャーをかけていけるよう願っている。乾いている場所もあれば、滑りやすくなっている場所もあるから、(ルートノートクルーの)仕事はなかなか厳しいものだと思うよ」(SS6)
「今日は、あらゆることが初めてだった! 大きな挑戦だったが、乗り越えられてよかった。最初はいくつか失敗したが、良い学びになったんだ。毎日モンテカルロに来て練習できるわけではないので、この週末はとても楽しいよ」(SS8)
■ヒョンデ・シェル・モービスWRT
●ティエリー・ヌービル(#1 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合9番手
「今日は忘れたい1日だった。午前中はミスを犯し、スタッドタイヤでのブレーキングの判断を誤った。今日の午後の目標は、午後に少しでもタイムを取り戻せるか、そしてひとつかふたつポジションを取り戻せるかどうかを確認することだったが、残念ながら同じステージの3km地点でパンクしてしまった」
「僕たちはこれらのタイヤについてよくわかっていないが、パンクしたまま走行を続けることに決めた。午前中のひとつのミスにはがっかりしたが、パンクは誰にでも起こり得ることだ」
「あと、この日のために一晩でいくつかの変更を加えたが、1日を通して必要な自信が持てなかった。木曜の夜に使用したセットアップに戻し、より快適に感じられるか確認するつもりだ」
●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合5番手
「厳しい1日だった。コンディションが何度も変わり、最初のループから2番目のループまででさえ、コンディションがまったくわからなかった」
「今日は乾いたターマックからブラックアイスバーンまで、おおよそあらゆるものを見てきた。同じステージでもグリップレベルに大きな差があったので、結局は得た情報を信じて挑戦するしかなかったんだ。だから、今日の午後はリズムに乗るのに少し苦労したよ」
「あと、最後のステージの前にマシンのセッティングを調整したら、その後は動作が少し良くなった。これからはもっと速いリズムに戻る必要がある。明日何が起こるか見極める必要があるが、何が僕たちを待ち構えているのかはまだわからないね」
●アドリアン・フルモー(#16 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合3番手
「本当に良い1日だった。タイヤに関してはミスがなかったし、ペースも本当に良くて暫定順位で総合3番手に入ることができた。まだ長いラリーが残っているが、僕たちはこれまでに達成したことに本当に満足している」
「ドライバー全員がここで勝ちたいと思っているだろうが、今回の僕の目標ではない。でも、このペースを維持して、自分たちがどこにつけるかを見ていくよ」
「チームとしては、今日はとても残念な結果だったが、僕たちにとってはポジティブだったので、今後どうなるかわかるようになるだろう。明日は新たな挑戦となるが、良いペースを維持できると確信している。ラリー・モンテカルロでは不可能なことは何もない」
■TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合2番手
「今日もまたトリッキーなコンディションだった。今朝最初のステージはクルマが走るたびにコンディションが変わり、ループの最後のステージは太陽が照りつけ、ペースノートにマークしていたアイスがとけてしまったので、判断が難しかったんだ」
「午後はまずまずのスタートになったが、ループの2本目のステージで、完全にアイスに覆われたコーナーでスピンを喫し首位の座を失ってしまった。最後のステージでもさらに少し遅れたが、大きな差ではないと思う。勝負はこれからだ」
●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合4番手
「自分たちにとっては、とくにドラマのないクリーンな一日になったが、全体的にスピードが足りていなかったように思う。朝はトリッキーなコンディションだったにも関わらず、うまく行ったのは良かった」
「スノータイヤやスタッドタイヤを履いているときのペースは良いように思うが、路面がクリーンになり、スリックタイヤを履くような状況では、ペースをさらに改善する必要がある。明日は路面がもう少し乾きそうなので、スピードをさらに上げられることを期待しているよ」
●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合首位
「13秒の遅れを、12秒のリードに変えることができたので、ポジティブな一日だったと言うべきだが、すべてが完璧だったわけではなかった」
「午前中はリズムをつかむことに苦労し、午後の最初のステージでも限界までは攻めきれていなかったんだ。しかし、最後の2本のステージでリズムをつかむことができたし、とくに、家族や友人など多くの人々が見守るなか、自分にとってのホームステージで勝てたことを嬉しく思う」
「それでも、まだ気を緩めるわけにはいかないだろう。まだまだ長い道のりが残っているので、明日もこの調子を保ち続けたいね」
●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合7番手
「午前中はペースノートに記された情報を追うことに苦労しましたが、午後はだいぶ良くなりました」
「ルートノートクルーは朝早くステージを走行したので、その時点ではブラックアイスや霜に覆われた路面が多くあったはずです。しかし、自分たちがステージを走る頃には一部が溶けていたので、どの程度グリップが期待できそうなのか分かりませんでした」
「午後は少し楽になり、泥が出ていたり、凍結しているコーナーがいくつかあるだけでした。まだまだ興味深い日々が続くので、とにかく落ち着いてラリーに臨みたいと思います」
■TGR-WRT2
●サミ・パヤリ(#5 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合8番手
「本当にトリッキーな一日だったよ。いくつかのステージは本当に素晴らしく、区間タイムも良好だった。また、経験を増やすため異なるタイヤをいくつか組み合わせて走ったりもしたんだ」
「改善できる部分はたくさんあるが、まずはクリーンに走り、自信と知識を少しずつ増やしていってからペースを上げていきたいと考えている」
「もう少し速く走りたい気持ちはあるけれど、すべて計画通りに進んでいるんだ。明日はコンディションが少し簡単になるかもしれないが、実際には朝にならないと分からないね」