IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のベテラン、セバスチャン・ブルデーは、デイトナで開幕する2025年シーズンの「もっとも難しい」レースのひとつを前に、LMP2マシンへの適応は「簡単ではない」と語った。
先代のDPiと現行GTPマシンの両方で、トップクラスのレースに5シーズン連続で参加したブルデーは、並行参戦するWECではキャデラック・ハーツ・チーム・JOTAのキャデラックVシリーズ.Rをドライブするが、一方の北米耐久シリーズではタワー・モータースポーツのLMP2をシェアすることとなっている。
なお、キャデラックのファクトリードライバーであるブルデーがLMP2マシンでウェザーテック選手権をスタートするのは、今回が初めてだ。これまでのところ、彼にとってベクター・スポーツでの2022年のWECキャンペーンが、LMP2カテゴリーでの唯一のレースとなっている。
「簡単ではないね」とブルデーはSportscar365に語った。「デイトナで良い走りができるクルマについて、僕の知識は非常に限られている。だから、自分が感じたことを指摘して、解決策を見つけられるかどうかを試しているところだ」
「これはいつも同じことだ。自分の能力を最大限に発揮してクルマを分析し、修正できるものは何でも修正しようとする。そしてレースのために最善の推測をして、そこからほぼ対処していくだけだ」
「楽しいチャレンジだよ。僕は他の人と同じくらい競争心が強いから、競争できる場所にいなければ楽しく感じない。僕たちは引き続き取り組んでいくつもりだ」
ブルデーはオレカ07・ギブソンでスピードを上げていくことが、デイトナではとくに難しいと指摘した。これは、従来からトップスピードを上げるために求められているロードラッグのクルマのセットアップと、IMSAが義務付けているフロント・ダイブプレーンのバランスを考慮したときに困難をともなうという。
「難しいトラックだ」と彼は言う。「ダウンフォースレベルが低くなるようにしようとする一方で、ダイブプレーンを維持することも義務付けられているから……もっとも難しいコースだ」
「フロントへのセンタープレッシャーがかなり大きいので、機械的にバランスを取るためにできる限りのことをしようとしているが、グリップが低いので難しい。本当に簡単ではないんだ。この点で、僕にとってはもっとも楽しいレースではないように思う。素晴らしいレースだが、バランスを取るのがいつも難しいんだ」
「セブリングの方がずっと楽しめると思うし、残りのシーズンはデイトナよりもずっと楽しめるはずだ」
しかしブルデーの目標は、ジョン・ファラノがオーナーを務め、リッキー・カポネ率いるチームで、日曜日に3度目のクラス優勝を果たすことにある。彼は2014年にアクション・エクスプレス・レーシングで総合優勝を飾り、2017年にはチップ・ガナッシ・レーシングでGTLMクラス優勝を果たしている。
「ジョン(・ラファノ)の目標は、このレースに勝ってロレックス(の時計)を手に入れることだ」とブルデー。「だから、僕たちはそれを達成しようと努力している」
「素晴らしいメンバーが集まっている。メカニックは素晴らしいし、リックは本当に優秀なチームを率いている。それでもセットアップが必要な場所になければ、すぐに勝負は厳しくなる」
「まだやるべきことはたくさんある。バランス的には少しは良くなっていると思うが、パフォーマンスの面では目標に達していない」
「非常に厳しいフィールドだ。多くの優れたチーム、優れたクルマ、そして長い間このレースを戦ってきた人たちがいて、クルマとドライバーの間には非常に強力なパッケージがある。だからこそ、集中して臨まなければならない。そうしないと、簡単にやられてしまう」
「すべての準備が終わってレースに出たときに、この船がどこにたどり着くのかを見るのは興味深いことだと思うよ」