俳優の山下リオ(32)が25日、都内で行われた映画『雪子 a.k.a.』初日舞台あいさつに登壇。本作への思いを語った。
【写真】キュートなしぐさで手を振る樋口日奈&山下リオ 本作の草場尚也監督は山下へのオファーについて、山下が30歳のタイミングで事務所から独立したというニュースを見たときに決心したという。山下は「独立したてで、詐欺だったらどうしようと思って。『熱ないと無理っすよ』って監督に無駄に発破掛けちゃって」と当時を振り返り、笑顔で話した。
本作の印象的なシーンを聞かれると、最後のラップシーンを挙げ、「台本には“ラップする”としか書いてなくて、『えっ!何するの?』って。そこから練習しすぎても、生の感じが出ないねってことで、ぶっつけ本番みたいな感じでやってみようって。3テイク撮ったんですけど、(共演者たちと)ラップを通して心がつながる感じがして、じーんとしました」と達成感をにじませた。
最後に「私にとって30歳の節目で、主演自体も10年振りくらいだったんですけど、全力で、命をかけて参加した作品だなと心の底から思っています。温かい作品になったと思います」と思いを伝えた。
本作は、記号のように過ぎていく29歳の毎日に、漠然とした不安を感じている小学校教師の雪子(山下)の物語。不登校児とのコミュニケーションも、彼氏からのプロポーズにも本音を口にすることを避け、きちんと答えが出せずにいる。ラップをしている時だけは本音が言えていると思っていたが、思いがけず参加したラップバトルでそれを否定され、立ち尽くしてしまった。いい先生、いいラッパー、いい彼女に…なりたい?と自問自答しながら誕生日を迎えた。でも現実は、30歳になったところで何も変わらない自分でしかない。それでも自分と向き合うために一歩前へ進んだ彼女が掴んだものとは。
舞台あいさつには、樋口日奈、占部房子も登壇した。