白血病患者への骨髄移植を支援する全国骨髄バンク推進連絡協議会(東京都千代田区)の基金による助成総額が25日までに1億円を超えた。基金は今年設立30年の節目を迎えており、協議会は支援充実に向けクラウドファンディング(CF)で資金を募っている。
基金は寄付者の名前にちなんだ「佐藤きち子記念 造血細胞移植患者支援基金」(きち子基金)で1995年9月に設立された。協議会によると、骨髄移植は移植実施の月だけで自己負担が30万円以上必要なケースもあり、金銭的負担が大きい。基金の対象は骨髄移植を希望し経済的に困窮する患者で、条件が合えば最大30万円が助成される。これまでに延べ380人超が助成を受け、総額は1億円を超えた。
基金は設立以来、資金不足のため3回の申請受け付け休止を余儀なくされた。新型コロナ禍では企業からの寄付が激減して枯渇の危機を迎えたが、CFなどにより乗り切った。
その後、助成は順調に推移しており、2023年度は20件で約441万円、24年度は今月中旬時点で21件約373万円に上る。
物価高騰が進む中、申請は今後も増えると予想される。協議会によると、基金は現在、残高にやや余裕があるものの、支援を継続・充実させるため20日にCFを開始した。梅田正造理事長は「きち子基金は患者や家族に安心して治療に専念してもらうのが目的だ。設立30年の節目を迎え、さらなる周知を図りたい」と話す。
CFの目標額は300万円で3月31日まで続ける。URLはhttps://readyfor.jp/projects/kichiko2
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