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【写真】金髪にヒゲ姿も! いつの時代もメロい綾野剛、フォトギャラリー
『コウノドリ』菩薩の笑顔で妊婦と赤ちゃんを救う医師
切れ長のクールな目線が特徴的な綾野剛が、めちゃめちゃ優しい笑顔を見せてくれるのが、2015年に放送されたドラマ『コウノドリ』(TBS系)で演じた産婦人科医、鴻鳥サクラだ。
サクラのもとを訪れる妊婦とその家族のストーリーを描く本作。温厚で優しくひょうひょうとしつつ、患者のことを一番に考えるがゆえに時に厳しい言葉も放つサクラ。同僚や患者からは頼られつつも、急なお産の対応をする間に大好きなカップ焼きそばを同僚に食べられてしまうなどどこか情けない一面もある。原作コミックを読了している筆者から見ても、綾野によるサクラはほぼ“本人”といっていいと感じる再現度だった。
サクラといえば、医師のかたわら正体を隠しながらジャズピアニストとしても活動している。実は綾野は本作で、自らピアノを弾いている。まったくの素人だった綾野だが、作中では大人気ピアニストという設定に何らそん色のない音色を披露。綾野は出演が決まってから、本作の楽曲を担当したピアニストの清塚信也による指導の下猛練習を重ね、あのサクラの感情や物語を表すような美しいピアノ演奏を習得したというから驚きだ。
『MIU404』笑顔がかわいすぎる“犬系”刑事
サクラよりもさらにニッコニコな綾野剛が見られるのが、2020年に放送されたドラマ『MIU404』(TBS系)。本作で綾野が演じた刑事、伊吹藍は、サクラのような優しく包み込む笑顔とはまた違う人懐っこい“犬”的な笑顔と、ピカイチな機動力が特徴的な“野生のバカ”(相棒・志摩一未談)だ。
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綾野が演じた伊吹は、彼に関わった警察関係者からはことごとく評判が悪い“問題児”。いつも明るく、所属する「第4機動捜査隊」での仕事を「誰かが最悪の事態になる前に止められる超いい仕事」と語る前向きな男だが、その育ちは貧しく、かつてはグレており何度も補導されていた過去を持つ。そんな、明るさの奥にくすぶる過去まで綾野は見事に表現した。放送から4年半が経つ今も多くの人から愛される伊吹。昨年、本作と同じ世界線の映画『ラストマイル』が公開され、伊吹と志摩が久々に登場してファンを喜ばせた。
『ヤクザと家族』“裏”綾野剛ここにあり 3つの時代生きたヤクザを演じ切る
産婦人科医、刑事と紹介したが、綾野剛を語るうえで外せないのが“裏社会の住人”役。『闇金ウシジマくん』シリーズでは裏の情報屋、『新宿スワン』シリーズでは夜の蝶たちのスカウト、最近では『地面師たち』(Netflix)での詐欺師役や、映画『カラオケ行こ!』での関西弁のヤクザ役も記憶に新しいが、ここでは綾野が2021年に主演を務めた映画『ヤクザと家族 The Family』を取り上げたい。
藤井道人が監督を務めた本作。山本賢治という1人の青年がヤクザの世界に足を踏み入れた1999年、組織の中で立場を強めていく山本がある事件を起こす2005年、服役を終えた山本がすっかりヤクザの居場所などなくなった社会に戻ってくる2019年という、3つの時代を描く。
まだヤクザになる前の1999年の山本はどこか“空っぽ”な雰囲気をまとっているが、ヤクザという“居場所”を得た2005年の彼は一本の筋が体を通っているよう。そしてもうヤクザでいられなくなってしまう2019年には、枯草のような寂しさやもの悲しさ、そして新たな家族への複雑な愛が足される。本作こそ、綾野剛の“幅”を存分に堪能できる映画だと筆者は思う。
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