ニック・タンディは、ル・マン、デイトナ、ニュルブルクリンク、スパの24時間レースすべてをポルシェのマシンで総合優勝し、いわゆる『耐久レースのグランドスラム』を達成した最初のドライバーになったことを「とても特別な気分」だと語った。
1月26日にフィニッシュを迎えたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第1戦デイトナ24時間レースにおいてタンディは、フェリペ・ナッセ、ローレンス・ファントールと7号車ポルシェ963をドライブし、ポルシェに20回目の総合優勝をもたらした。
2015年に919ハイブリッドのル・マン初優勝をもたらしたこの40歳の英国人ドライバーは、2018年にはマンタイ・ポルシェ911 GT3 Rでニュルブルクリンク24時間レースで優勝の栄誉を獲得し、その後2020年にはローヴェ・レーシングのポルシェをドライブしてスパ24時間レースで劇的な勝利を収めた。
デイトナは、2014年にGTLMクラスで優勝したにもかかわらず、長年ポルシェのファクトリードライバーを務めてきたタンディが、これまで唯一総合優勝を達成できていない24時間レースだった。
「何かを成し遂げた最初の人になるというのは、本当に信じられないことだ」と、タンディは語っている。
「まず第一に、このようなレースに出場できる立場に置かれたことを誇りに思うべきだと思う。そして、勝利を争えるクルマに乗っているのだ」
「ローレンス(・ファントール)がスパで優勝したとき、誰かが『これで4大レースすべてでクラス優勝したんだね』と言うまで、こうした記録やそのようなものについてはまったく意識したことがなかった」
「そして調べてみると、他にもさまざまな勝利を収めた伝説的な名前がリストに載っているのがわかるけど、4大レースすべてで総合優勝した人はいなかった。クラス優勝はあるけどね」
「おそらく2020年のあの日(スパ24時間)以来、僕が絶対に(達成したいこと)リストから消したいと思っていたことだ」
タンディの功績は、セブリング12時間レースでのGTLMクラス3勝と、雨で短縮されたプチ・ル・マンでのポルシェ911 RSRでの総合優勝に加えて達成されたものだ。
「デイトナで優勝することは、単独のイベントとしてとにかく大きなことだ」とタンディ。
「誤解しないでほしい。再びここに座ることができて、とても誇りに思っている。もちろん総合優勝は特別なことだ」
「偉大な24時間レースで4勝を挙げるなんて、それだけでも素晴らしいキャリアになるけど、その4勝に加えてセブリングやプチ(・ル・マン)で数回優勝できたなんて、夢が叶ったようなものだよ」