自民党は27日、政治改革本部などの合同会議を党本部で開き、企業・団体献金を存続させた上で透明性向上を図る政治資金規正法改正案を了承した。政党ごとに(1)献金総額(2)年間1000万円以上寄付した企業・団体の名称や献金額―を総務相が毎年3月末までに公表するのが柱。立憲民主党などが検討する企業・団体献金禁止法案の対案と位置付け、月内にも単独で国会に提出する方針だ。
企業・団体には労働組合などを含む。政党に対する企業・団体献金は政党本部だけでなく関連政治団体に対しても認められ、全体像がつかみにくいため、総務相は「政党本部」、政党の「政治資金団体」、党所属国会議員の「国会議員関係政治団体」への献金額を政党ごとに集計して公表する。
自民は当初、企業名などを公開する基準額を1000万円「超」としていたが、公開性を高める必要があるとして「以上」に改めた。一方、当初案で集計対象としていた「政党支部」は削除した。野党から「抜け穴」と批判が出る可能性もある。
改正案には法人や団体による寄付や政治資金パーティー券購入について「構成員の意思が尊重されるよう必要な配慮がなされなければならない」などの理念規定も盛り込んだ。労組から支援を受ける立民をけん制する狙いがありそうだ。
企業・団体献金の扱いを巡り、自民、立民両党は3月末までに結論を得ることで合意している。
自民党の政治資金規正法改正案について記者団に説明する同党の小泉進次郎政治改革本部事務局長=27日午後、東京・永田町の同党本部