『バニラな毎日』木戸大聖、SUPERBEAVER渋谷龍太に学ぶ　「挑戦したことがない役どころに魅力」【コメント】

　俳優の蓮佛美沙子が主演を務めるNHK夜ドラ『バニラな毎日』（総合、月〜木　後10：45ほか）の第5話が、きょう27日に放送されるのに先立って、出演する木戸大聖のインタビューが公開された。

【場面カット】エプロン姿でケーキ作りに参加する木戸大聖

　原作は賀十つばさ氏の同名小説。こだわりの洋菓子店の経営がうまくいかず、店を閉めることになった白井葵（蓮佛）。そこに現れたクセの強い料理研究家・佐渡谷真奈美（永作博美）から持ちかけられたのは、「お菓子教室」。大阪の小さな洋菓子店の厨房で開かれるお菓子教室にやってくる、さまざまな生徒とのふれ合いを描く。五感を刺激するお菓子の魔法が、孤独な人たちの心の渇きを癒やすスイーツ・ヒューマンドラマとなっている。

　第5話に出演する木戸は、数年前まで、大人気バンドのボーカルとして活躍していた金髪のロックミュージシャン・秋山静を演じる。美しいチョコレートケーキ「オペラ」を作りたいとお菓子教室に現れ、白井のお菓子作りへのまっすぐな思いを知り、たびたび姿を現すようになる…という役どころだ。

【コメント】
――『バニラな毎日』に出演が決まったときの気持ちは？
バンドのボーカル役に不安もありましたが、視聴者の方々や応援してくださっている方々に作品の数だけ自分の新しいイメージを届けたいと思っているので、今まで挑戦したことがない役どころに魅力を感じました。また、主人公である白井さんや、お菓子教室にやってくる人がほっとして救われていくというストーリーをどう描くのかにも興味があり、静という役を通して、ぜひ自分も関わりたいと思いました。

――自身の役どころについて
静は一見、あっけらかんとしていて明るいのですが、すごく自分を客観視していて「アーティストである自分を見せなくては」と、あえて、よろいを着ているような人物です。ドラマに登場するタイミングでは、バンド活動休止中で、本当に孤独な戦いをしています。それが、白井さんや佐渡谷さん（永作）との関わりによって少しずつ変化し、よろいを脱いでもいいんだと気付いていく。そのままの自分でいいんだと認めたときに出る静の素のキュートな部分が、とても魅力的だなと台本を読んでいて感じました。アーティスト業と僕自身の役者業は、表現者という部分で似ているところがありますが、自身で、曲を作るアーティストの方はその評価を自分1人で受け止めなくてはいけないという点が、チームで作品作りをしている役者とは違うところです。アーティストとしての気持ちは、今回、主題歌をご担当されているSUPERBEAVERの渋谷龍太さんがバンドのデビューから挫折と復活までの軌跡を書いた本を読んで役の参考にさせていただいています。

――白井さんと佐渡谷さんは静にとってどんな存在でしょうか？
まずはお菓子を作るということに全力を注いでいる白井さんのその姿にひかれたんじゃないでしょうか。お菓子に人生を賭けて、トライしている白井さんが静からは同志のように見え、自分もその思いで歌に向き合っているというところでひかれたのだと思います。佐渡谷さんはド直球の言葉を投げかけてくる人なので、静も本音で返せるんでしょうね。これまでの音楽活動で大人からのプレッシャーに押しつぶされ、大人の言葉を素直に信じられないところが、彼にはあったのですが、佐渡谷さんは本当に自分の核となる部分を言ってくれるんです。僕自身、白井さん役の蓮佛さんと佐渡谷さん役の永作さんには、お芝居で助けられていた部分がすごくあり、実際、現場入ってみてからの方が静に近寄れた感覚があります。お二人のおかげで静のキャラクターがつかみやすかったです。

――大阪ことばについて
難しかったです！芝居する脳と方言を考える脳の2つを使っている感覚があり、本番中はなるべく芝居に集中していたのですが、やっぱり方言も間違えられないので、すごく苦労しました。でも、いつかは方言に挑戦してみたいと思っていたので、いい経験ができたと思います。大阪ことば指導の先生が、セリフを録音してくださるので、方言とセリフを同時に覚えられるのがおもしろかったですね。僕は普段、セリフを文字で覚えたり、自分で録音して聞いたりして覚えるのですが、先生がすでに録音してくださっているので助かりました。

――視聴者の皆様へのメッセージと前半の見どころ
アーティストだからといって、静の抱えている悩みは特別なものかというと、そうではありません。「人にこう見られたい」「こう見られてるから、こうしていなきゃ」と取り繕って自分の首を絞めてしまうことや、生きづらさを感じて苦しくなってしまうことは誰しもあると僕は思っていて、視聴者の皆さんにも静に共感していただけるのではないでしょうか。このドラマに出てくるお菓子やケーキ、そして、歌は生きていく中でちょっとしたことかもしれませんが、気持ちを救ってくれたり、悩みを忘れさせてくれたりすると思います。そんな目線で皆さんにも、自分を思い返しながら見ていただけたら、そしてご覧になったあとには食べたいケーキを食べたり、好きな曲を聞いたりして楽しんでいただけたらうれしいです。また、3月放送の第7週で、静の新曲としてSUPER BEAVERさんに書き下ろしてもらったバラードを歌うシーンがありますので、楽しみにしていてください。