【モデルプレス=2025/01/27】TBS系火曜ドラマ「まどか26歳、研修医やってます!」(毎週火曜よる10時〜)に出演する女優の高橋ひかる(たかはし・ひかる/23※「高」は正式には「はしごだか」)に、モデルプレスらがインタビュー。主演を務める女優の芳根京子の印象や撮影現場でのエピソードなどを語った。
【写真】高橋ひかる、華やかな晴れ着姿
◆高橋ひかる「まどか26歳、研修医やってます!」で医師役初挑戦
本作は、水谷緑著「まどか26歳、研修医やってます!」「あたふた研修医やってます。」「離島で研修医やってきました。」(KADOKAWA刊)を原作に、主人公の研修医・若月まどか(わかつき・まどか/芳根)が、医師として女子として、人生と向き合う濃厚な2年間を描いた成長物語。高橋は、まどかの同期の研修医・尾崎千冬(おざき・ちふゆ)を演じ、今作で自身初となる医師に挑戦する。
◆高橋ひかる、千冬は「まどかと正反対」
― 今回演じている研修医・尾崎千冬の魅力や演じる上でのこだわりをお聞かせください。
高橋:千冬は家族の影響で医師を目指すことになり、将来や結婚のことなど、先々のビジョンをしっかり持っている子です。でも、どこの科に行きたいかが決まっていなかったり、意外とふわふわしている部分もあるのがすごくリアルだと思いました。なんとなくなりたい人物像はあるけど、実際には何をどうしたらいいかわからない、というのは共感性が高い子だと思っています。台本を読んでどのように演じるかを考えたとき、いろいろ遊べそうな役だと思い監督やプロデューサーさんとお話していたのですが、結果的にすごくシンプルな、まどかと正反対な見え方をするキャラクターになっているのではないかと思います。
― まどかとは正反対とのことですが、芳根さんの演技を見たうえで調整することはありますか?
高橋:研修医全体のバランスを見て、現場でもコミュニケーションを取って役作りをしています。キャストやプロデューサーさんも「それぞれのキャラクターが立つようにしたい」と考えているので、まどかちゃんはもちろん、それ以外のキャストの皆さんとも計りながらやっています。私はもともと性格も明るくて動作が大きく、役もノリノリな感じで作っていたので、芳根さんと並んだときに少し幼く見えた部分もあったみたいで、そこは最小の表現にしています(笑)。
◆高橋ひかる、初の医師役で感じた悔しさ
― 千冬は共感性が高い役とのことですが、ご自身との共通点や共感できる部分があれば教えてください。
高橋:先ほど言った、なんとなくのビジョンは決まっているけど、実はなんかふわふわしているところはすごく共感できます。最近は選択肢がありすぎて、幸せなことだとは思いつつも時代に合わせて生きていくのが大変で。私はSNSも苦手で、自分を表現することももともと得意なタイプではなかったので、千冬とは全然違う仕事ですが、千冬が感じている焦燥感は理解できます。将来結婚できるのかな、とか先が見えているようで見えていないのはすごく分かります。
― 初めての医師役ですが、苦労した点はありますか?
高橋:手術をしたり点滴のルートを取ったり、医療的な作業をすると思いワクワクしていたのですが、意外と研修医は何もさせてもらえず、先生たちがやっているところを見て学ぶことが多いので、少しもどかしい思いです(笑)。大変というよりは、研修医たちと同じように「悔しい」っていう気持ちでいます。
1つのシーンで複数のチームが別々に動いていて、台本を読むとそれぞれの動きが別々に書いてあったりするのですごく難しい部分もあります。そういうものは医療リハーサルで0から100までひたすら聞いて、書いていない部分はどういう動きをしたらいいですか?と確認しにいったりしています。大変ですがすごく楽しくて、新たな学びとしてチャレンジさせてもらっています。
◆高橋ひかる、芳根京子に圧倒されたこと
― 同期との撮影で印象に残っていることはありますか?
高橋:先日、寮での撮影に芳根さんや研修医のみんな、菅野先生(鈴木伸之)がいらっしゃり、お話していたのですが、人数も多いので結構話が行き違っていました(笑)。自分はAのことだと思っている話を誰かはBだと思っていて、でもまた違う誰かはCだと思っていて…みたいな感じで、理解しているつもりで「なるほどね」って言ってるけど全然違う、みたいなことが多発しています。
私が話していた内容が誰にも伝わらず、最後の方で小西桜子さん(横川萌役)だけ理解してくれたことがあったのですが、鈴木さんや吉村(界人/桃木健斗役)さんには「何を言っているのか分からないんだけど」と言われました(笑)。芳根さんはボケもツッコミもできる方なので、私はひたすらツッコまれたり、意外といじられています。千冬もしっかりしていてツッコむキャラかと思いきや意外とポンコツなところもあったりと自分と似ている部分がある気がしていて、愛着が湧いています。
― みなさんとはすぐに仲良くなれましたか?
高橋:最初は机を囲んでいるのに誰も第一声を発せず、沈黙が続く場面もあったのですが、気づいたら誰かが話してくれて楽しそうだからそれに乗っちゃう、みたいな感じになりました。そういう空気感は芳根さんや大西(流星/五十嵐翔役)さんが最初に作ってくださり、そこにみんなの個性がどんどん乗っかっていき楽しい空間になっています。
芳根さんのパワフルさがすごくて、ハードなスケジュールでも誰よりも声量が大きく、待機室にいてもセットの中から笑い声が聞こえてくるんですよ。それを聞いて、こっちもクスクス笑っちゃうくらい圧倒されています(笑)。
― 芳根さんが以前のインタビューで、同期のシーンを「青春っぽい感じ」とおっしゃられていましたが、高橋さんは同期シーンについてどのように捉えていますか?
高橋:高め合える仲間という感じですね。「青春」というワードはすごく納得です。衝突もあったり高め合ったり、ただ楽しいだけではなく、酸いも甘いも痛みもあるイメージなので、すごく適した言葉だと思います。私はこれまで学園モノを多くはやってこなかったですし、同世代の方が複数いる現場もあまりなかったので新鮮です。みんなで役や台本に関して話し合っているときに、“仲間感”を感じますね。現場で台本の変更があったり長いシーンがあると、芳根さんを筆頭に「読み合わせをしよう」と声をかけてくださって、ただ楽しむだけではなくより良いものを作るためにコミュニケーションが取れているのではないかと思います。
◆高橋ひかる、千冬の性格に共感「自分と同じ」
― これまでで印象に残っているシーンはありますか?
高橋:研修医のみんなで将来について話し合ったりしていて、3話は特に衝突と和解というのがテーマだと感じています。大人になればなるほど人とぶつかることは少なくなると思いますが、研修医のみんなは自分の思いをしっかりと話すタイプなので、すごく面白いです。スーパーローテーションの1つの科が終わり、それぞれの性格が見えてきて、緩みや甘えなど人間らしい姿が見られるのも3話の見どころになっていると思います。
千冬の性格が見えるシーンもあり、ネタバレになるので詳しく言えないのですが、「うわ〜私もそうだな、そうやっちゃうタイプだな」と、自分と同じような性格だと感じました。クラスで誰も実行委員をやらないから自分がやっちゃう、みたいな(笑)。すごく共感できましたね。
― 今作では“働き方”も大きなテーマになっていますが、イマドキの働き方についてどのように思いますか?
高橋:昔ながらの働き方も現代の働き方もあって、どっちが良いというのは明確にはなく、昔は昔の良さがあり、今も全てが良いとは言い切れない部分もあると思います。今の時代、転職という選択肢もありますし、代行業者で退職される方もいて、いろんな選択肢があると思うのですが、この春から新社会人になる方や進路に悩んでいる方も、ポスタービジュアルの「逃げないことだけ、決めてみた。」というフレーズや、まどかの口癖である「なんとかなる」というワードは人生の指針になるのではないかと思います。
逃げないことで得られる気付きや悔しさなどもあるので、まず経験してみることはすごく大切です。仕事でも人間関係でも、やらずに後悔するよりやったほうが良いというのは常々感じているので、「逃げないことだけ、決めてみた。」というフレーズは私自身にも刺さりました。この作品を通して、働くことや生きることに対してすごくエネルギーを貰えます。
◆高橋ひかる、先輩医師の言葉から学んだこと
― 第1話のタイトルが「研修医はお客様」、第2話のタイトルが「イマドキ研修医VS化石オヤジ」ですが、実際演じてみて研修医たちと先輩医師たちの確執についてはどのように感じましたか?
高橋:先輩医師が言っていることは、悔しいけど的を射ていることも多いです。第2話で電子カルテが使えなくなってしまったときに、担当患者以外のカルテも覚えていて「俺たちの時代じゃ当たり前だった」と昔のスタンダードを押し付けられても、「いや、そんなこと知らないし」と反射的に思ってしまうのですが、私は悔しいと思ってしまうタイプなので「じゃあやってやるよ」とも思います。でも、そう思わない人もいるので、西山先生(赤堀雅秋)も悩んでいらっしゃいましたが、すごく難しいと感じました。先生たちは成功体験があるから、ただ意地悪で言っているわけではなくても、聞き手によっては意地悪に感じてしまって。そういう部分も、長い目で見てコミュニケーションを取ってやっていかなければいけないのだと学びました。
◆高橋ひかる、工藤遥・鳴海唯らに支えられて成長
― 今作は研修医のみんなが一緒に頑張っていく姿が描かれますが、高橋さんがこれまで仲間と切磋琢磨したエピソードなどがあればお聞かせください。
高橋:TBSのドラマに出演させていただくのが2度目なのですが、初めて出演させていただいた「村井の恋」(2022)で初めて作品を縫う(=複数の作品を同時にやる)経験をしました。当時もう一つやっていたのがオールナイトニッポン55周年記念公演「あの夜を覚えてる」という生配信舞台演劇ドラマだったのですが、もともと体力もなく、稽古に参加できる日も限られていたので、舞台の立ち位置や流れ、台本を覚えられるか不安で、気持ちが少し不安定になってしまったんです。そんなときに、共演の工藤遥さんや鳴海唯さん、三四郎の相田(周二)さんなど、キャストのみなさんが「大丈夫だよ」と言って支えてくださいました。みなさんに支えられながら必死に食らいついていく形で、自分が磨かれた期間だったと思います。どちらも思い入れ深い作品なので、その時期のことは今でも思い出したりしますね。
― そういった経験を通して絆も深まったのではないですか?
高橋:そうですね。当時、コミュニケーションを取るのが下手になっている時期というか、仕事のことで頭がいっぱいいっぱいだったのですが、今振り返ると大変な経験があったからこそ、成長できたことがありました。力の抜き方や、誰かに甘えていいということを体験させてもらい、共演者の皆さんとより良いものを作ろうという気持ちをより一層強く持つことができました。「あの夜を覚えてる」の続編、「あの夜であえたら」のときは、よりみんなとコミュニケーションを取りながら良いものができたのではないかと思いますし、それが今にも活きています。
◆高橋ひかる、仲間に支えられ「逃げない」選択
― 今作のポスターには「逃げないことだけ、決めてみた。」というフレーズが書かれています。高橋さんがこれまでの「逃げないと決めた」エピソードをお聞かせください。
高橋:高校の卒業です。私は芸能のお仕事を認めている学校に通っており、休んだ日は補習で単位を取って卒業できるというシステムだったのですが、お休みした日があまりにも多くて卒業式までに間に合わないかもしれない、といったことがありました。私は少し諦めかけていて、みんなと同じタイミングで証書がもらえなくても後から卒業できればいいか、と思っていたのですが、担任の先生や同級生の仲間が「自分も一緒に補習行くから、頑張って同じ日に卒業しよう」と言ってくれて、逃げずにやってみようと思いました。仕事がどのタイミングで入るか分からず、間に合うか分からなかったのですが、仲間たちと先生たちと一緒に頑張ったおかげでみんなと一緒に卒業できたので、チャレンジしてよかったと思いましたし、支えてくださった方々に感謝しています。損得勘定なしに支え合える友だちがいることはすごく恵まれたことですし、その仲間とは今でも連絡を取ったり何かあったら会いに行ったりと、仲良くさせてもらっています。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
◆高橋ひかる(たかはし・ひかる)プロフィール
2001年9月22日生まれ、滋賀県出身。2014年「第14回全日本国民的美少女コンテスト」にてグランプリを受賞し、2016年に映画「人生の約束」のヒロインで俳優デビュー。2017年、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」でドラマデビューを果たし、その後も数々の話題作に出演。主な出演作はWOWOW「青野くんに触りたいから死にたい」(2022)、テレビ朝日系「ハレーションラブ」(2023)、カンテレ・フジテレビ系「リビングの松永さん」(2024)、テレビ朝日系「顔に泥を塗る」(2024)、映画「おそ松さん」(2022)、映画「赤羽骨子のボディガード」(2024)、舞台「あの夜で会えたら」(2023)など。
◆「まどか26歳、研修医やってます!」第3話あらすじ
研修医のまどか(芳根京子)の次なる研修先は消化器内科。指導医の冴子(木村多江)の厳しい指導に戸惑いながらも、勤務時間外はプライベートを楽しむ姿に、まどかは憧れを抱き始める。そんな冴子は、外科の西山(赤堀雅秋)と犬猿の仲。治療方針を巡って喧嘩する様は日常茶飯事だった。そんなある日、胃の調子が悪い中山(小久保寿人)が妻・美波(田畑智子)と娘と共に病院に訪れる。その病状は、まどかの想像以上に深刻で…。
中山とどう向き合えばいいか悩むまどかに桃木(吉村界人)が突っかかり、2人は激しく衝突。重い空気が流れる。2人を心配する五十嵐(大西流星)はある行動に出て…。一方、菅野(鈴木伸之)もまどかが気にかかり…。
【Not Sponsored 記事】