将棋の第37期竜王戦七番勝負を4勝2敗で制し、タイトル4連覇を果たした藤井聡太竜王の就位式が29日、東京都渋谷区のセルリアンタワー東急ホテルで行われた。式典には、祝辞ゲストとして映画『盤上の向日葵』(10月31日公開)で主人公の将棋棋士を演じた俳優の坂口健太郎が登場し、この季節では珍しい向日葵(ひまわり)の花束を手渡した。
【動画】坂口健太郎×渡辺謙、 魂の演技がぶつかりあう超特報映像 映画『盤上の向日葵』は、柚月裕子による同名小説(中央公論新社)が原作。坂口は、将棋界に現れた異色の天才棋士・上条桂介を演じたことから、“将棋”つながりで藤井竜王との“夢のステージ”が実現した。将棋界と映画界、注目2人の初対面は、まるで映画のワンシーンのようだった。
関係者や将棋ファンら約350人が集まる会場で、同映画の超特報映像が流れた後、拍手で迎えられた坂口は「おごそかな会だと思っていたんですが、裏にいたらみなさんの笑い声が聞こえて、ほっと胸を撫で下ろしました(笑)。普段、撮影をするよりも緊張しています」と明かし、本作で演じている“天才棋士”役について紹介。
坂口は「監督がたくさんの棋士の方の映像を参考に送ってくださって、毎回その映像を見ながら役作りといいますか、手を指す仕草など、いろいろ勉強させていただきました」と秘話を披露し、「映像のなかには藤井聡太竜王の姿もあったので、もしかしたら、僕は勝手に藤井竜王のエキスのようなものが入っているのかなと思いました」と明かしたところ、会場では笑いが起こり、和やかな雰囲気に。
続いて、「棋士の役を演じた今だからこそ、盤上のうえに充満するような、目にはみえない色のついた煙のようなものを日々感じて、撮影に挑んでいました」と、撮影現場を振り返り、「ぜひ、今回の映画を藤井竜王にも見ていただいて…」とコメントするも慌てて「宣伝ではないです!」と語り、会場はまたも笑いに包まれた。最後は「将棋界がますます発展していくのを祈っております。今日はおめでとうございます!」と締めくくった。
坂口からのコメントを受け、藤井竜王は「坂口さまにはご祝辞いただきまして、本当にありがとうございます。この映画が今年の秋に公開されるとのことで、この映画を通して将棋がもつさまざまな魅力が多くの方に伝わることを期待しております」と、エールを返した。