木村拓哉 冴えないタクシー運転主役で19年ぶり再タッグに秘めた「山田洋次との約束」

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2025年01月30日 11:10  web女性自身

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「もう一度山田組の撮影に参加させてもらうことに何の迷いもなくて、時代劇と現代劇の違いはあるかもしれないけれど、登場人物たちの心の流れや抑揚を丁寧に導いてくれる監督なので、撮影が始まるのが楽しみで仕方がないです」



1月23日、都内でおこなわれた松竹創業130周年記念2025-26年ラインナップ発表会で、こうコメントしたのは木村拓哉(52)。



巨匠・山田洋次監督(93)の新作映画『TOKYOタクシー』に木村と倍賞千恵子(83)が出演することが発表された。



同作はフランスで大ヒットした映画『パリタクシー』が原作で、木村は自身初となるタクシー運転手を演じる。東京を舞台に、木村演じる冴えない日々を送るタクシー運転手が、倍賞扮する終のすみかとなる高齢者施設に向かうマダムと出会い、心を通わせていくヒューマンストーリーだ。



木村と山田監督のタッグは’06年の映画『武士の一分』以来19年ぶり。同作は木村にとって、初主演映画であったが、興行収入は41億円を超える大ヒットを記録した。



『武士の一分』で山田監督が木村を主演に抜擢した理由を芸能関係者が明かす。



「山田監督は木村さんがまだ無名だったころ、ある授賞式で木村さんと会ったそうです。そのとき、『若侍にしたら似合うだろうな』と感じ、『いつか木村くんで時代劇を』と考えていたといいます。



そして十数年後、『武士の一分』のキャストを決める際に、木村さんの魅力的な目と、凜々しい姿を思い出し、一度会うことに。



そこで木村さんから過去に剣道をやっていたことを聞かされて、オファーしたそうです」



山田監督の慧眼により、木村を主演に据えた『武士の一分』は大ヒット。木村も、’06年に開かれた同作の製作記者会見で山田組を、「道徳の授業を受けているように有意義な日々を送っています。じっくりと丁寧に“物作り”ができる現場です」と絶賛していた。



山田監督のほうも、’06年12月発売の『キネマ旬報』で映画批評家と対談した際に、木村の芝居について、《ぬきんでているんじゃないの? 美男だし、天才的なところがあるよ》と評していた。



相思相愛だった2人による19年ぶりの“再タッグ”。今回も、山田監督からのオファーだったようだ。



「『武士の一分』から2〜3年ほどたったころ、あるテレビ局でSMAPのメンバーとして多忙な日々を送っていた木村さんと、山田監督が偶然再会したそうです。



立ち話をするなかで、山田監督は木村さんに、『君が50歳を超えたら、また君と映画を撮りたいな』と告げたそうです。



日本映画の巨匠である山田監督からもらった言葉に、木村さんはとても喜んでいたといいます。



また木村さんが撮影所で’19年の映画『マスカレード・ホテル』を撮影していたときにも、別のスタジオで山田監督が撮っていることを知った木村さんは、挨拶に訪れたそうです。山田監督は久しぶりの再会に終始笑顔だったと聞いています」(映画関係者)





■「ほかでは見られない彼の優しく温かい面を」



そうして、木村が50歳を超え、山田監督との“再タッグ”が実現した。前出のラインナップ発表会で、山田監督は木村の起用にあたり、「彼のほかの作品ではあまり見ることができないような、彼の優しくて温かい面を盗み撮りたい。タクシー運転手という平凡な一人の男になったときに、彼がふだん人に見せないような姿がふっと見られたら素敵だと思う」と意気込んでいた。



山田監督の真意とはーー。前出の芸能関係者が推察する。



「12月から1月にかけて、木村さんは12月公開の主演映画『グランメゾン・パリ』の宣伝のため、バラエティ番組に複数出演しましたが、山田監督は何本も見たそうです。そして、一般人と会話する“素”の木村さんを絶賛していました。



スター・木村拓哉ではない木村さんを撮りたいということなのではないでしょうか。



山田監督は今を先行きの知れない、とてもつらい時代だと言います。『こんな時代だからこそ、軽やかに楽しく見ることができる映画を作れれば』と言っていました」



『武士の一分』を撮影していた当時、木村は30代前半で国民的スターであった。



「デビュー当初のSMAPは特別人気があったわけではありません。少年隊や光GENJIはデビュー曲で、オリコンチャート初登場1位を獲得しましたが、SMAPは2位。歌やダンスのクオリティも、劣っていました。



そんな状況で、SMAPが嘲笑されたときには、『俺のことをバカにするのは構わないけど、SMAPのことをバカにしたら絶対に許さねえ!』と激怒。それほどSMAPに懸けていたのでしょう。



木村さんはドラマの現場でがむしゃらに努力し、’93年のドラマ『あすなろ白書』(フジテレビ系)で注目を集め、SMAPをブレークに導き、自身もスターになりました」(前出・芸能関係者)



大切に守ってきたSMAPは’16年に解散。そして、1月23日には元メンバーの中居正広(52)が一部週刊誌で報じられた女性トラブルにより芸能界を引退した。



「若くしてスターになった木村さんですが、その一方でたくさんの苦労をしているため、人の痛みがわかる優しさがあります。



数々のスターたちを撮ってきた山田監督はそのことがわかっているに違いありません。



『TOKYOタクシー』では50歳を超えて円熟味の増した木村さんの全てをぶつけてほしいと考えているのではないでしょうか」



“憤懣も悲哀もさらけ出す”心意気で木村は約束の映画に挑む。

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